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2017年08月31日

トシカン座談会2017

トシカン座談会2017

2017年6月7日(水) 長久手キャンパス8号棟プレゼンテーションルーム

社会の第一線で活躍する卒業生が
在学生に自身の経験を語る座談会が開催されました。

 6月7日(水)、建築・インテリアデザイン専攻が主催する「トシカン座談会」が開催されました。トシカン座談会とは、毎年本専攻を卒業した先輩方をお招きし、学生時代の経験談やご自身の就職活動、また現在のお仕事などについて語っていただく、卒業生と在学生の交流会です。今年は5名の卒業生が登壇し、後輩たちに熱いメッセージを贈りました。今回はその講演の様子をダイジェストでお伝えします。

14期生 出口 慧さん

トシカン座談会2017

 個人設計事務所に所属し、イベントの企画や古民家のリノベーションなど、多岐にわたるプロジェクトに関わっている出口さん。学生時代に多くの旅行を経験したことが、現在の仕事でも役立っていると語りました。「2014年に3週間ほど憧れのニューヨークへ行きました。滞在したシェアハウスで、同世代の行動的な仲間に出会い、自分も彼らのように"まずは行動しよう"と思うように。それを機にさまざまな土地を訪れるようになりました。この行動力は社会人になっても、大切だと感じる力です。テレビやインターネットで、情報はすぐに手に入りますが、やはり自分の目で見て集めた情報には敵いません。ぜひ、時間のある学生の間にいろんな経験をしてください」と後輩たちにアドバイスをしました。

9期生 森 大樹さん

トシカン座談会2017

 個人設計事務所と工務店、両方での勤務経験がある森さんは、それぞれの業務内容の違いや特長など、比較しながらプレゼンテーションをおこないました。個人設計事務所では個人住宅をメインに担当。個性豊かな仕事に関わることができたことを伝えました。3年ほど働いた後、工務店に転職し、現在は設計部で日本家屋の改修を担当している森さんは、アフターメンテナンスも担当。カビが発生してしまうというトラブル解決のために気温や湿度を1年間計測して解決した案件など、設計以外の仕事にも関わることができると伝えました。学生時代は仕事内容の違いが分かりづらいだろうと語ったうえで、「自分が本当にやりたいことは何か見つけてください」とエールを贈りました。

6期生 小松 健太さん

トシカン座談会2017

 大学時代はバンド活動に力を入れていた小松さんは、ゼミの担当教授だった河辺 泰宏先生の「役立つとか役立たないとかではなく、熱中したものがあるかないかが、人生において大切」という言葉がずっと胸にあったと言います。その言葉の通り、2009年には設備会社で働く傍ら音楽レーベルを設立。また働きながら二級建築士を取得し、2011年には岩手県での復興支援活動にも参加。2015年に一級建築士を取得し、今年の夏には自身の設計事務所を立ち上げることになりました。「学生時代に熱中したバンド活動がきっかけで出会った仲間とは今でも交流があり、大切な財産になっています」と語り、人との関わりを大切にしてほしいと熱くメッセージしました。

3期生 大池 史門さん

トシカン座談会2017

 大学3年生の時に設計事務所でアシスタントとしてアルバイトをするなかで、さらに建築について学びたいという思いが募り、大学院へ。卒業後は、ガス会社の研究所や保育園、ビルなどの設計に従事したことを紹介しました。現在は別の設計事務所に所属し、狭小住宅や商店街の活性化プロジェクトなどを担当していると語りました。事務所によってもスピード感や一人ひとりの責任の重さなどが全く違うことを紹介しつつ、「自分の作ろうとしているものは単なる"建物"なのか、暮らしや営みを提案できる"建築"なのかを、常に自問自答しながら取り組むようにしています」と自身のモットーを語りながら、後輩たちにアトリエ系の事務所で働く魅力を示しました。

2期生 藤田 まやさん

トシカン座談会2017

 まちづくりの仕事に従事している藤田さんは、自分の生まれ育った商店街である円頓寺商店街を例に、仕事の事例を紹介しました。たとえば、新たなお祭りを企画・実施したり、空き店舗対策として貸し手と借り手の橋渡し役をしたり、商店街の神社の補修をしたり、商店街界隈のガイドブックをつくったり。さまざまな角度から、商店街を支えていることを解説しました。その中で藤田さんは「大学の教授や建築家、まちづくりコンサルタントなどの"外の人"と、店舗を持っている人や商店街に住んでいる人などの"中の人"が、それぞれの視点で活性化を考えることが、健全なまちづくりだと思います」と語り、学生も大きな力になると、期待を寄せました。