追究

2019年04月10日

文学部 国文学科 小倉ゼミ 卒業論文報告会

文学部 国文学科 小倉ゼミ 卒業論文報告会

2019年2月21日(木)~22日(金) 豊田市・ホテルフォレスタ

4年間の学修の集大成・卒業論文の内容を発表。
相互批評に基づき、研究成果を共有しました。

 「人間探究」を学修の原点とし、日本の文学や国語学、中国文学を題材に言葉の力や創造的思考力を磨く文学部 国文学科。3年次からゼミナールが始まり、学生一人ひとりが自らの関心に基づくテーマを追究していきます。そのゼミナールのひとつが、近代文学を専門とする小倉 斉教授のゼミナールです。4年次には、1人1テーマで2万字以上の卒業論文を執筆。自らの仮説を立証すべく、テキストを丹念に読み、先行研究を分析し、分析の過程を論理的に組み立てて、文章に書き表していきます。小倉ゼミでは書く力だけでなく、伝える力を鍛えるために、毎年「卒業論文報告会」を実施。今年度は2019年2月21日(木)、22日(金)の2日間、豊田市のホテルフォレスタにて実施されました。

文学部 国文学科 小倉ゼミ 卒業論文報告会

文学部 国文学科 小倉ゼミ 卒業論文報告会

 報告会では1人30分ほど、自分の卒業論文について解説。どんなテーマを設定したのか、研究で何を明らかにしようとしたのか、どのようなアプローチで調査・分析をおこなったのか、最終的にどんなことがわかり、どのような見解を提示したのか、卒業論文の全体像を一つひとつていねいに発表していきました。7名のゼミ生が掲げたテーマは多種多様で個性豊か。国語の教科書にも採用されている中島 敦の『山月記』、詩人・荻原 朔太郎が手がけた小説『猫町』、川端 康成、三島 由紀夫らに影響を与えたと言われる泉 鏡花の『義血侠血』などの作品のほか、昭和のアニメソングの変遷や三遊亭 円朝『怪談牡丹燈籠』の真実、夏目 漱石におけるモンタージュ技法、筒井 康隆の実験小説群の方法的特徴など、さまざまな切り口の卒業研究が報告されました。発表が終わるたびに、熱心に耳を傾けていた学生や小倉先生は、「『山月記』を漢文調の小説と評したのは、言い得て妙だなと思った」「詩人として有名な朔太郎について、小説を読み解くことで新たな文学史的評価を試みようとするアプローチが新鮮だった」「筒井 康隆の実験小説を“読者”という存在に着目して評したのは、おもしろかった」とコメント。ゼミ生全員で相互批評をおこない、4年間の学修の集大成について確認しました。

文学部 国文学科 小倉ゼミ 卒業論文報告会

文学部 国文学科 小倉ゼミ 卒業論文報告会

 自らが設定した研究テーマについて徹底的に追究し、新たな発見を誰もが理解できるように文章や自分の言葉で発表した経験は、学生たちにとって確かな自信になりました。卒業研究を通じて、読解力や文章表現力だけでなく、論理的・創造的思考力などを身につけ社会人に必要な力を総合的に鍛えることができたはずです。小倉ゼミで学ぶことで身についた人間力を発揮し、学生たちは次なるステージで自分らしく輝いていくことでしょう。