交流

2014年12月10日

障がい学生支援活動団体「あすてく」車いすマップ制作

障がい学生支援活動団体「あすてく」車いすマップ制作

平成26年11月1日(土)・2日(日) 長久手キャンパス

長久手キャンパスの車いすマップを学生が制作し、
「支援」に対する考えを深めました。

 お互いの違いを認め合い、すべての人が尊い存在として共に生きる――理念「違いを共に生きる」を掲げる愛知淑徳大学は、学生一人ひとりが持つ力や個性、可能性を伸ばす教育に力を注いでいます。その思いは学生たちの心にも広がり、彼らは仲間と互いに学び合い、自らを高める挑戦を積み重ねています。

 この夏、障がい学生支援活動団体「あすてく」の学生たち10人が挑んだのは、車いすマップの制作。長久手キャンパスを車いすで安全に移動できるよう、スロープが設置されている場所、段差の少ない場所、バリアフリートイレなどを示したマップをつくりました。
 「あすてく」の活動の中心は、パソコンテイクやノートテイク。聴覚に障がいのある学生をサポートするために、音声情報をリアルタイムで文字化する活動であり、毎日の授業をはじめ、入学式・卒業式などに導入しています。この活動以外にも、車いすを使う学生の移動サポートなどもおこない、学生同士の学び合い、支え合いの輪を広げています。

 今回の車いすマップの制作がスタートしたのは、今年5月。4年前にも車いすマップをつくりましたが、新しい施設が建ち、変化したキャンパスに対応するため、新たなマップが必要だという声があがったのです。最初におこなったのは、長久手キャンパスの現状調査。夏休み期間の2カ月間、毎週2回、メンバーが集まり、協力して調査を進めました。学生一人ひとりが車いすに乗り、どこにどんな段差があるのか、どのルートで行けばスムーズに移動できるのか、写真を撮り、意見を交換しながら、一カ所ずつ細かく検証。その成果をもとに、車いすに乗る人にとって使いやすい、写真や解説入りのマップを仕上げていきました。
 ハンディタイプのマップのほかに、大型マップも制作。11月1日(土)、2日(日)の淑楓祭で掲示し、学生たちは来場者の皆さんに移動支援の大切さを伝えました。また、ブースではパソコンテイク体験、難聴体験、手話ゲームも実施し、障がいや障がい者支援に対する理解を広げることにも努めました。
 「障がいについて知らない人は、まだまだたくさんいます。支え合いのこころが学内だけではなく地域や社会にも広がっていくよう、できることから実践していきたい」。彼らの思いや行動は、まさに「違いを共に生きる」そのもの。今後も新たなチャレンジを重ね、学び、考えを深めて共生社会に貢献する人へとたくましく成長していくでしょう。

学生のコメント

 私たち「あすてく」のメンバーは、入学式でパソコンテイクの活動を知り、興味を抱いてチャレンジした学生がほとんど。活動を通して、障がいについて理解が深まったり、相手の目線に立って物事を考えるようになったり、一人ひとりが貴重な経験を重ねています。今回の車いすマップでも、多くのことを学ぶことができたと感じています。普段は意識しない段差も、車いすだと移動しにくくなる、そうしたことに自分たちが車いすに乗って初めて気づき、よりよい支援のあり方について考えが深まりました。
 現在、学生部やコミュニティ・コラボレーションセンターの方々から依頼を受け、AHSMEC(愛知淑徳大学 健康・医療・教育センター)の定例医療講演会や学外のイベントなどでパソコンテイクをする機会をいただき、活動の場が地域へも広がっています。今後もさまざまな活動に力を注ぎ、仲間や出会うすべての人と学び合い、高め合いたいと思います。


左から金井さん、渡邉さん、近藤さん