追究

2017年08月23日

交流文化学部主催 交流シネマ2017

交流文化学部主催 交流シネマ2017

ドキュメンタリー映画を通じて、在日ブラジル人の
暮らしぶりやアイデンティティに迫りました。

 6月7日(水)、交流文化学部の授業内で「交流シネマ2017」が開催されました。今回上映された作品は、在日ブラジル人の生活に密着したドキュメンタリー映画。本学 交流文化学部准教授 小島祥美先生が制作協力した作品でもあります。この作品を通じて、海外で暮らすということの大変さや難しさ、在日ブラジル人への理解を深めることはもちろん、かけがえない家族の存在や自らのアイデンティティを見つめ直す素晴らしいきっかけとなりました。

交流文化学部主催 交流シネマ2017

交流文化学部主催 交流シネマ2017

 物語の主人公は2004年に来日した荒巻家。父と母、高校生の長男と長女、次女の5人家族で、作品では2012年から2013年の1年間の出来事を追いかけていました。末っ子のミツエは、日本語での意思疎通に不自由さを感じ、中学三年生の頃から不登校に。ポルトガル語で授業が受けられるブラジル人学校の小学校3年生のクラスへ編入して学ぶ様子が紹介されました。長男のカイオは、日中は工場で働きながら定時制高校に通い、学んでいます。部長を務める定時制サッカー部はメンバーのうち2人以外が全員ブラジル人という現状も語られ、全国大会の1回戦突破を目標に奮闘する姿が伝えられました。次女のケミは日本語が堪能で高校の英語科に通い、スピーチ大会に出場するなど充実の毎日を送っています。しかし背中に先天性の持病があり、手術することになるなど、試練を乗り越えようとする姿が映し出されました。両親が直面したのは、仕事の問題。リーマンショックや震災の影響で、派遣社員として工場で働く母親の契約が切られてしまいました。日本に残るのか、ブラジルに帰るのか。大きな決断となりましたが、故郷ブラジルでの再出発を誓い、物語は終わりを迎えます。上映後は作品づくりに関わった小島先生が登壇。彼らの生活の様子や撮影の様子が語られ、作品の背景まで理解ができる奥深い映画鑑賞会となりました。また観光や国際交流など多岐にわたる分野について学ぶ学生たちにとって、今回の「交流シネマ」は在日ブラジル人の生活に迫ることで自身の知見を広げる素晴らしいイベントとなったことでしょう。