追究

2018年04月10日

文学部 授業風景 国文学演習Ⅱ(6)近代Ⅱb

文学部 授業風景 国文学演習Ⅱ(6)近代Ⅱb

「対話」を重視した文学研究に学生主体で取り組み、
多角的、論理的に考える力を培います。

 近代文学を専門とする国文学科の竹内ゼミは、学生が主体となって文学作品の研究に取り組んでいます。3年次は近代文学の短編・中編小説を題材に文学研究の基礎的な文学方法を学び、4年次は各自が興味のある作品を取り上げて研究・発表。仲間と議論しながら分析・考察を深めて卒業論文を書き上げます。指導教員である国文学科准教授・竹内瑞穂先生は「『あたりまえ』から抜け出し、新しい見方で作品を読み解く」ことを学生たちに課し、一人ひとりの多角的な考察や積極的な発言を重視。学生の自主性を尊重して、活発なディスカッションを支えています。

文学部 授業風景 国文学演習Ⅱ(6)近代Ⅱb

文学部 授業風景 国文学演習Ⅱ(6)近代Ⅱb

 ゼミの時間にあたる「国文学演習Ⅱ(6)近代Ⅱb」では、学生が作品を読み深め、物語の世界観、作家のメッセージ、表現手法の特徴などについて独自の解釈を見出そうと調査・分析します。その研究成果を発表し、仲間と批判的にディスカッション。数名の小グループでの話し合い、ゼミ全体での討議をふまえ、仲間の意見や疑問から新たな気づきを得て考察を深めていきます。
 こうしたゼミ活動を通して学生たちが体験するのは、物事を多面的に見つめること、本質を捉えること、論理的に考えること。仲間との対話や作品との対話に力を注ぐことにより、大学の理念「違いを共に生きる」を実践し、社会で通用する思考力や対話力、柔軟性を培っています。

文学部 授業風景 国文学演習Ⅱ(6)近代Ⅱb

文学部 授業風景 国文学演習Ⅱ(6)近代Ⅱb

グループ発表の研究テーマ「映画性を含む『鍵』―谷崎潤一郎『鍵』論―」

 卒業論文を提出し終えた4年生18名は、4年間の学修の総仕上げとして、好きな作品を分析するグループ研究に熱中。この日、発表したグループは、谷崎潤一郎の『鍵』を取り上げました。『鍵』は日記体小説という観点で研究されてきた作品ですが、学生たちが着目したのは「映画」。映画制作のテクニックを使って書き上げられたと推察し、谷崎と映画の関連を調べて『鍵』における映画性を検証しました。発表後の全体討議では仲間から次々と質問が投げかけられ、司会進行役の学生が論点を整理しながら各自の考察を促しました。文学作品の読み方や解釈に、正解はありません。作品の新たな魅力を紐解こうと試行錯誤を積み重ねた学生たちは、先行研究を鵜呑みにせず、自分で調べ、考えることのおもしろさを分かち合っていました。