追究

2018年08月27日

平成30年度 第1回 文学部講演会「連歌についてのことども」

平成30年度 第1回 文学部講演会「連歌についてのことども」

2018年6月28日(木) 長久手キャンパス5号棟512教室

連歌に親しみ、その魅力を紐解きました。

 国文学科・国文学会では年に2回、学外の先生や卒業生などをお招きして講演会を企画・運営しています。6月28日(木)、今年度第1回目となる講演会が長久手キャンパスで開催されました。講師を務めたのは、本学名誉教授の岩下紀之先生です。「連歌についてのことども」と題し、長年研究されてきた連歌の魅力について語りました。会場に集まった国文学科の学生は、興味深そうに岩下先生のお話しに耳を傾けていました。

平成30年度 第1回 文学部講演会「連歌についてのことども」

平成30年度 第1回 文学部講演会「連歌についてのことども」

 短歌の上の句(五・七・五)と下の句(七・七)を複数の人が交互に詠み連ねて行く連歌。300年以上にわたり多くの人々に親しまれてきました。講演会では岩下先生が、なぜ連歌がそれほど長きに渡り、人々に愛されてきたのかについて、連歌の変遷をたどりながら明らかにしていきました。まずは平安時代から室町時代にかけての代表的な作品を一つひとつていねいに解説。連歌は時代とともに形を変え、文学としての洗練を極めていたことを明示しました。さらに岩下先生は、その連歌の魅力を俳諧と比較して分析。「俳諧に登場する人物は一方的に語りかけていますが、連歌では登場する人物と次の詠み手の間に会話があります。会話から生まれる演劇的なおもしろさが、人々を惹きつけたのではないでしょうか」と語りました。また、連歌の作りやすさにも言及し、時代を超えて受け継がれてきた連歌の魅力を伝えました。

平成30年度 第1回 文学部講演会「連歌についてのことども」

平成30年度 第1回 文学部講演会「連歌についてのことども」

 数少ない連歌の研究者の一人である岩下先生の、貴重なお話を存分に楽しむことができた今回の講演会。学生たちは連歌の新たな魅力に気づき、文学研究のおもしろさを再確認したことでしょう。国文学科・国文学会では、これからも様々な講演会を開き、学生たちの視野を広げ、文学への理解を深める機会を提供していきます。