成長

2019年02月22日

目の前のことに真摯に向き合い、成長し続けることで、臨床心理士として患者様を支えていきたい。

vol.54

コミュニケーション学部 コミュニケーション心理学科(現:心理学部 心理学科)OG [2012年度卒]

愛知淑徳大学の総合的に心理学について学べる環境で、
知識を深めていきました。

 中学生の頃、子育てサークルに参加していた母の影響で、臨床心理士という仕事を知りました。話を聞いたり喋ったりすることが好きだった私にぴったりの職業だと思い、以来、臨床心理士をめざすようになりました。愛知淑徳大学を選んだのは大学院もあり、進学を考えたときに安心感があったから。実際には名古屋大学大学院への進学となりましたが、心理学に対して深く学んでいこうと決意して、臨床心理士になるための一歩を踏み出しました。

 入学後にはうれしい驚きがありました。「心理学」と聞くと、抽象的で掴みどころのないようなイメージがあると思います。私もそうでした。しかし、愛知淑徳大学の心理学部の多様な授業を受ける中で、その印象は心理学のほんの一面だけを捉えたものだったのだと気づいたのです。たとえば、心理学では脳波を測定して気持ちの変化を掴んだり、心理実験の結果を数値化して分析したり、より客観的に人の心を捉えようとアプローチします。そのためには、統計学の知識も実験を実施するための知識も必要ですが、そのすべてを総合的に愛知淑徳大学の心理学部では学ぶことができます。学ぶ心理学の分野も、「生理・認知心理学」、「社会心理学」、「発達心理学」、「臨床心理学」と幅広く用意されています。心理学について際限なく学びを深めていける環境で、のびのびと自分の興味を追究することができました。

目の前のことに真摯に向き合い、成長し続けることで、臨床心理士として患者様を支えていきたい。

認知心理学を学ぶか、臨床心理学を学ぶか。
多様な学びにふれる中で、その両方を学ぶ道を選択。

 もっとも興味をもった分野は「認知心理学」です。大学2年生の頃、右脳と左脳の働きの違いや人間はいかに情報を処理するのかを学ぶ吉崎一人先生の授業を履修しておもしろいなと感じました。一方で同時期に発達障害児と関わるボランティアにも参加し始め、臨床心理士へのあこがれを一層強めていきました。

 研究対象として興味のある「生理・認知心理学領域」に進むか、発達障害児への援助について専門的に学ぶ「臨床心理学領域」に進むか、ゼミ選択の際は大いに悩みました。なかなか決意することができなかったのですが、あるとき「認知心理学の知識を臨床現場でいかすこともできるのではないか」と思い至ったのです。この考えに行き着いたのは、たくさんの先生方にアドバイスをいただいたことはもちろん、低年次に幅広い心理学にふれる中で、学問の可能性の広さを体感してきたから。最終的に吉崎一人先生の認知心理学を専門とするゼミナールに所属し、「健常者における発達障害の傾向と認知処理の関係性」を卒業研究として進めていきました。

目の前のことに真摯に向き合い、成長し続けることで、臨床心理士として患者様を支えていきたい。

手厚い指導に応えたいという思いが、原動力。
学ぶおもしろさに気づかせてくれた先生方に感謝。

 名古屋大学大学院を卒業後、浜松の病院で3年間の研修を受け、現在は「楓の丘こどもと女性のクリニック」で臨床心理士として働いています。院長先生はトラウマ治療に力を入れている先生で、私も日々勉強しながら患者様の支援にあたっています。具体的には知能検査や心理面接、最近では集団療法にも力を入れています。治療の一環としてクリニックにいるモコちゃん(ミニチュアホース)と関わることができるアニマルセラピーの実施も、特徴的な取り組みの一つです。

目の前のことに真摯に向き合い、成長し続けることで、臨床心理士として患者様を支えていきたい。

目の前のことに真摯に向き合い、成長し続けることで、臨床心理士として患者様を支えていきたい。

 臨床心理士として働く際に大切にしているのが、自ら積極的に学ぼうという姿勢です。より専門的な知識が求められる職場環境であることももちろんですが、自分が成長し続けなければ、より良い支援はできません。この「学び続ける姿勢の大切さ」を最初に気づかせてくれたのは、大学時代に出会った先生方や先輩方だと思います。皆さんが学びの機会を常に提供してくださり、わかるまで根気強く指導してくださいました。その繰り返しの中で、自己研鑽のおもしろさを知り、自然と学び続ける姿勢を身につけることができたのだと思います。大学生活を通じて手にした向学心をこれからも発揮し、患者様のおだやかな暮らしの実現を支えていきます。