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2019年03月11日

教育学会主催 子どものためのミュージカル「猫のすてきな夢」

教育学会主催 子どものためのミュージカル「猫のすてきな夢」

2019年1月30日(水) 長久手市文化の家 森のホール

教員志望の学生たちが、ミュージカルを上演。
「仲間の大切さ」を子どもたちに伝えました。

 小学校教員と特別支援学校教員を養成する教育学科では、学修の集大成となる専門科目「総合表現」4年次に開講しています。これは、学生が主体となって子ども向けミュージカルをつくり上げる、実践を重視した授業です。今年度は25名が履修。音楽教育が専門の浅田まり子先生の指導のもと、約1年かけて台本・楽譜作成、大道具や衣装の制作、演技や合唱・演奏の練習などに励みました。

 1月30日(水)の公演に招待したのは、学校教育体験や教育実習、ボランティア活動でお世話になっている長久手市内の小学校の子どもたちと保護者の皆さん。会場となった長久手市文化の家には開演前から列ができ、賑やかな声が響いていました。学生たちが上演した演目は、児童文学『人間になりたがった猫』をアレンジした「猫のすてきな夢」。子どもたちが楽しく観劇できるよう、セリフや踊りなどの一つひとつに工夫が凝らされていました。

教育学会主催 子どものためのミュージカル「猫のすてきな夢」

教育学会主催 子どものためのミュージカル「猫のすてきな夢」

 「猫のすてきな夢」の主人公は、魔女に仕える猫・オリオンです。人間になりたいという夢を魔法でかなえてもらい、まちに旅立つシーンからミュージカルがスタート。個性豊かな仲間たちと出会い、困難にも勇敢に立ち向かっていくオリオンの物語を、情感あふれる歌やオーケストラがドラマチックに彩りました。そしてクライマックスでは、オリオンが「人は、ひとりでは生きていけない。だから、みんなで仲良く暮らそう」と仲間たちにメッセージ。その言葉には学生が子どもたちに伝えたい思いがつまっていました。ハッピーエンドで閉幕した舞台に客席から大きな拍手が贈られ、学生たちは達成感や喜びを分かち合いました。

教育学会主催 子どものためのミュージカル「猫のすてきな夢」

教育学会主催 子どものためのミュージカル「猫のすてきな夢」

 ミュージカルは、演劇、音楽、ダンス、文学、美術などで構成される総合芸術です。今回の物語のテーマと同じように、多くの仲間が力を出し合ってはじめて上演することができます。そうしたミュージカルづくりを通して、学生たちは仲間の大切さをあらためて実感するとともに、表現力、企画力、実践力、リーダーシップなどの教員に必要な力を豊かに伸ばしました。4年間、仲間と共に多くのことを学び、互いに切磋琢磨した日々は、子どもたちをよりよい未来に導く教育者として生涯の支えになることでしょう。

代表学生のコメント

教育学会主催 子どものためのミュージカル「猫のすてきな夢」

文学部 教育学科 4年 吉田 創さん

 多くの仲間と心をひとつにして、「猫のすてきな夢」をつくり上げました。教育実習や教員採用試験などとの両立が難しかったり、なかなか意見がまとまらなかったり、大変なこともありましたが、みんなで協力したからこそ乗り越えられたと感じます。ミュージカルづくりを通して学んだ協調性を、特別支援学校教員になってからも役立てていきます。卒業を目前に控えた今、心に浮かぶのは、教育学科で過ごしたかけがえのない4年間。個性豊かな仲間や先輩・後輩、先生方との絆は、生涯の宝物です。そんな出会いの尊さ、仲間の大切さを、学校現場で子どもたちにも伝えていきたいと思います。

指導教員のメッセージ

教育学会主催 子どものためのミュージカル「猫のすてきな夢」

文学部 教育学科 浅田 まり子 教授

 学生全員が「リーダーであり主役」という責任感を持ち、全体を見渡して自ら行動できるように見守り、サポートしてきました。ミュージカルづくりにおいて学生たち一人ひとりが「互いの個性をどう活かし、協働していくか」と主体的に考えた経験は、教員として子どもたちの個性を伸ばしていく上で大きな力になるでしょう。「猫のすてきな夢」から学んだことを卒業後にも活かし、自分の道を力強く歩んでほしいと願っています。