報告

2015年02月23日

キャリアセンター主催 社会人入門セミナー 「職場のジェンダー」

キャリアセンター主催 社会人入門セミナー 「職場のジェンダー」

平成26年11月19日(水) 星が丘キャンパス 41F教室

講演会を通して職場のジェンダーを考え、
社会人として活躍するためのヒントを学びました。

 学生一人ひとりに対し、めざす進路の実現をサポートしているキャリアセンター。毎年、就職先が決定した大学4年生を対象に「社会人入門セミナー」を開催しています。このセミナーで学生たちは、4月の入社時から社会人として活躍するためのスキルを、多方面の専門家のお話から学びとっています。11月19日(水)には3回目の講演会が実施されました。登壇したのは、愛知淑徳大学副学長の石田好江先生。「職場のジェンダー」というタイトルで、女性が社会で働くことについて、他の先進国の状況と比較したり、大手企業の実例を用いたり、さらに、愛知淑徳大学の先輩たちの声を紹介しながら、お話くださいました。

女性を取り巻く職場環境についての理解を深めました。

 講演会に先立ち、キャリアセンターの職員が「仕事で関わる大勢の人たちと良好な人間関係を築くチカラは、社会人基礎力のひとつと言えます。仕事をやりがいに変えていくためにも、今日の講演会を通してまずは女性の特性を理解し、自身のキャリア形成に役立ててください」と開会の挨拶をおこないました。その挨拶を受けて、石田先生は「女性は結婚・出産・子育てとライフイベントのたびに、自身のキャリアを考えなくてはいけません。自分らしく生きるために、女性が社会で働くことについて、一緒に考えていきましょう」と学生たちに呼びかけました。

 まず石田先生は働く女性が置かれている日本の現状を解説。近年、女性の働きやすさを改善しようとする流れがある一方、終身雇用制という日本独特の制度が、女性の働く環境を向上させにくくしていると伝えました。「終身雇用制を採用する日本の企業にとって有能な人とは"長期間働き、会社に貢献してくれる人"。この基準だと、出産や育児で一定期間仕事を離れる女性は、どうしても男性のサブ的な存在になってしまうのです。また、子育ては女性の役割という潜在的な意識も女性のキャリア形成に大きく影響してきます」と石田先生。一生涯正社員で働き続けた場合の生涯年収、再就職を考える時に外せないポイントなどをスライドに映し出し、女性としてのキャリアを考えるきっかけとなる情報を次々と学生たちに提示していきました。

いきいきと働くためのポイントは、ジェンダーを知ること。

 女性を取り巻く働く環境について説明した上で、石田先生は「女性として、いきいきと働くためのポイント」を伝授。真っ先に伝えたのは「結婚・出産するまではとにかく、一生懸命仕事をしていろんなことを吸収してください」ということでした。「仕事に打ち込んで見つけた自分の長所をどんどん伸ばせば、上司や同僚の信頼につながり、出産や子育てのときもバックアップしてくれるはずです。この時期に、仕事のやりがいやおもしろさに気づいたら、出産・育児で仕事を手離すという選択はしないと思います」とメッセージ。さらに「相手を配慮しすぎるといった女性特有のクセを知って、それをうまくかわすことも大切」と語り、その一方で、同じ配慮するチカラや、相手に寄り添って聞くチカラは、仕事に大いに役立つと学生たちに勇気を与える言葉を贈りました。
 講演会終了後は、学生たちと働くことについて、質疑応答形式でディスカッションをおこないました。銀行への就職が決まっている女子学生は、「2年目からの目標の見つけ方はありますか?」と質問。石田先生は「憧れの先輩女性行員とたくさん話しをして、自分のキャリアを見つめてみると、目標が見えてくるかもしれませんね」と答えました。学生たちはこの講演会を通してジェンダーを考えることで、社会人として働く上で最も重要になる、人間関係の構築のヒントを得たことでしょう。