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2019年02月06日

人間情報学部 菅野ゼミ 情報検索講座

人間情報学部 菅野ゼミ 情報検索講座

2018年11月18日(土) 日進市立図書館

高齢者にタブレット端末の使い方を伝える講座を開催し、
「高齢者とインターネット情報資源」の実態について迫りました。

 本学の人間情報学部は、「情報」、「人間」、「コンピュータ」の3つをテーマに学び、人に優しい情報社会の実現に貢献できる人材を育成しています。「図書館情報学」「心理情報」「情報デザイン・システム」の3つの専修の中から選び学ぶことで、より専門的な知識を得られることも大きな特徴のひとつです。3つの専修のひとつである「図書館情報学専修」では図書館サービスや読書はもちろん、「情報の検索」や「情報利用」などについても実践的に分析・理解し、情報資源を効率的に活用する知識やスキルを身につけていきます。この図書館情報学専修のゼミナールである「菅野ゼミ」は2014年から高齢者を対象にした「情報検索講座 高齢者に優しいタブレット端末の使い方」を実施しています。実施の背景としては、インターネットなどの情報通信技術の普及に伴い、デジタル情報を持つ人と持たない人との間で生活の質などに格差が生じる「デジタル・ディバイド(情報格差)」が問題になっていること。タブレットの使用方法を高齢者に指導する機会を設けることで、高齢者を取り巻くインターネット環境の実態を明らかにすることが目的です。このプロジェクトは菅野ゼミの先輩から後輩へと受け継がれ、今年で5年目を迎えました。

人間情報学部 菅野ゼミ 情報検索講座

人間情報学部 菅野ゼミ 情報検索講座

 今年度は、11月18日(日)に日進市立図書館にて実施。卒業研究として取り組む鈴木 大毅さんを中心に、4名の学生が高齢者にマンツーマンでタブレットを使用したインターネット検索方法について指導しました。学生たちはタブレットの電源の入れ方や操作方法など、基礎から一つひとつていねいに解説。高齢者の方々にふだんの使い方や使用頻度の多い操作をヒアリングしながら、写真撮影の仕方や地図検索の方法などを紹介していきました。参加した高齢者の方々は、タブレットの多様な機能に驚きながらも「写真を保存する場合はどうすればいいのですか?」「屋外でインターネットをする場合はどうすればいいのですか?」と質問を重ね、興味しんしんといった様子で学生たちからタブレットの使い方について教わりました。講座終了時には「参加してよかったわ」と笑顔で学生たちに挨拶し、帰路についた参加者の皆さん。見送る学生たちも充実した表情で、講座の成功を実感している様子でした。

人間情報学部 菅野ゼミ 情報検索講座

人間情報学部 菅野ゼミ 情報検索講座

 高齢者の好奇心に触れることにもなった今回の「情報検索講座」。今後も菅野ゼミの学生たちによって受け継がれ、情報格差の実態をひもとき、改善していくための研究材料として、成長していくことでしょう。

代表学生のコメント

人間情報学部 菅野ゼミ 情報検索講座

人間情報学部 人間情報学科 鈴木 大毅さん

 担当教諭の菅野先生の指導を受け、何度も作り直したこだわりのテキストができたのは、開催の1週間前。不安でいっぱいでしたが、想像以上にたくさんの方に参加していただきました。この参加率の高さは、高齢者の皆さまのタブレット端末に対する関心の高さに比例していると思います。高齢者の方々の好奇心に触れられただけでも、この講座の大きな収穫となりました。しかし、一方で受講者の皆さんが持っている興味の内容は人それぞれ。パソコン操作に慣れている方は、インターネット検索方法よりもタブレットの操作方法に苦戦されていましたし、「お得なタブレット契約の方法」に関心を持たれている方もいらっしゃいました。タブレット端末を使って写真を撮りたい方や外で使用したい方など、参加者一人ひとりの声に耳を傾けながら操作方法を伝えることは難しいことでしたが、「専門用語は簡単な言葉に言い換える」「ゆっくり大きな声で話す」など、細やかなことを気にかけながら講座を進めることができました。今回の講座で講師を務め、「伝える力」を鍛えることができたように思います。今回の経験を基に、高齢者に対するタブレット講座の重要性を卒業論文にまとめていきたいと考えています。