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2015年01月07日

教育に志す者の会《教志会》プレイベント第二弾「教職ってどんな仕事?」

教育に志す者の会《教志会》プレイベント第二弾「教職ってどんな仕事?」<br />

平成26年10月18日(土) 星が丘キャンパス

現役教員の方々による講演会・勉強会を通し、
学生たちは教職への志をいっそう熱くしました。

 これまでに延べ1,000人をこえる卒業生を学校現場に送り出した、教員養成の伝統校である愛知淑徳大学。現在も地域や各自治体の教育委員会との連携を強めながら、教育環境をより充実させています。その一環として、2015年8月、「教育に志す者の会『教志会』」を発足させます。教職に就く「志」を貫き、「教員が一生の仕事」となるよう、在学中から卒業後の長きにわたって支援していく組織であり、教職を志望する在学生・卒業生と、教職に就く卒業生・教職に就いていた卒業生が、共に学び合い、互いに高め合う拠点としていきます。

 10月18日(土)には、正式発足に向けたプレイベント第二弾「教職ってどんな仕事?」を開催。午前は特別支援学校の校長先生による講演会「特別支援という教育」、午後は6人の先生方をお招きし、勉強会「教科のやりがいと苦労」を実施しました。
 開会に先立ち、教職・司書・学芸員教育センター センター長の小倉斉先生は「今年、私のゼミに所属していた卒業生から、教員採用試験に合格したとの報告をもらいました。彼は国語教員をめざして何度も受験していたから、私も涙を流して喜びました。教職って、楽しく、やりがいのある仕事です。教員になることも、続けていくことも大変ですが、教員になってよかった!という瞬間が数多くあります。教員をめざす学生の皆さんにも、自分の志を果たし、教職の道を歩み続けてほしいと期待しています」と熱く語りました。
 会の運営には、9月から始動した教志会「学生事務局」の学生たちが主体的に携わり、司会進行などを担当。このイベントにおいても、教職に必要な行動力や状況把握力などを養っていました。また、参加した1~3年次の学生たちにとっても、「教職」を単なる憧れではなく現実の仕事と捉え、志をいっそう強くする機会になったことでしょう。

午前の部:講演会「特別支援という教育」

「教育」とは、子どもの可能性を信じ、希望を持って取り組み続けること。

 知的障がいや肢体不自由、慢性疾患などにより、特別支援学校に通う児童・生徒は、年々増えています。岐阜県立岐阜本巣特別支援学校の校長を務める板倉寿明先生は、さまざまな個性を持つ子どもたちとのエピソードを笑顔で語りながら、特別支援教育はもちろん、教育そのものの意義を伝えました。「人に関心を持つ。人に自分の思いを伝える。人と関わることの楽しさを知る。社会で生きていく上で基礎となる経験を、「遊び」を通して重ねていくことを特別支援教育では大切にしています。

 楽しい遊びがあると、子どもは自分でアタマをフル回転させ、想像力や言葉の力を広げていくのです」と板倉先生。中でも、知的障がい教育の要だと強調したのは「『これをやってみたい!』と子どもが思える活動をどう用意するか」。知的能力とは別の「社会生活能力」は無限に伸ばすことができると語り、買い物では公共の場でのマナーや社会、算数・数学、国語の力、調理では職業・家庭生活で活きる力などが伸びることを説明しました。「教員がきちんと"目的"を定めれば、遊びも学びになります。そして、他者との交流を通して自己肯定感や自信が芽生え、それが"生きる力"になるのです。子どもの可能性を信じ、希望を持って取り組む営みこそ、教育だと私は考えています」。子どもたち一人ひとりと真剣に向き合う板倉先生の話を聞き、学生たちは積極的に質問をしながら特別支援教育の意義ややりがいを学びました。
 講演会の締めくくりとして、板倉先生へのお礼の言葉を後口伊志樹先生が述べました。「板倉先生の示唆に富むお話を受け、学生の皆さんも教育に対する考えを深めたことと思います。その考える姿勢を大切にし、今後も学びに励むことを期待しています」と後口先生は学生たちにエールを送りました。

午後の部:勉強会「教科のやりがいと苦労」

 午後は分科会として、教育現場で活躍している6人の先生方を講師に招き、勉強会を実施しました。テーマは「教科のやりがいと苦労」。国語、英語、社会、保健体育、小学校、特別支援、各専門分野の授業づくりや指導方法などを説明し、教職という仕事の大変さ、素晴らしさを語りました。
 ここでは、本学卒業生の2人の先生方の勉強会をダイジェストでレポートします。

学生時代に多くのチャレンジを重ね、人間としての強い背骨をつくろう!

 「はじめに生徒ありき。生徒たちの"今"と"10年先"を見据え、行動を起こすことが、教員にとって大切なことです」と力強く語った杉浦先生は、柔軟な思考と教育に対する信念を胸に、生徒一人ひとりと真剣に向き合う教員として活躍しています。在学中は国文学科での学修とともにバスケットボール部での活動に熱中し、充実した4年間を過ごしたそうです。「人は言葉によって"外"に開く、つまり、人と関わり合い、新たな世界を拓いていきます。私が国語を教える目的は、豊かな"言葉の力"を持つ人を育てたいから。そのために教員に必要なのが、知識、技術、生徒を導く力。そして、人間として強い背骨をどう持つかだと考えています。大学時代にしかできないことはたくさんあります。後輩の皆さんも、何事にも果敢にチャレンジし、人間力を磨き続けてください」と杉浦先生。熱い言葉の数々、イキイキと輝くその姿から、学生たちは教職のやりがいを肌で感じました。

生徒と向き合い、自身も学び、成長していくのが教員のあるべき姿。

 授業前の自主学習、英語コミュニケーション能力を鍛える活動など、生徒が主体的に英語を学ぶ仕組みづくりに力を注ぐ、平井先生。自身の授業の様子を撮影した映像を交えながら、教科指導や生徒指導について語りました。「担任クラス以外のクラスの英語も担当しているため、教科を通して生徒たちのさまざまな面を知ることができます。授業中、私の言葉に一生懸命に応えてくれる姿、成長していく姿を見ることができるのは、とても嬉しいことです」と平井先生はニッコリ。また、問題を抱える生徒の指導に関する緊迫した出来事、顧問を務める剣道部での生徒たちとの学び合いなど、多くのエピソードを紹介。「つらいこと、大変なこともたくさんあります。でも、それ以上に生徒の成長を支え、私自身も成長していくことができる教職は、やりがいや喜びに満ちています」。平井先生の心に響く話を聞き、学生たちは教員になりたい!という思いをより深めました。