成長

2016年09月06日

学生時代に気づいた「人との関係を築いていくことのおもしろさ」を胸に。

vol.41

現代社会学部 現代社会学科 都市環境デザインコースOB[2008年卒]

まずは出会い、顔を見て話をしたい。
それが自分の信条。

 小学生の頃から好きな教科といえば、図工! 絵を描くことやものをつくることが大好きで、学生時代もとことん制作にのめり込みました。学内の設計課題やプロジェクトはもちろん、学外のプロジェクトにも積極的に参加していて、大学院1年生の時に愛知県内の学生たちと一緒にリスボンの建築トリエンナーレに出展したことは、とても印象に残っています。卒業後は瀬戸の食器メーカーで自社商品をディスプレイしたり、ホームページをデザインしたり、表現方法にとらわれずにものづくりに関わってきました。プライベートでは、学生の頃からよく旅をしていて、日本各地に知り合いがいるような恵まれた環境にありました。その中のひとりで、仲良くしていたゲストハウスのオーナーから「スタッフとして働かないか」と声を掛けていただいたのですが、その話が頓挫。これも何かのきっかけだと思い直し、約3年半のサラリーマン生活に別れを告げました。そこからフリーのデザイナーとして活動を続け、2014年に色々な土地に足を運ぶきっかけになった鹿児島への移住を決意。東京から鹿児島までの、車で3週間の旅に「オギーソニック」という名前を付けて、これまで各地で出会った友人が暮らす場所を実際に訪れて、自分の目で見てみることにしました。「まずは、その人が暮らす場所でその人に会ってみる、そうすることで改めて見えてくることがある」。そんなスタイルが確立したきっかけが、このキャラバンだったように思います。今は、住民票も鹿児島に移して、この地を拠点に活動を続けています。今回は、知り合いが運営している「THE VIEW」というお店のコラボレーション企画の一環として、ショップの一部に私がセレクトした鹿児島の品を置かせてもらっています。どれも自分が出会ってきた職人さんたちが心を込めてつくりあげたものばかり。訪れたお客様が、自分が普段暮らしている土地以外の場所に興味を持つきっかけにしてもらえたらと思います。

まずは出会い、顔を見て話をしたい。それが自分の信条。

まずは出会い、顔を見て話をしたい。それが自分の信条。

人と人、人と物、人と地域。
つながりをつくりだす人になりたい。

 学生の頃からわりとフットワークは軽く、国内外問わず旅をしていました。刺激的でおもしろかったし、充実した日々だったと思います。しかし、振り返ってみると、学生時代は「手当たり次第に人に会っていた」印象があります。転機となったのは2009年、当時スマートフォンが登場し始め、SNSでのコミュニケーションが盛り上がってきたときでした。日本全国の建築学科の学生が情報交換として積極的に活用していた時期で、私もその一人。そこで鹿児島の建築学科の学生と繋がり、2010年の夏に始めて鹿児島を訪れました。SNS上で知り合った友人とそこではじめて顔をあわせたわけですが、その友人に地元で活躍するたくさんのクリエーターの方々を紹介してもらって。しかもそれが「友だちの友だちが、友だちになっていく」といった具合に、芋づる式に知り合いが増えていく。行く先々で出会う人、誰もがまったく知らない人ではなくて、自分の信頼している人の友だちだから、自然と会話も弾むし、「きっとこの人とも感性が似ているだろう」という安心感が生まれる。今までにはない、とても新鮮な感覚でした。この経験から「つながることのおもしろさ」や大切さに気づき、人とつながるための「嗅覚」のようなものが鍛えられたのだと思います。愛知淑徳大学で過ごした学生時代に得たこの力は、今の自分に欠かせない要素になっています。
 今回は縁あって名古屋で鹿児島の商品を販売する機会が得られましたが、今後もいろんな土地で、地域と地域をつなげる活動ができたらいいなと思っています。今までは、自分がさまざまな人や物、地域とつながってきた、いわば「インプットの時代」。これからは私が今まで日本各地で築いてきた「つながり」をおすそ分けできたら。学生時代に知った、「人と人とがつながることで生まれる熱量」を信じ、これからも魅力的な「人や物」を発信していきたいと思います。

人と人、人と物、人と地域。つながりをつくりだす人になりたい。

人と人、人と物、人と地域。つながりをつくりだす人になりたい。