グローバルカルチャー・コミュニケーション専攻

 急速な変容を遂げている現代国際社会は、国家間および民族間の協調共存の維持と同時に、個人の活動を含め、信頼関係に立った実践的な貢献と文化交流の必要性を各国の市民に問うています。本研究科の使命は、市民交流の意識を培うとともに、高度でアカデミックな学修を通して、言語教育や文化研究、地域社会貢献、国際社会貢献、観光などの分野において、社会に実践的に働きかける人材を育成することです。このような教育理念のもとに、本研究科では、国際的言語である英語力の養成に力を入れるとともに、コミュニケーション学、英語・中国語・日本語などの言語(教育)研究、英米文化文学研究、ユーラシア地域研究、国際交流、ツーリズムなど、日本を取り巻く現代国際社会をさまざまな角度から研究するためのカリキュラムを展開しています。また、現地で実践学習することを重視し、学生の自発的意志により、言語教育や文化交流、社会貢献活動などを実体験し、生きた知識を体得できる科目も提供しています。このように、本研究科の特徴は、国際社会を社会文化的側面から研究するとともに、異文化間コミュニケーション能力を深められることにあります。
 本研究科は単一専攻ですが、言語文化と交流文化の二つのコースのもとに実践、理論の両面を強調したカリキュラムが用意されています。コースを縦断した履修も可能ですので、さまざまなニーズを持った大学院生の期待に応えることが可能です。大学既卒者、社会人、外国人留学生などにも配慮した、履修しやすいカリキュラムとなっています。

言語文化コース

 世界に広がるグローバルな文化のしくみを理解するとともに、各国・各地域の言語に対する深淵な知識、異文化に対する深い知見、高度な言語コミュニケーション能力を養います。国際交流推進に力を発揮する言語教師および言語スペシャリスト養成も目標にしたカリキュラムを編成し、多様な言語や文化を尊重して国際社会の未来を拓く人材を育てます。

  1. コミュニケーションスタディーズプログラム(Communication Studies Program)
     言語やその他の記号を媒介として、人間がどのようにコミュニケーションを図っているかを学び、人・組織・文化間の意思伝達について豊かな知識と理解を持った人材を養成します。
  2. ランゲージスタディーズプログラム(Language Studies Program)
     英語・中国語・日本語を対象として、言語の構造をさまざまな角度から分析し、言語について深い知識とするどい洞察力を持った人材、および英語、中国語、日本語の語学教師や言語のスペシャリストを養成します。
  3. カルチャースタディーズプログラム(Culture Studies Program)
     欧米文化・文学に対する理解を深め、共通点や相違点を考察し、欧米の価値観、世界観などに表される文化に対する知見を備えた人材を養成します。

交流文化コース

 国際開発・協力、観光産業に携わるための理論研究、個々の諸問題の具体的解決策提言などの社会貢献、ツーリズムや国際教育など実践的な活動、さらにグローバル化や国際的な地域統合化プロセスの制度化研究をおこないます。専門知識・技能を修得するとともに、複雑化する国際社会の諸情勢を的確に分析し、国際社会貢献や地域文化交流に寄与するスペシャリストを養成します。

  1. グローバルスタディーズプログラム(Global Studies Program)
     国際交流や国際協力に関する理論と実践から専門知識・技能を深めるとともに、海外でのフィールドスタディを通して、対外折衝能力、問題発見・解決能力、自己判断能力、組織マネージメント能力を持った人材を養成します。
  2. エリアスタディーズプログラム(Area Studies Program)
     アジア、ヨーロッパなど特定の国家や地域の政治的・歴史的な特徴に関する理論的研究と、文学や思想の専門的研究を通じ、グローバル社会における多民族共生の問題について深い知見を持った人材を養成します。
  3. ツーリズムスタディーズプログラム(Tourism Studies Program)
     学際領域であるツーリズムスタディーズの特性を踏まえ、観光に関する多角的・学際的研究を通じて、高度な分析能力・政策提言能力を備えた人材を養成します。

概要・特色

専攻の特色

専門と関心に応じて履修できる弾力的・実践的カリキュラム

 本研究科には、「言語文化コース」と「交流文化コース」の二つのコースのもと、六つの研究・課題実践プログラムが用意されています。学生は、選択したプログラムに関連する科目を中心に、各自の専門と関心に応じてすべての授業を自由に履修することが可能です。柔軟な思考に基づく問題解決能力と深い洞察力を育成し、実践的な専門能力を開発できるカリキュラム編成となっています。

理論と実践を融合させた研究・教育内容

 理論(「専門科目」「演習科目」)と実践(「課題実践科目」「研修科目」)を有機的に連携させることによって、グローバル社会に通用する高度な専門知識と技能が修得できます。
 言語文化と交流文化の専門領域に関する研究・課題実践を通して、実用的な言語運用能力を高め、ヒューマニティをベースにした異文化理解を深めます。

「研修科目」で確かな実践力を身につける

 「基礎科目」「専門科目」「演習科目」「課題実践科目」での学習成果を「研修科目」につなげ、実践力を高めます。

研修科目

修了要件の柔軟な運用

 ①30単位以上の単位修得に加え学位論文の提出、もしくは②「研修科目」(実践研究レポートの提出を必須とする)4単位を含む34単位以上の単位
修得のいずれかを選択し、学位審査を受けることができます。