追究

2018年03月06日

司書・学芸員課程講演会「声を聴くこと・よく見ること-小さな短大図書館での仕事-」

司書・学芸員課程講演会「声を聴くこと・よく見ること-小さな短大図書館での仕事-」

2017年12月22日(金)長久手キャンパス ミニシアター

現役の短大図書館司書から、
仕事の厳しさ、大切なことを教えていただきました。

 愛知淑徳大学には教職や司書、学芸員をめざす学生のために「教職・司書・学芸員教育センター」があります。センターでは、これらの資格取得や採用試験対策の支援・指導に力を注いでいます。12月22日(金)におこなわれた司書・学芸員課程講演会「声を聴くこと・よく見ること-小さな短大図書館での仕事-」もその一環。現役の短大図書館司書である昭和学院短期大学図書館司書・市村美鈴さんを講師にお招きして、短大図書館での仕事内容や仕事をする上で大切にしていることをお話しいただきました。

司書・学芸員課程講演会「声を聴くこと・よく見ること-小さな短大図書館での仕事-」

司書・学芸員課程講演会「声を聴くこと・よく見ること-小さな短大図書館での仕事-」

 講演では、まず市村さんがなぜ司書をめざすようになったのか、大学時代や大学卒業後の生活を交えて紹介していただきました。大学4年生で図書館のアルバイトを1年間おこなったこと、図書館の新卒採用が見込めないことから、仕方なく保険会社に就職したこと、それでも司書の夢をあきらめきれず、1年で会社を辞め、大学図書館の短期非常勤に就いたことなど、現在の職に就くまでの経緯をリアルに語っていただきました。
 晴れて昭和学院短期大学の司書になった後の1人勤務の厳しさなども紹介されました。また所々に挟む「図書館あるある」という息抜き話も、聴衆の笑いを誘いました。図書館に虫が出るのは当たり前、ヘビやハクビシンといった動物まで来館(!?)する珍事もあるそうです。
 司書として、利用者(学生)から信頼されるために大切なこともお話しいただけました。秘訣は「学生の声をよく聴くこと」。そのためには「3W2H」として「何を(What)、誰が(Who)、いつ(When)、どのように(How)、どれくらい(How many)」を意識して、学生とコミュニケーションを取っていると言います。「3W2H」をしっかり押さえることで、学生からの要望に的確な返答ができ、その積み重ねが信頼感を醸成することにつながるそうです。また、学生をよく見ること、自分自身の表情を気にすること、図書館の仕事を客観視することなど、たくさんの要点を教えていただきました。

司書・学芸員課程講演会「声を聴くこと・よく見ること-小さな短大図書館での仕事-」

司書・学芸員課程講演会「声を聴くこと・よく見ること-小さな短大図書館での仕事-」

 そして最後により良い司書であるために最も大切なことは「私は学生の皆さんに育てていただいている」という視点を忘れないようにすることだと主張します。「謙虚な気持ちを大切に仕事をする」という言葉には、聴衆も大きくうなずきながら耳を傾けていました。
 講演後は質疑応答がおこなわれました。聴衆からは「非常勤やアルバイトでの時給は?」、「大学時代にやっておくべきことは?」など、多くの質問が投げかけられ、市村さんはその質問にひとつずつ丁寧に回答していました。
 将来、司書をめざす学生にとって、仕事の具体的内容や知られざる裏側なども知る機会となった今回の講演会。市村さんが応援の言葉も挟みながら質問に答えている姿が印象的で、学生たちも目標に向かい、志望の意思を新たにしたことでしょう。