交流

2014年10月27日

ESDあいち・なごや子ども会議 現地学習「生物多様性(山、上、中流域)コース」

ESDあいち・なごや子ども会議 現地学習「生物多様性(山、上、中流域)コース」」

平成26年8月22日(金) 矢作川研究所、矢作川頭首工、矢並湿地、トヨタの森

ESDあいち・なごや子ども会議の現地学習に、
愛知淑徳大学の学生がボランティアとして参加しました。

 ESDユネスコ世界会議あいち・なごや支援実行委員会では、11月に名古屋市で開催される「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」に併せて、県内の子どもたちが中心となって持続可能な社会づくりについて話し合う「ESDあいち・なごや子ども会議」を7月から11月にかけて開催しています。この取り組みでは、小学5年生から中学3年生までの県内65校121名の子どもたちが、エネルギー、生物多様性、防災、文化などをテーマに、体験学習やディスカッションを通して考えを深めていきます。この活動のサポートをおこなうのが学生スタッフです。愛知淑徳大学からも、地域でのボランティア活動などを支援するコミュニティ・コラボレーションセンター(CCC)の紹介で学生たちがこの活動に参加しました。

川と生き物と人間の関わりを学ぶ現地学習。

 8月22日(金)には、「生物多様性(山・上中流域)」をテーマにした現地学習が豊田市の矢作川沿いでおこなわれ、2名の学生が引率役を務めました。数日前の降雨の影響で川に入っておこなう活動が中止になり、プログラムのスタートは「矢作川研究所」での講習に変更。集合時間の9時30分を前に、子どもたちは学生たちとともに元気に会場にやってきました。矢作川研究所の職員が矢作川に住む生き物や環境の変化についてスライドや資料を用いて説明し、「川に住む生き物はそれぞれが捕食の対象になったり、繁殖の条件となったり、関わりあいながら暮らしています。今日はぜひ、私たち人間と川とのつながりを考えながら活動してください」と、子どもたちに現地学習のねらいとなる言葉を投げかけました。
 矢作川について学習した後、川や山での活動がスタート! まずは、明治用水頭首工と呼ばれる矢作川にあるダムの見学に行きました。そこでは、地元出身の男性が鮎を片手に登場。子どもたちは目を丸くしながら鮎の口の中を覗き、つるつるの体に触れながら、その生体を学びました。学生スタッフの2人は「こんな間近で魚を見たことがある?」「ダムができたから、景観が変わっちゃったんだね」と子どもたちにやさしく声を掛け、一人ひとりの気づきを促しました。

子どもたちの豊かな好奇心に刺激される、向学心。

 人工物であるダムが自然に与える影響を学んだ子どもたちは、ラムサール条約の対象になっている「矢並湿地」へ移動。2班に分かれて探索し、沼地にしか生息しない生き物や植物を観察しました。「湿地の水がなくなったらどうなるの?」「この湿地には何種類ぐらいの植物が生えているの?」と子どもたちは興味津々。場の雰囲気にも慣れ、主体的に質問ができるようになってきた子どもたちを、学生スタッフはあたたかく見守りました。
 さらに一行は、「トヨタの森」に移動。ここでは3班に分かれて森を散策し、自然を身近に感じる体験がおこなわれました。「目をつぶって風の方向を探ると、だんだんと感覚が研ぎ澄まされて、頬でも風を感じられるようになってきます。五感のすべてを使って探索してみてください。森の中は驚きと発見で満ちていますよ」と語るトヨタの森のスタッフさんとともに、葉っぱのにおいをかいだり、木肌をさわってみたり、体全身を使って自然と触れ合った子どもたち。学生スタッフも童心に返り、子どもたちと一緒になって、森の中での探索を楽しみました。
 さまざまな体験を通して、子どもたちとともに生き物と自然について学んだ学生たち。滞り無く現地学習を進める責務を果たしながらも、子どもたちの積極性や素直な感性に触れた経験は、これからのボランティア活動や大学での学修に大きく役立つことでしょう。

参加学生から届いた感想

 どうしても子どもたちに「答え」を教えたくなりますが、思いを引き出したり、自然に気づくように促したりするのが私の仕事。
 とても難しく、悩むことが多いけれど、その分やりがいがあります。
 10・11月におこなう報告会に向けて、子どもたちと頑張っていきたいと思っています。