追究

2018年08月28日

特別講演会「性的マイノリティのこれまでとこれから」

特別講演会「性的マイノリティのこれまでとこれから」

2018年7月13日(金) 星が丘キャンパス 5号館55C教室

性的マイノリティの歴史的変遷について、
当事者の目線から語っていただきました。

 本学のジェンダー・女性学研究所が主催する特別講演会「性的マイノリティのこれまでとこれから」が、7月13日(金)、星が丘キャンパスで開催されました。講師を務めたマーガレットさんは、日本を代表するドラァグクイーンの一人。編集者・ライター、メイクアップアーティストなど幅広い分野で活躍しています。講演ではマーガレットさんが見つめてきた性的マイノリティの歴史的変遷について、ご自身のエピソードを交えながらご講演いただきました。一般公開された今回の講演会には多くの学生や地域の方が集まり、マーガレットさんのお話に耳を傾けました。
 マーガレットさんは、最初にドラァグクイーンとはどのような人か、近年の活躍や言葉の語源から解説しました。ご自身が出演した女性アーティストのライブ映像や展覧会の写真をスクリーンに映し出しながら、近年のドラァグクイーンの活動の広さを紹介。その活動の意義について、「男が女を演じることによって、“女は女らしくあれ、男は男らしくあれ”という社会の風潮を風刺する働きがあるのではないでしょうか」と語りました。

特別講演会「性的マイノリティのこれまでとこれから」

特別講演会「性的マイノリティのこれまでとこれから」

 次にマーガレットさんはご自身の幼少期からの成長や心の変化を、年齢ごとのエピソードとともに紹介。また性的マイノリティを取り巻く国内外のできごとを紹介しながら、当時の時代背景について説明されました。講演会の終盤にはドラァグクイーンが世間一般に広まるきっかけとなった映画(『プリシラ』、1994年の作品)を題材にして性的マイノリティについて解説。登場する3人のキャストの性的マイノリティに対する考え方を分析しながら、1969年にニューヨークで起きた暴動を境に世代間で価値観に違いが生まれていると伝え、ジェンダーや性的志向に対する考え方は多様であり、その違いを受け入れながら認めあっていくことが必要だと訴えられました。

特別講演会「性的マイノリティのこれまでとこれから」

特別講演会「性的マイノリティのこれまでとこれから」

 講演会ではマーガレットさんがリアルタイムで見つめてきた性的マイノリティの変遷について、貴重なお話を伺うことができました。時にはジョークも交えながらいきいきと語るマーガレットさんの姿に、学生たちは世間の価値観に捉われず、自分らしく生きることの素晴らしさに気がつくことができたことでしょう。ジェンダー・女性学研究所では、これからもジェンダーについての理解を深める場を提供し、多様性を受け入れることの大切さを学生たちに伝えていきます。