報告

2015年04月14日

文学部特別講演会「平安装束ワークショップ ~十二単と冠直衣~」

文学部特別講演会「平安装束ワークショップ ~十二単と冠直衣~」

平成27年3月18日(水) 長久手キャンパス ミニシアター

平安装束の雅な世界に触れるワークショップを開催しました。

 2015年は、愛知淑徳学園創立110周年、愛知淑徳大学開学40周年を迎える節目の年。本学で最も歴史のある文学部も、開設40周年となります。その歩みを祝うプレイベントとして、3月18日(水)に「平安装束ワークショップ~十二単と冠直衣~」を開催し、学生や教員はもちろん、地域の方々も会場に集まりました。

 特別講演会の講師としてお招きした斎宮歴史博物館(三重県)の学芸員・中川氏は、平安時代の絵巻物などをスクリーンに映し出しながら、十二単(じゅうにひとえ)と冠直衣(かんむりのうし)を着るときの決まり事や装束の変遷を解説。女性貴族は襟もとと袖口に見える単(ひとえの着物)の色の組み合わせでオシャレを競っていたことを紹介しました。「十二単に関するエピソードが平安後期の歴史物語『栄花物語』のわかばえの巻にあります。美しさを追求して20枚も着重ね、身動きがとれなくなってしまった女房の話です。おもしろおかしく描かれていますが、当時の貴族たちにとってオシャレがどれほど重要だったかを読み解くことができます」と中川氏。また、十二単をまとった後ろ姿の肖像画が有名な小野小町は、奈良時代の服装を着ていたと解説し、その後の十二単や着物にどのように受け継がれているかを伝えました。

 講演会に続いておこなわれたのが、着付けの鑑賞会。女性モデルは英文学科3年生六車さん、男性モデルは国文学科の竹内先生が務めました。着付け役の「衣紋者(えもんじゃ)」2名が一礼し、厳かな雰囲気の中、パフォーマンスがスタート。装束を身にまとう「お方さま」の視界に入らないようにするため立膝で作業するなど細かなルールを守りながらも、単はテンポよく重ねられ、あっという間に色鮮やかな平安装束が着付けられました。完成した十二単・冠直衣をカメラに収めようと、学生たちは何度もシャッターを切っていました。その後、希望者によるモデル2人との記念撮影がおこなわれ、賑やかな雰囲気でワークショップは幕を閉じました。
 雅な平安装束の世界に触れた学生たちは、日本の古典文学や伝統文化への関心が深まり、日々の学修・研究をさらに充実させていくことでしょう。