追究

2018年03月15日

教育学会主催 子どものためのミュージカル「アリったけの勇気」

教育学会主催 子どものためのミュージカル「アリったけの勇気」

2018年1月31日(水)長久手文化の家「森のホール」

ミュージカルを通して、仲間と協力する大切さ、
自ら一歩を踏み出す勇気の素晴らしさを子どもたちに伝えました。

 教育学科4年次の授業「総合表現」。この授業では1年間かけて学生自身がミュージカルをつくり上げ、子どもたちに披露することを目的としています。ミュージカルの企画からテーマ設定、脚本、演出、大道具、照明、オーケストラなど、すべてを学生たちが手掛け、教員として欠かせない企画力、表現力、チームワーク、リーダーシップなどを養っていきます。
 今回で8回目を迎えるミュージカルの題名は『アリったけの勇気』。ディズニー映画『バグズライフ』のオマージュとしてつくられた作品です。1月31日(水)長久手文化の家「森のホール」に招いた長久手市の小学生たちを前に、これまでの集大成を披露するときがやってきました。

教育学会主催 子どものためのミュージカル「アリったけの勇気」

教育学会主催 子どものためのミュージカル「アリったけの勇気」

 舞台は小さなアリの国。その国ではたくさんのアリたちが収穫祭に向けて食料を集めています。しかし、一所懸命集めた食料の半分は乱暴なバッタたちに渡す約束。その約束を果たすことで、アリたちを攻撃しないという取り決めを交わしていたからです。学生たちは小学生にも分かりやすいように、ゆっくりと大きな声でセリフを言い、身体を大きく使った振りで感情を表現。さらにミュージカルを盛り上げる生演奏は迫力満点!子どもたちも舞台を注視しています。
 物語は突然やってきた嵐で集めた食料が吹き飛ばされてしまう事件から大きく動きます。主人公・フリックは、食料がなくなってしまったことを説明しても「これまでの2倍の食料を1週間で用意しろ!」と無理難題を言うバッタと戦うことを決意。3匹の仲間を連れて、いよいよバッタと直接対決をします。劇中にはお笑い芸人のネタやSF映画のワンシーンを取り入れる演出もあり、子どもたちは大喜び。戦いを制したフリックは「一緒に収穫祭を祝おう」とバッタに手を差し伸べます。

教育学会主催 子どものためのミュージカル「アリったけの勇気」

教育学会主催 子どものためのミュージカル「アリったけの勇気」

 学生たちが伝えたかったのは、仲間と協力する大切さ、自ら一歩を踏み出す勇気の素晴らしさ。その想いはきっと子どもたちにも伝わったことでしょう。

リーダー
文学部 教育学科 4年 名和龍之介さん

教育学会主催 子どものためのミュージカル「アリったけの勇気」

 もともと「よさこい」をやっていて、自分たちのパフォーマンスで人を喜ばせることにやりがいを感じていました。このミュージカルも「人を喜ばせる」という意味では、よさこいと同じ。「いかに舞台を楽しんでもらえるか」に重点を置き、練習を重ねていきました。難しかったのは、各係間の連携。舞台は照明、大道具、オーケストラなど、それぞれの係がうまくコミュニケーションを取れてはじめて成功するもの。情報伝達の仕方や共有方法を考え、実践していくことの大切さを実感しました。
 今回のテーマは、仲間と協力する大切さ、自ら一歩を踏み出す勇気の素晴らしさ。この想いは子どもたちに伝えたいことであると同時に、自分たちに言い聞かせていたのかもしれません。今後、教師になる夢に向かって全員が走っていきますが、さまざまな困難が待ち受けていることでしょう。そんなとき、このミュージカルを想い出し、乗り越えていきたいと思っています。

文学部 教育学科 浅田まり子 教授

教育学会主催 子どものためのミュージカル「アリったけの勇気」

 今回、ディズニー映画の『バグズライフ』にヒントを得てアレンジし、子どもたちにもわかりやすいミュージカルとして仕上げていきました。ミュージカルのタイトルを決める際、「アリったけの勇気」という案が出た時はとても嬉しく思いました。一つのミュージカルを面白く仕上げるためには、いろいろな発想が大切になってくるのです。
 学生28人全員、とにかく時間のない中、頑張ってくれました。教員採用試験や卒業論文の合間に集まり、何度も繰り返し、練習しました。ようやくまとまってきたのは本番も迫ってきたとき、3日間連続で、集中練習をしてからでしょうか?私は辛口、時には甘口にアドヴァイスをしながら、ネットワークがとれ、考えながら行動できるように見守りました。
 チームの自主性、思いやりなど、ミュージカルを成功させるには、さまざまな要素が必要です。そしてこれらは社会に出てからも絶対に求められる能力。ミュージカル制作を通して、その大切さを少しでもわかってもらえたら嬉しいです。