福祉貢献学科 子ども福祉専攻

子ども、家庭、地域、社会と向き合い、保育の未来を支えるプロフェッショナルをめざします。

保育の現状に即した人材育成に留まらず、今後の保育の進むべき道を考えながら、子どもたちの幸せをめざすことができる人材を育てます。4年間で得る専門知識や福祉マインドは、社会のさまざまな分野で求められる力です。卒業後は、保育所、幼稚園、認定こども園、児童養護施設、児童発達支援センターなどで保育者として活躍できる他、子育て支援課をはじめとする保育に関する行政職、おもちゃや児童書など子ども関連の商品を扱う一般企業へ進むことも可能です。

[子どもを支える実践力]

子ども福祉専攻の特色

子育てに関する
現代のさまざまな課題に応える
福祉マインドを育成

保育や幼児教育の専門知識に加え、社会を広く見渡す福祉の視点を育成します。共働き世帯の増加による低年齢児保育ニーズの高まり、子育てに不安を抱える保護者の増加、子どもの貧困といった現代の課題に応えるため、支援策を把握し、適切なサポートを提供できる力を養います。

知識を得るだけではなく演習・実習を
通した段階的な学び

保育士資格・幼稚園教諭一種免許状の取得をめざして、基礎から段階的に学べるカリキュラムを用意しています。保育・幼児教育への理解を深めるためには、専門知識を修得するだけでなく、実践的な学びが必要です。実習はもちろん、実習を見据えた演習もおこなうなど手厚くフォローしています。

学内の保育施設であるAS保育室や
近隣の保育所・保育園など学内外に
体験の場を豊富に用意

教職員などの子どもたちを預かる事業所内保育室(AS保育室)での体験学修を取り入れ、保育の現状を学びます。近隣の保育所・幼稚園にも協力いただき体験実習も実施。また、希望者は子ども福祉の先進国であるスウェーデンで研修をおこない、新たな発見を通して、将来の仕事に活きる保育観を培います。

子ども福祉専攻の魅力

体験レポートコミュニティ・アクティブ・ラーニングを経験して詳しく読む
  • コミュニケーション・アクティブ・ラーニングを経験して

  • それぞれの保育の良さに気づけた海外研修。

    平山 菜津子さん

    福祉貢献学部 福祉貢献学科 子ども福祉専攻 4年生
    (愛知県立岡崎西高等学校 出身)※2020年度

    スウェーデン研修で印象深かったのは、日本とは異なる保育者の姿勢です。スウェーデンの保育者は子どもたちと一緒に遊ぶことはなく、さまざまなことに挑戦できるよう、必要な時に援助する見守る保育で子どもの自主性を大切にしていました。自主性を重んじるスタイルに魅力を感じた一方、言葉の壁がある中でも、子どもたちと一緒に遊ぶことで距離を縮めることができ、子どもと直にふれあう日本の保育の良さを再認識しました。将来は日本とスウェーデン両国の良さを取り入れ、子どもをより良く育める保育者になりたいです。

学外実習

現場の保育士・幼稚園教諭の仕事を見学し、実際に子どもと関わることで、先生の指導方法や保護者との連携など、必要な技術や態度を身につけることができます。

事前学習

学内の保育室を活用した実習や保育教材の研究など、充実した準備をおこない、より実りの多い実習へとつなげます。

  • AS保育室での実習

    AS保育室
    での実習

  • 子どもと遊ぶことを通して、子どもを観察する視点や子どもとの関わりを学びます。

  • 壁面飾り

    壁面飾り

  • 学生が考えた案をもとに、子どもと一緒に制作活動をおこない、季節の壁面飾りを作製します。

事後の振り返り・報告会

実習終了後は、担当教員からの指導や助言を仰ぎながら実習先での経験を振り返り、今後の課題を明確にします。また「実習報告会」で、他の学生の実習体験を聴き、学生同士で意見交換することで自分の実習を多角的に振り返ることができます。

実習の流れ

実習レポート学外実習を経験して詳しく読む
  • 学外実習を経験して

  • 比較することで見えてくる保育・教育の姿

    若島 沙良さん

    福祉貢献学部 福祉貢献学科 子ども福祉専攻 2019年度卒業(三重県立桑名高等学校 出身)

    実習先桑名市立光風幼稚園/桑名市立桑陽保育所/(福)聖母の家 他

    複数の資格取得をめざし、保育所・幼稚園・児童養護施設での学外実習を経験しました。4歳児を担当しましたが、同じ年齢でも幼少期から長時間保育所で過ごしてきた園児は自立心が強く、入園してすぐの園児は親子の関係性が密だと感じました。先生の指導・保育法を見ていると、年齢だけでなく、その子がどうしたいか、何を求めているのか、きちんと向き合って方針を決めており、状況に合わせた保育や教育の大切さを意識するように。そうした姿勢が子どもや保護者との信頼関係を築くのだと学びました。

  • 学外実習を経験して

  • 国内外の多様な実習経験から、保育観が養えた

    小川 純里さん

    福祉貢献学部 福祉貢献学科 子ども福祉専攻 4年生(2019年度)

    高校生の頃、保育の現場で働きたいと考え、子ども福祉専攻に進学。幼稚園教諭一種免許状・保育士資格という2種類の取得をめざしました。資格取得のためには、幼稚園2回、保育所2回、発達支援センターなどの福祉施設1回の計5回の実習が必須。授業で身に付けた力を発揮して実践力を養いました。
    初期の実習では、大学で学んだ知識を活かし、子どものサポートや遊びを通じて子どもの特徴を掴みます。それから保育に深く携わるようになり、終盤にはクラスを一人で任せられるように。自身は学んでいる身ですが、子どもたちは一人の先生として接してきます。責任をもって、ダメなことはダメと注意し、遊ぶときは一緒になって楽しむ。その中で、先生に指導いただいたのは「習熟度の差で対応を怠ってはいけない」ということ。遊び終えた子や課題をクリアした子が退屈しないように新たな楽しみを与えるなどして、一人ひとりの個性を理解しながら柔軟に対応していくことが必要であることを学びました。
    子ども福祉専攻では、「コミュニティ・アクティブ・ラーニング」を受講すると、3年次前期に福祉先進国として知られるスウェーデンの就学前学校に保育研修へ行くことができます。スウェーデンは保育者の数が多く、1クラスで少人数のグループを作り、一人ひとりと向き合う環境が整っていました。また印象深かったことは、子どもの主体性を尊重する姿勢。転びそうなごつごつした場所でも「危ないからやめなさい」というのではなく見守っていました。子どもたちの豊かな成長を大切にする姿勢から、自身の保育観を深めることができたと思います。

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北欧の保育を学ぶ

スウェーデンの保育者による公開講演会

福祉貢献学科 子ども福祉専攻では毎年、福祉先進国であるスウェーデンから保育者を招き講演会を実施しています。2019年度はオルゴナ就学前学校のアンナ ヴァイデンさん、ソーレン就学前学校のアン ヘレン グラフネィさんをお迎えし「教育的ドキュメンテーションを活用したスウェーデンの保育実践 空間の広がりを探究する子どもたち」という演題でご講演いただきました。子どもたちの学びの様子を、写真や動画、子どもが描いた絵などを用いて振り返り、成長のプロセスを可視化するのが「ドキュメンテーション」。それが実際の保育に活かされる実例を学ぶ貴重な機会となりました。

  • スウェーデンの保育者による公開講演会

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AS保育室

教職員、学生の子どもたちや、周辺地域の子どもたちを預かる事業所内保育室。実践的な体験学習の場として活用し、子どもへの理解を深めています。

  • AS保育室

音楽室・個別練習室

『音楽基礎技能』などの授業で、ピアノ、声楽、打楽器演奏などの音楽表現を習熟度別に学びます。また、ピアノの自主練習の場としても使用できます。

  • 音楽室・個別練習室

陶芸室

『造形基礎技能』などの授業で、陶芸を通してものづくりの楽しさを実感しながら、現場で役立つ造形の手法を学びます。

  • 陶芸室

先輩から聞く学科(専攻)のこと多くの先輩が、福祉貢献学科 子ども福祉専攻から羽ばたいています。 詳しく読む
  • 就職決定者の声

  • 「子どものためになる保育」という目標に向かって

    卒業生

    鈴木 優花さん
    福祉貢献学部 福祉貢献学科 子ども福祉専攻 2021年度卒業
    (愛知県立岡崎西高等学校 出身)
    就職先:岡崎市役所(保育職)

    Q1 この学科(専攻)を志望した理由は?

    中学の頃の職業体験をきっかけに保育士を志すようになりました。複数の大学を調べましたが、愛知淑徳大学にはAS保育室があり、実践的な保育や幼児教育を学べることに魅力を感じ、進学を決めました。

    Q2 印象的だった授業は?

    2年次の『保育内容指導法』です。手遊びや絵本など具体的なテーマに基づく指導案や教材を作成し、グループ間で模擬保育をおこないました。仲間の制作物から自分にはないアイデアや表現方法を得るなど、指導法の幅が広がりました。また、さまざまな授業において、制作した教材や劇をAS保育室で発表する機会もあり、子どもたちの反応を知ることもできました。現場実習前にしっかりと実践練習ができたことで、不安を解消して実習に臨めました。

    Q3 この学科(専攻)で学んで良かったことは?  

    先生の手厚いサポートが受けられました。1年次から定期的に個人面談があり、学修内容や大学生活や就職活動のことまで幅広く相談できました。私たち学生の考えに寄り添ってくださることで、ひとりで悩むことなく学生生活が送れました。また少人数制だったことで専攻内の絆も強く、「子どものためになる保育」という同じ目標に向かって、相談したり、協力したりと充実した環境で学べました。

4年間の学び(2022年度)

保育士資格・幼稚園教諭一種免許状の取得をめざし、体験学修を通して、実践的に学びます。

保育の全体像を捉える1年次

基礎的な知識を修得し、保育の全体像を把握します。学内のAS保育室の見学だけでなく、近隣の保育施設での保育活動に参加し、1年次から子どもとふれあいます。

保育原理Ⅰ・Ⅱ

保育の意義について理解を深め、保育の内容と方法について考察します。また、「保育所保育指針」を中心に、保育の特性と目標、保育環境などについて学びます。

保育方法を学ぶ2年次

前期には事業所内保育室で一人の幼児を観察することを通し、個々の子どもの気持ちに寄り添うことを学びます。後期には学外実習も始まり、保育の現場を経験します。

保育内容 表現Ⅱ

子どものためのミュージカル(音楽劇)の企画・制作および実演に取り組み、保育者に必要なさまざまな表現法を学びます。

実践中心の1年間3年次

実習を通して子どもへの理解を深めます。保育所をはじめとする、さまざまな児童福祉施設での実習を経験し、卒業後の進路について具体的に考えます。

技能を高める総仕上げ4年次

進路選択への取り組みを具体的に進めます。実習やゼミを通してこれまでの学修を整理したり、振り返りや課題検討をおこなったりし、保育の技能を高めます。

スウェーデンでの保育研修『コミュニティ・アクティブ・ラーニング』

  • 福祉先進国として知られるスウェーデンの保育施設を見学し、参加実習をおこないます。日本とは異なる環境に身を置き、より良い保育のあり方を柔軟に追究していく、貴重な経験となっています。

  • 参加体験型学習

スウェーデン研修の概要(2019年度)
  • 参加体験型学習

  • 学校教育体験

※今後(上記の)カリキュラムは変更になる場合があります。

時間割例

2年次後期

時間割例

保育内容 表現Ⅱ

音楽的、身体的、造形的表現活動を総合し、音楽劇の制作・上演に取り組みます。仲間と協力する姿勢、子どもを理解する力を養います。

乳児保育演習

社会的に需要の高い低年齢児保育の意義と、その具体的な保育方法について学びます。保護者との連携に必要な情報発信のあり方も考えていきます。

資格・免許

取得できる資格・免許
  • 幼稚園教諭一種免許状/
  • 保育士資格/
  • 児童指導員任用資格*/
  • 社会福祉主事任用資格*

*任用資格:採用後、特定の業務に任用される時に必要とされる資格

目標とする資格など
  • TOEIC、TOEFLのスコアアップ

就職

保育士・幼稚園教諭の就職実績(2021年度)
  • 公立保育所・幼稚園 11名/
  • 私立保育所・認定こども園 19名/
  • 私立幼稚園 17名/
  • 保育所以外の児童福祉施設 3名
就職先一覧(2019~2021年度)
  • (福)愛知県厚生事業団/
  • 一宮市役所/
  • 岡崎市役所/
  • 春日井市役所/
  • (福)静岡ホーム 児童養護施設静岡ホーム/
  • センコー/
  • 多治見市役所/
  • 豊田市役所/
  • 長久手市役所/
  • 名古屋市役所/
  • (福)高針福祉会 西山保育園/
  • 四日市市役所

研究テーマ

  • 乳幼児におけるオノマトペの効果
  • 保育職・教育職におけるワークライフバランスについて
  • 障害児・者の周囲の環境とこだわり行動の関連について
  • 遊びを通して育つ子どもをめざして
  • スウェーデンの子育て支援制度の現状
  • 外国にルーツを持つ子どもに関する保育
  • 保育所における食物アレルギーへの対応