交流

2014年02月27日

学生ボランティアと支援者が集う全国研究交流集会 Make a difference! 学生ボランティアフォーラム ~シェアしてつながろう!ボランティア~

学生ボランティアと支援者が集う全国研究交流集会 Make a difference! 学生ボランティアフォーラム ~シェアしてつながろう!ボランティア~

全国的なボランティア研究交流集会に、本学の学生や教職員も参加。
さまざまなイベントを通し、交流の輪を大きく広げました。

 理念「違いを共に生きる」のもと、一人ひとりの自分らしさや自主性を信じ、伸ばす、愛知淑徳大学。学生たちの主体的な学修・活動を、大学を挙げて後押ししています。そうした教育の一環として、コミュニティ・コラボレーションセンター(CCC)では地域、社会、世界でのボランティア活動などをサポートし、実践的な学びを推進。学生たちは新しい一歩を踏み出して知識や視野、人との出会いを広げ、たくましく成長していきます。

 2月25日(火)~27日(木)に東京でおこなわれた「学生ボランティアと支援者が集う全国研究交流集会」も、新たなチャレンジのひとつ。第2回目を迎えた今年度は「Make a difference ! 学生ボランティアフォーラム~シェアしてつながろう!ボランティア~」というテーマで開催されました。日本各地から約500人の参加者が集結し、本学からは約40人もの学生が参加。文学部教育学科准教授・小島祥美先生が運営委員、教育学科4年・古賀さんと交流文化学科3年・瀧さんが学生委員を務め、フォーラムの企画・運営にも力を発揮していました。
この研究交流集会の目的は、ボランティア活動に励む学生や教職員の交流と学びを深めること。3日間、参加者は多彩なプログラムを通して知識や情報、思いを共有し、各大学やボランティア関連機関、地域との連携、そして人とのつながりを強く結びました。ここではその様子をダイジェストで紹介します。

分科会 「Make a Tomorrow~災害×大学生×世界=未来~」

 本学学生の古賀さん、瀧さんがコーディネーターとなり、9月頃からミーティングを重ね、6つの分科会のうちのひとつを企画・運営しました。彼らがキーワードとしたのは「災害」「大学生」「世界」。災害や防災に対する考えの違いを互いに学び合いながら、災害時に大学生に求められる支援や役割、ボランティアにおける大学生の可能性について考える場を創りました。
当日参加したのは、全国から集まった学生約40人。アイスブレーキングとなるゲームを交えながら防災宣言ポスターを制作するなど、グループワークに取り組みました。また、東日本大震災やフィリピン台風の被災地でボランティア活動したNPO法人の方や学生の発表を聞いて考えを深め合い、真剣にディスカッション。「世界で起きていることは、自分にも関係している。まずは"自分事"だと関心を持つことが大事」「ボランティアの形はさまざまだけれど、どれも人の幸せにつながっている」など一人ひとりが熱い思いを語り合いました。
古賀さん、瀧さんは司会・進行役だけでなく、活発な議論を促すためにファシリテーターとしても活躍。「ボランティアに国境はない!世界はひとつ!」というメッセージを伝え、フィリピン学生からのメッセージを上映し、フィリピンへのメッセージカードづくりで会を締めくくりました。この分科会を通し、コーディネーターを務めた2人は自ら行動を起こす力を磨き、人と恊働する尊さを学んだことでしょう。

■支援者分科会

 「コミュニティに学ぶ大学教育の可能性」「国際・国内ワークキャンプ(合宿型ボランティア)設計セミナー」と題した支援者分科会にCCCスタッフが参加しました。よりよい学生支援を学ぶために、他大学の地域連携やボランティア活動支援などの報告を受けながら、情報や意見を積極的に交換。会場は、学生一人ひとりの成長を支えたいという熱意に満ちていました。

全国学生ボランティア アクションマーケット(交流見本市)

 全国各地の大学ボランティアセンター、ボランティア団体、国際協力や地域活動に関わるNPOなどが一堂に会し、活動内容などを伝え合うアクションマーケットを開催しました。CCCのブースでは、学生やスタッフが活動の写真などで壁面を賑やかにデコレーションし、訪れた他大学の学生や教職員を歓迎。ボランティアの基礎から実践までを科目としておこない、学生たちの挑戦を応援する、愛知淑徳大学のアクティブラーニングの特色を説明しました。学生も自らの経験を交え「学生×CCCスタッフ×大学の三位一体だからこそ、地域と深く関わるボランティア活動ができるのです!」と本学ならではの体制について熱心に語っていました。

クロージングシンポジウム/クロージングメッセージ

 研究交流集会の統括として、最終日にはクロージングシンポジウム「地球人になることの意味~ボランティアが育むグローバル人材~」が開催されました。シンポジストとして登壇した4人のうち、2人が本学の関係者。CCCセンター長、交流文化学部教授であるブイ・チ・トルン先生と、文学部英文学科の卒業生であり、現在は韓国の全羅南道教育庁・順天高等学校で日本語教師として活躍する藤本さんでした。
ベトナム出身のブイ先生は、ベトナム戦争の戦火から逃れ、19歳のときに日本へ留学。平和を求める思いを強く持ちながら学問の道へ進み、次代を担う学生たちに国際交流・協力の大切さを伝えています。「海外で活躍している教え子も多くいます。大学で学び、地域で活動したことは、世界でも役立ちます。視野を広げて社会の課題に気づき、解決策を自分なりに考え、できることから行動する。ボランティア活動を通して、あらゆる現場で活きる問題解決力が養われると思います」と自ら動くことがグローバル人材の基礎力になることを語りました。
一方、藤本さんは、在学中の国内外でのボランティア活動、卒業後にCCCスタッフとして励んだ学生支援、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)のボランティア活動を語り、韓国で働く現在にどう活かされているかを説明。「大学のサポートをフル活用し、地域や社会、世界で学ぶことができた学生生活でした。培った異文化理解力や行動力を日本語教師の仕事で発揮しながら、"日本を好きになってもらう!"という目標をめざしています」と笑顔で話しました。
「自分の意思で自分のストーリーを開く鍵となるのがボランティア。広い世界のさまざまな人と共に、自分らしく生きるための一歩となる」とまとめられた、クロージングシンポジウム。続くクロージングメッセージでは、「私にできることは?」をテーマに学生が制作したショートムービーが上映されました。映像のモチーフとなった花に込められたのは、研究交流集会での学びや出会いを活かし、それぞれの活動場所で花を咲かせてほしいという願い。学生委員として挨拶をした本学学生の瀧さんは、「3日間で多くの人と交流し、新たな活動につながる勇気をもらいました。それは、日本も世界も元気にする力になると思います」とまっすぐ前を見つめて語りました。その力強い言葉の通り、研究交流集会で共有したたくさんの思い、つながった絆が、希望に満ちた未来を拓いていくことでしょう。