学長室のお客様

女優の宮本信子さん

2000年1月 1日

 宮本信子さんは愛知淑徳高校を昭和38年に卒業され、女優の道を歩まれました。代表作は夫の故伊丹十三監督の「たんぽぽ」「お葬式」「マルサの女」「あげまん」などです。
 今回は中日劇場で行なわれた舞台劇「あげまん」の挨拶に学長室を訪問されました。
 その日、学長室の窓の外は満開の桜で満たされていましたから、それを背にされた宮本さんは、さすが女優とうならせるほどの美しさと華やぎにあふれていました。
 舞台も見てきましたが、そこではしっかりとした演技力に支えられた座長としての貫禄と風格が自然にかもし出されていました。
 舞台のあと、同行した校長先生と共に楽屋を訪れた折、化粧を落とした素顔のままで語られる宮本さんは、舞台直後の爽快感もあってか、とても朗らかで、それでいて謙虚さと思いやりのある方でした。
 ところで学生の皆さんはとっくに忘れていると思いますが、入学式で私は、「淑徳魂」の話をしましたが、淑徳魂とは強さと優しさを兼ね備えていることです。
 愛知淑徳出身の宮本さんは、女優としての美しさ、華やかさだけではなく、演技力に支えられた自信すなわち「強さ」、そして謙虚さと思いやりすなわち「優しさ」を兼ね備えた、淑徳魂を持った方でした。
 益々のご活躍をお祈りしたいと存じます。