成長

2018年01月19日

同級生3名が飲食店の外観やロゴをデザイン。 それぞれの分野のプロフェッショナルとして 力を出し合いました。

vol.50

現代社会学部 現代社会学科 都市環境デザインコース 2007年度卒業
現代社会学部 現代社会学科 都市環境デザインコース 2007年度卒業
現代社会学部 現代社会学科 都市環境デザインコース 2007年度卒業

それぞれの分野で活躍する3名の卒業生。
卒業後、ひとつのプロジェクトをつくりあげたお話を、活躍する卒業生特別バージョンの対談形式でご紹介します。

卒業後、3人が歩み始めた別々の道。

植村さん■
 私たち3人は2007年度に都市環境デザインコースを卒業した同期です。在学中、3人とも遅くまで大学に残って、より良い作品をつくろうと粘っていたメンバーでもあります。一緒に過ごす時間が長くなった 分、他愛もない会話の途中で将来のことや卒業制作の作品づくりのことなどを話す機会も増えてきました。 その中で互いの制作に対する価値観を共有しあっていったのだと思います。卒業後、私は建築家の道へ。 お客様と深く向き合い、じっくりと設計をしていきたいという思いが募り、30歳の時に独立をしました。

安念さん■
 仲の良かった3人が別々の道を歩んだことも、今となっては面白いことだったなと感じています。私はもともと興味のあったデザインの道を選びました。デザイナーとして働くまでには紆余曲折あって、まずは印刷会社の事務職からスタート。仕事自体は楽しかったのですがやはり制作者になる道を諦めきれず、秋田県に移住した後にデザイン事務所に入り、グラフィックデザイナーとして歩みはじめました。現在は、チラシのデザインや人づてにリフォーム提案のお仕事なども紹介していただき、幅広く活動をしています。

森田さん■
 安念さんとは同じゼミで一緒に学んだ仲でもあります。もともと建築家になりたくて愛知淑徳大学の現代社会学部に入学しましたが、建築巡りや現地調査や、また趣味の一環として写真も撮るようになりました。ゼミの担当教諭が写真好きということもあり、一緒に展覧会に行くなどして知識とスキルを高め、卒業後は冠婚葬祭を主とする会社の写真事業部に入社しました。人物撮影を深めることができ、写真についての様々なことを学ぶことができましたが、独立した植村さんが設計した住宅を撮影させていただいたことがきっかけで、建築の写真もやはり撮影していきたいとあらためて思い、2017年に独立に至りました。

同級生3名が飲食店の外観やロゴをデザイン。 それぞれの分野のプロフェッショナルとして 力を出し合いました。

同級生3名が飲食店の外観やロゴをデザイン。 それぞれの分野のプロフェッショナルとして 力を出し合いました。

3人の力を集結させ、店舗をトータルデザイン。

植村さん■
 今回の「店舗デザイン」の仕事は、私が受注しました。港区にある商業施設内に新しくできるカレー屋さんで、店舗の設計を頼まれました。しかし、お話をいただいた時点では、お店の名前も、デザインコンセプトも決まっていないという状況。それならトータルにプロデュースすることはできないかとクライアントに相談したところ承諾を得たので、それぞれの分野のプロフェッショナルに頼もうと、安念さんと森田さんに声を掛けました。

安念さん■
 植村さんからお話を受けたのは、ちょうどオープンの約5カ月前。何も決まっていない状況でしたが、ターゲットは若いご家族やカップルということは決まっていました。スカイプや電話、SNSを使って意見交換をしながら、施主さんの店舗イメージを汲み取りながら完成に繋げていきました。世間話の延長で一緒のプロジェクトに打ち込むのは、まるで学生時代のよう。記憶が蘇ってきて、なんだか懐かしいようにも思いました。

植村さん■
 学生の頃から同じ課題について話し合ったり、一緒に考えたりしていたので、その分、お互いの作品のテイストや感性がわかっていました。だから安心して任せることができたし、どんな仕上がりになるのか、だいたいの方向性のようなものは見えていました。そのため完成までのスピード感が違います。テンポよく制作が進んだのは、同級生だからこそだと思います。

森田さん■
 2人が店舗のデザインコンセプトから関わる中、私は安念さんが制作するメニュー表に掲載するための商品撮影を担当しました。実はカレーは、写真を撮るのがとても難しい商材です。撮影場所も狭い店舗内で、撮影する商品数も多く、難易度の高い撮影でしたが、同級生2人に負けまいとがんばりました。

安念さん■
 森田さんから上がってきたのは、とても力のある写真でした。商品の魅力を最大限引き出している写真を活かそうと、余分なデザインは極力排除して、レイアウトを進めました。一緒になって一つのものをつくっているという感覚があり、幸せなプロジェクトでした。

同級生3名が飲食店の外観やロゴをデザイン。 それぞれの分野のプロフェッショナルとして 力を出し合いました。

同級生3名が飲食店の外観やロゴをデザイン。 それぞれの分野のプロフェッショナルとして 力を出し合いました。
■3人でトータルデザインをおこなった港区の店舗■

同級生だからできることを、これからも続けていきたい。

森田さん■
 完成後、3人の思いがいっぱいつまった店舗を訪れた時は、とても感慨深いものがありました。店舗の場合、正面のデザインがメインとなるので他の店舗との差別化はなかなか難しいのですが、波を打っているような立体的な木材の壁のデザインは、横に並ぶ店舗とは違った店構えとなっていて「さすが、植村くん!」と思いましたね。

植村さん■
 満足のいく店舗ができたのは、2人のおかげだと思います。2人とも、すぐに自分の制作意図を汲んでくれて、自分の想像以上のものを仕上げてきてくれる。卒業して10年が経ちますが、それぞれがそれぞれの道で、プロフェッショナルとして歩んできたのだなと、感じることができました。

安念さん■
 それぞれやっていることの分野が違うからこそ、これからも3人でまた新しいことをやりたいと思いましたね。今回は建築がプロジェクトの中心にありましたが、写真を中心としたプロジェクトに、建築の要素とデザインの要素を組み合わせて一つの作品をつくるなど、お互いの専門分野を活かしつつ、自由にコラボレーションできたらいいなと思います。

森田さん■
 それが、私たち同級生なら気兼ねなく、スピード感を持って実現できそうです。3人がさらなる成長を求めて独立をするなど、新たなステージたった今、互いに刺激しあい、励まし合いながら、それぞれの夢を追いかけられたらと思います。

植村さん■
 生涯の友に出会えた愛知淑徳大学の4年間にはとても感謝しています。

安念さん■
 ぜひ、力を合わせて、次のプロジェクトにも挑戦したいと思います。

同級生3名が飲食店の外観やロゴをデザイン。 それぞれの分野のプロフェッショナルとして 力を出し合いました。

同級生3名が飲食店の外観やロゴをデザイン。 それぞれの分野のプロフェッショナルとして 力を出し合いました。