交流

2016年04月07日

平成27年度インターンシップ公開報告会・交流会

平成27年度インターンシップ公開報告会・交流会

平成28年2月16日(火) 星が丘キャンパス

協力企業・団体の方々と学生、教職員が交流を深め、
インターンシップの成果をより意義あるものへと高めました。

 「十年先、二十年先に役立つ人材の育成」を目標に、次代を見据えた教育に励む愛知淑徳大学。学生たちがめざす道へ進めるよう教職員が連携し、学部教育やスキル教育とともにキャリア教育も重視しています。その拠点となるのが、キャリアセンター。「キャリア教育」と「キャリア支援」の2本柱で学生の就業力や自立心を養い、大手企業・優良企業への就職をはじめ、一人ひとりの確かな進路選択や自己実現を支えています。
 キャリアセンターで展開される数多くの取り組みの中でも、年々規模が拡大しているのが、インターンシップです。企業や公共機関、NPOなどの現場で、従業員の一員として就業体験をおこない、仕事の多様性や働く意義を学ぶ機会となっています。2013年度からは年間500人以上もの学生が参加し、200以上の受入機関で研修してきました。また、グアムと台湾での海外インターンシップも実施し、グローバル社会で必要な力を磨いています。
 こうした就業体験の成果を学生、教職員、受入機関の方々が共有し、インターンシップをさらに充実させるために「インターンシップ公開報告会・交流会」を毎年開催しています。今年度も企業・団体のインターンシップ担当者や人事・採用担当者を多数お招きして、2月16日(火)におこないました。司会進行や会場案内を務めたのは、キャリアセンターの学生スタッフたち。希望の進路を実現した4年生です。これから就職活動に取り組む後輩たちが、将来に対する視野を広げることができるように、報告会・交流会の運営に全力を注いでいました。

第1部:インターンシップ担当教員の報告

キャリアセンター 青木 崇先生
「本学のインターンシップの取り組み」

 キャリア教育に熱心に取り組んでいる青木先生が、企業・団体の皆さまに向けて本学のインターンシップ研修の現状について報告しました。「自分自身を知る」「何を学ぶべきか自覚」「業界・企業・職種について知る」「社会人としての人間性を養う」といったインターンシップの目的を説明しながら、愛知県内でも群を抜いている参加学生数の多さ、徹底した事前・事後教育、2014年度から新たにスタートした海外インターンシップなどについて紹介しました。「インターンシップは実社会を肌で感じ、今後の生き方・働き方に有益な示唆を与える場となります。その就業体験で得た気づきや学び、経験を、自分の言葉で伝えることが重要だと考え、本学では学生主体の報告会を大切にしています」と青木先生は語り、次代を担う若者の可能性を伸ばすインターンシップの意義を強く伝えました。

キャリアセンター 井戸 智子先生
「インターンシップ研修に関わるアンケート調査」

 「就業体験を教育効果にどう結びつけるか」という観点に立ち、井戸先生は学生約200人に対してアンケート調査を実施しました。インターンシップ参加後、多くの学生に「職業意識がわいてきた」「自分を見つめ直す良い機会になった」「学生生活でやるべきことが見えた」「大学の勉強の重要性が理解できた」などの点に効果がありました。さらに、進路選択に関する自己効力感(やればできると自分を信じる力)に関する調査では、就業体験を経て学生が自身の将来を具体的に描き、行動を起こす意志を高めていることがわかりました。井戸先生は「インターンシップに参加した学生の多くが、目的意識を明確にし、就職活動に対する自信を芽生えさせていました。そうした就業体験の効果に着目し、キャリア教育のさらなる充実を図りたいと思います」と、学生の自己実現を支えていく決意を力強く語りました。

第2部:インターンシップ研修生の成果報告

 2015年度の夏休み期間にインターンシップに参加した学生は約380人。今回の報告会では、代表として3年生5人が登壇しました。研修で得た学びや気づき、今後の抱負をプレゼンテーションし、貴重な機会を与えてくださった協力企業・団体の皆さまへ感謝の思いを伝えました。

文学部 国文学科 3年 長田 空さん
研修先:丸善株式会社 名古屋支店

 創業100年以上の老舗書店の営業部で研修し、営業同行や教科書搬入・検品などを体験しました。印象に強く残っているのが、お客様に対する社員の方々の真摯な姿。担当顧客の専門に合わせて独自の書籍リストを作成し、話題の本も薦めるなど、相手のニーズを的確に掴んだ提案や細やかな心遣いに感銘を受けました。あらゆる仕事において対話力や継続的な努力が欠かせないことを実感して、「社会で働くこと」への意識が高まりました。今回の経験を糧に、就職活動やその先の社会人生活では自分から発信する姿勢を大切にし、新しい知識を吸収し続けて、常に向上していきたいと思います。

ビジネス学部 ビジネス学科 3年 浅田 和摩さん
研修先:瀬戸信用金庫

 「ビジネスは信頼から始まる」とゼミの先生から教わっていたため、実社会で信頼関係の構築について学びたいと思い、瀬戸信用金庫でのインターンシップに参加しました。お客様目線を大切にした業務の数々を目の当たりにし、「相手のことを第一に考えて行動を起こす積極性」「仲間と共に目標に向かうチーム力」が確かな成果を生むのだと感じました。そうした働き方が自分もできるように、大学卒業までにより多くの知識や社会を見通す広い視野を身につけ、就職活動にも全力を注ぎます。そして、仕事や人生における志向を明確にし、信頼される社会人をめざします。

メディアプロデュース学部 メディアプロデュース学科 3年 坂井田 透さん
研修先:株式会社JTB西日本

 中国、カンボジア、アメリカなどの各国でボランティア活動や観光、異文化交流を楽しんできた私は、旅行業界に興味を持ち、JTB西日本で研修を受けました。各部署のオフィスを訪問して仕事内容や職場の雰囲気を知り、他大学の仲間とグループワークにも挑戦。「長期売り上げのための施策」を考案し、グループ内でディスカッションを重ねました。多様な価値観にふれて考えの幅が広がり、「"感動"を生み出せる人になりたい」と将来の目標が定まってきました。今後、5年先、10年先を見据えて就職活動に励み、自分の個性や力を社会で発揮していきたいと思います。

交流文化学部 交流文化学科 3年 丹羽 初奈さん
研修先:パシフィックスターリゾート&スパ/近畿日本ツーリスト・グアム支店

 私はどんな仕事に向いているのだろう? その答えを見つけるために、グアムでの海外インターンシップに参加しました。リゾートホテルと旅行代理店で研修し、英語を駆使しながら受付やレストランでの接客、ハウスキーピング、空室確認、マリンスポーツの案内など多岐にわたる業務を体験。お客様の心に残る旅をお手伝いする「縁の下の力持ち」として働くことにやりがいを感じました。さらに、何事にも主体的に取り組み、チャレンジを楽しむ姿勢が仕事の質を高めると知りました。就職活動にも前向きに挑み、自分に合った進路を切り拓いて、社会人として成長していきます。

交流文化学部 交流文化学科 3年 長谷川 明里さん
研修先:JTB台湾

 JTB台湾でインターンシップをおこない、実感したのは「各国のおもてなし」の違いです。多くの日本人が訪れる台湾では、日本のようなきめ細かな接客を求める観光者が多く、現地のさまざまな場所で日本人スタッフが求められていることを感じました。世界に視野を向けて卒業後の進路を考えながら、自分のキャリアビジョンを明確にしたい。そう思うようになり、日々の勉強にもより力を入れた結果、中国語検定HSKの筆記試験・口頭試験ともに最高級に合格。今後も人との出会いやめぐってくるチャンスに感謝し、自分自身を高めていきたいと熱意を燃やしています。

第3部:インターンシップ・人事担当者様と学生・教職員との交流会

 61の企業・団体からインターンシップ担当者や人事担当者の方々がご参加くださり、1~3年生の学生や教職員と交流しました。キャリアセンターの学生スタッフがファシリテーターを務め、活発な意見交換の場となるように司会進行。参加した学生たちは緊張しながらも、事業概要や仕事のやりがい、求める人材像などについて積極的に質問していました。面接試験に関する学生の相談に企業の方は「面接は"会話"です。志望理由などを丸暗記して話そうとするのではなく、面接官との会話を楽しむつもりで、あなたの素直な思いを伝えるようにすれば大丈夫ですよ」と笑顔でアドバイス。その言葉に学生は前向きなパワーをもらい、就職活動への意欲を高めていました。
 さまざまな業界の方と出会い、「社会で働き、自己実現を果たすこと」に対する考えを深める、貴重な機会となった今回の交流会。学生たちは新たな気づきや学びを得て、未来へ挑む力を伸ばしていました。

運営に携わったキャリアセンター学生スタッフ

 長久手・星が丘両キャンパスのキャリアセンターでは、16人の学生スタッフが後輩の就職活動を支援しています。自分たちの経験をもとに、自己分析の方法や履歴書の書き方、採用試験対策などの的確なアドバイスに努め、就職活動を応援するためのイベント企画もおこないます。その一環として、インターンシップ公開報告会・交流会の運営にも力を注ぎました。さまざまな企業・団体の方々との出会いが、後輩一人ひとりのよりよい進路実現に役立てばと願っています。また、こうした支援活動は、私たち学生スタッフにとって思考力や企画力、実践力などを磨く「学びの場」となっています。仲間と協力して後輩のサポートに取り組んだ経験は、社会に出てから大きな力になると信じています。