報告

2014年11月25日

人間情報学部第2回講演会 「環境問題と高齢化社会対応 ―課題解決技術先進国をめざして―」

人間情報学部第2回講演会 「環境問題と高齢化社会対応 ―課題解決技術先進国をめざして―」

平成26年9月30日(火) 長久手キャンパス 7号棟 741教室

次代を見据えて動き出す、企業のプロジェクト。
その先進性にふれる講演会を学内で開催しました。

 心理学系、人間工学系、図書館情報学系を総合的に学び、人や社会に優しいモノづくり、システムづくりに貢献する人材をめざす----そんな学生たちの知的好奇心や向上心に応え、視野や可能性を広げるために、人間情報学部では学部独自の講演会を定期的に開催しています。9月30日(火)には、トヨタ自動車株式会社 技術統括部 主査・川本雅之氏を講師にお迎えし、「環境問題と高齢化社会対応―課題解決技術先進国をめざして―」をテーマに語っていただきました。
 トヨタ自動車株式会社は、自動車の製造だけではなく、持続可能な社会づくりを見据え、次世代交通システムなどの開発にも力を注いでいます。その第一線で活躍する川本氏は、未来の担い手である学生たちに向けて、環境問題と高齢化社会に対応した新たな技術について分かりやすく解説してくださいました。

 環境問題に関する話で取り上げられたのは、豊田市で実証実験に取り組む「次世代地方都市型低炭素化システム」。太陽光パネル、充電スタンド、プラグインハイブリッド車、家庭用蓄電池を備えた約70戸の住宅で実践されている「CO2排出を減らす暮らし方」についてお話しくださいました。「トヨタ自動車では、家とクルマの低炭素化をめざし、エネルギーの消費量や二酸化炭素の排出量などを"見える化"するモノやシステムをつくり、低炭素の暮らし方を実践的に検証しています。人の行動、暮らしを、時代に合わせていかに無理なく変えていくか。この実証実験で得られた成果を社会づくりに活かしたいと思います」と語る川本氏の言葉に学生たちは真剣に耳を傾け、「持続可能な社会」をどうつくるか、考えを深めました。

 また、高齢化社会対応については、世界で最も高齢化が進む日本の現状を解説し、その上で、アクセシビリティをキーワードに「誰もが利用しやすい交通システム」の必要性を言及。川本氏は、地域の人々が自家用車感覚で気軽に利用できるオンデマンドバスなどの事例を紹介しました。子ども、お年寄り、障がいのある人、すべての人が安心・快適に目的地まで行くことができる、未来の公共交通。それをどう実現するのか、学生たちは新たな課題を知り、向学心を高めました。

 「社会を変える新しい取り組みには、10年スパンの時間が必要になります。未知の10年、20年に果敢に挑戦し、すべての人に優しい交通システムの開発に努めます」と熱く語った川本氏。人や社会への貢献をめざして学ぶ人間情報学部の学生たちにとって、「すべての人に優しいモノ・システムづくり」は大きな目標です。その実現へと歩みを進める川本氏のお話を聞き、学生たちはいっそう志を強めて自身の学修や研究に取り組み、社会のさまざまな課題にも向き合っていくことでしょう。