交流

2014年07月18日

ESDユネスコ世界会議半年前イベント あいち・なごやESDフェスタ

ESDユネスコ世界会議半年前イベント あいち・なごやESDフェスタ

世界会議のプレイベントに、学生たちがブースを出展。
「持続可能な社会」に向け、さまざまな人と思いをわかち合いました。

 ESD――Education for Sustainable Developmentは、持続可能な社会づくりをめざして"今、何をすべきか"をすべての人が共に考え、行動や変化を起こすための学習・活動のことです。ESDのテーマは環境、エネルギー、防災、人権、世界遺産、国際理解など多岐にわたり、それぞれが相互に関わり合うため、総合的な取り組みが必要になります。
 このESDについて国を越えて話し合う「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」が、今年11月に愛知・名古屋で開催されます。ユネスコ加盟国代表が一堂に会して、2005年からの10年間に実施したESDに関する取り組みを振り返り、新たな方策について意見を交わします。
 6月には開催半年前を記念するイベント「あいち・なごやESDフェスタ」がおこなわれ、本学の学生団体2グループがブースを出展。学生たちは大学での学びや自主活動の経験を活かしてESDの普及・啓発に努めるだけではなく、ESDの取り組みに励む企業、官公庁、NPO、地域などのさまざまな人と出会い、新たな活動を生み出す"人と人の輪"を大きく広げました。

ESD活動団体出展ブース

"身近なところ"から、"できること"から、今、始めよう。

 6月7日(土)、8日(日)、名古屋・栄の繁華街に近いオアシス21にて「あいち・なごやESDフェスタ」が開催されました。両日とも、ESD活動に取り組む20団体がパネル展示やワークショップなどのブースを出展し、ステージでは活動発表や音楽ライブ、トークショーなどがおこなわれ、来場した人々は楽しみながらESDへの理解を深めていました。
 真夏日のような陽気となった8日(日)、その会場でひときわ元気な笑顔を見せていたのが、本学の学生団体「VegeGaGa(べジガガ)」と「つながりmaking」の学生たち。家族連れを中心とするさまざまな人とコミュニケーションを楽しみながら、ワークショップを通して「身近なところから、できることから、行動することの大切さ」を伝えました。

《VegeGaGa》身のまわりにあふれる"食品ロス" 私たちができること

 ビジネス学部 三浦信宏ゼミのボランティアグループ「VegeGaGa」は、規格外野菜に着目し、食品ロスの削減に向けた活動に取り組んでいます。規格外野菜とは、商品として販売するのに適した形や大きさ、色などの基準から外れた野菜のこと。味や栄養価には何の問題がないにも関わらず、やむを得ず捨てられてしまっています。こうした現状を少しでも変えていきたいという思いのもと、「VegeGaGa」は学びの一環として規格外野菜を使ったスイーツの開発・販売、子ども向け食育セミナーの実施などに励んでいます。今回、ブースでおこなったのは、「野菜クイズ」。学生たちは手描きのパネルを見せてクイズを出題し、野菜の魅力や規格外野菜の問題などを熱心に説明しました。その横顔に満ちていたのは「一人でも多くの人に伝えていくことが、食品ロスをなくすための大きな力になる」という信念。このイベントを通して、いのちの源となる「食」の大切さを発信しながら、「持続可能な社会づくり」への考えをより深めました。

《つながりmaking》誰でもできる、簡単非常食づくり

 「東日本大震災のときに大きな力となった、"人と人のつながり"。その力をより強める"場"、新たなつながりを生み出す"場"をつくり、多くの人たちの防災意識を高めたい」。熱い志から結成された「つながりmaking」は、交流文化学部の3年生を中心とした学生団体です。名古屋市北区の防災訓練などに参加し、防災に関する勉強を重ねています。そこで修得した知識を活かし、人々の防災意識の向上に貢献したいと考え、今回、ブース出展を決意しました。「持続可能」をキーワードに、身近にあるもので何かできないかとメンバー全員で意見を出し合い、企画したのが、非常食づくり。紙コップやお鍋を使って蒸し上げるカップケーキなど、家にある調理器具や材料で手軽にできる方法をレクチャーしました。参加した子どもたちは楽しみながらつくり、出来上がりを試食して「おいしい!」とニッコリ。学生たちは、今後もこうしたイベントを通し、非常時に生き抜くための知恵を共有していきたいと、活動への意欲を高めました。

ステージ発表

自分たちの思いを伝え、新たな"気づき""つながり"を広げる。

 「持続可能な社会のために私たちが今日からできることは、たくさんあります。自分が食べられる分量だけ購入するなど、一人ひとりの行動や努力の積み重ねが、大きな力になると思います」とステージ上で来場者に語りかけた、「VegeGaGa」の学生たち。ブース出展のほかにステージ発表にもチャレンジし、"すべての人に、+αのハッピーを!"を理念とした活動、規格外野菜の問題、日本の食糧事情などについて説明しました。これまでに規格外野菜を使ったスイーツを20品目以上開発・販売したことも紹介し、食品ロスをなくすよう努め、毎日の食事、食材に感謝することの大切さを伝えました。

 また、名古屋の市民、企業、学校、行政が協働して運営している「なごや環境大学」の協力団体として、「つながりmaking」の学生たちもステージへ。「今日、このイベントでできた"つながり" も発展させて、愛知県で暮らす人々のつながりを強くする活動に取り組み、防災の重要性を広めていきたい」と語りました。
 ESD、持続可能な社会に向けた取り組みは、長く継続して初めてパワーが発揮されるため、"楽しく""ムリなく"続けていくことが大切です。そのヒントとなる情報・知識を参加団体と来場者が笑顔で共有し、未来への明るい決意や希望に満ちた「あいち・なごやESDフェスタ」。学生たちはさまざまな人との出会い、交流を通して視野を広げ、ESDへの考えを深めて、さらに企画力や実行力、発信力、協調性などの多様な力も磨きました。ここで得た気づき、経験、人とのつながりを糧に、今後、大学での学修や活動にいっそう励み、地域、社会、世界、そして未来に貢献する人へと成長していくことでしょう。