追究

2018年08月28日

第6期連続講座「2020年東京オリンピックに向けて!―ジェンダーの視点で見るスポーツ」 第3回「アスリートの身体とジェンダー」

第6期連続講座「2020年東京オリンピックに向けて!―ジェンダーの視点で見るスポーツ」 第3回「アスリートの身体とジェンダー」

2018年7月2日(月) 長久手キャンパス7号棟 7B2教室

女性アスリートはメディアにおいてどのように描写されてきたか。
その変遷をたどり、多様性を受け入れる大切さを考えました。

 本学のジェンダー・女性学研究所は、本学の理念である「違いを共に生きる」を体現するため、性による差別や人権侵害についての情報を収集・研究し、学生や地域のみなさまに発信していくことで、男女共同参画社会の実現をめざす機関です。今年の6月~7月にかけては、第6期連続講座「2020年東京オリンピックに向けて!―ジェンダーの視点で見るスポーツ」を開催し、みなさまにジェンダーに関して考察する機会を提供しました。

第6期連続講座「2020年東京オリンピックに向けて!―ジェンダーの視点で見るスポーツ」 第3回「アスリートの身体とジェンダー」

第6期連続講座「2020年東京オリンピックに向けて!―ジェンダーの視点で見るスポーツ」 第3回「アスリートの身体とジェンダー」

 3回目の開催となった7月2日(月)には明治学院大学国際学部教授の合場敬子先生をお招きし、ご講演いただきました。「アスリートの身体とジェンダー」と題した講演では、東京オリンピック2020の開催が近づいていることから、前半は「女性アスリートに対するメディア描写の変遷」について解説。後半ではスポーツが女性にとってどんな影響を与えているかを伝えました。

第6期連続講座「2020年東京オリンピックに向けて!―ジェンダーの視点で見るスポーツ」 第3回「アスリートの身体とジェンダー」

第6期連続講座「2020年東京オリンピックに向けて!―ジェンダーの視点で見るスポーツ」 第3回「アスリートの身体とジェンダー」

 前半は、ニュージーランドの女性学研究者トニー・ブルース氏がまとめた「女性アスリートに対する15の表象ルール」を1つずつひもときながら、女性アスリートが時代によってどのように描写をされてきたのかを説明。昔は男女の差異に着目し、「選手をちゃん付けして呼ぶ」「競技名の前に女子をつける(例:女子サッカー、女子バレーなど)」といった表現が中心であったことを伝えた上で、近年では男女の類似性を強調する表現も増え、さらに女性アスリートが自ら自分自身について発信していくようになっていることを紹介しました。後半では数々の先行研究を示しながら「女性はスポーツを通じて身体的な自信を取り戻し、本来持っている力を十分発揮できていないという状況を打破するきっかけを得ることができる」と解説。女性アスリートであることや自分自身の性に対して真摯に向き合い、自分なりに捉えていくことが大切であると訴えました。
 スポーツとジェンダーという切り口で自らのアイデンティティについて考えを深めるきっかけとなった今回の講演会。本学では知見を広め、多様な価値観に触れる機会を提供することで、違いを共に生きることのできる人材を育んでいきます。