追究

2018年01月12日

健康医療科学部 健康栄養学科 講演会 救急蘇生法を実践する「PUSH講習」

健康医療科学部 健康栄養学科 講演会 救急蘇生法を実践する「PUSH講習」

2017年11月17日(金) 長久手キャンパス

「PUSH PROJECT」による、胸骨圧迫とAEDを学ぶ講演会

 11月17日(金)、健康医療科学部 健康栄養学科の学生を対象に、胸骨圧迫(心臓マッサージ)とAED(自動体外式除細動器)の使い方を学ぶ「PUSH講習」が開催されました。講師は、小牧市消防本部の田島 典夫氏。PUSH講習とは、簡易キットを使い心肺蘇生法を普及させるための活動をしている「PUSH PROJECT」によるワークショップです。健康を通じて社会への貢献をめざす、健康栄養学科の学びに必要な知識を習得する機会となりました。

健康医療科学部 健康栄養学科 講演会 救急蘇生法を実践する「PUSH講習」

健康医療科学部 健康栄養学科 講演会 救急蘇生法を実践する「PUSH講習」

「一次救命処置」の現状を知る

 「突然倒れた方に対して、一般の方による応急手当がどのくらい行われているか知っていますか?」と投げかける田島氏。その実施率は、約半数だと述べます。つまり、残りの半数の方は、救急隊が到着するまで応急手当がされていないのです。そのうえで、「救急隊が来るまでの処置が、救命率に大きく影響する。そして、処置が1分でも遅れると救命率が低下していく。実際の現場で動けるようになることが肝心です」と一次救命処置の重要性を伝えました。

「心臓突然死」は身近に起こりうる問題

 実際に、若くして心停止した方が胸骨圧迫やAEDの応急手当をされ助かった例や、応急手当が行われずに亡くなってしまった方の例を映像で紹介。普通に生活をしていても「突然死」が起こった同世代の方々がいるという事実を知り、思わず涙ぐむ学生もいました。    
 心臓突然死で亡くなる方の数は、1年で約7万人。田島氏は、「突然心停止になるのはお年寄りだけではない。いつでも、どこでも、だれでも心停止の可能性がある」とお話されました。

健康医療科学部 健康栄養学科 講演会 救急蘇生法を実践する「PUSH講習」

健康医療科学部 健康栄養学科 講演会 救急蘇生法を実践する「PUSH講習」

心肺蘇生教育で1人ひとりの「いのちへ意識」を変える

 講演の後半では、胸骨圧迫の方法やAEDの使い方を映像とともに説明。心肺蘇生トレーニングのキットを使い、学生たち全員が実践練習を行いました。キットの心臓を模した部分を押すことで、胸骨圧迫を体験できます。強く押さないと圧迫できないことを知り、学生たちは懸命に手を動かしていました。最後に田島氏より、「一次救命処置を行っても救命できないことも多々あり、責任を問われるものではない。完璧でなくていいので、勇気を持って声をかけ、できることをしてください」とメッセージをいただきました。
 他人事ではなく、いざというときに自分が動けることが大切だと伝え、学生たちの意識に変化をもたらす講演となりました。