追究

2019年08月22日

2019年度 第二回 文学部 講演会「建築デザインと子どもの体験学習」

2019年度 第二回 文学部 講演会「建築デザインと子どもの体験学習」

2019年7月4日(木) 長久手キャンパス 512教室

建築と教育をかけ合わせれば、
子どもたちの可能性を大きく広げるプロジェクトに。
画期的な体験教育の一端を垣間見る講演会が実施されました。

 文学部 講演会は、文学部の各学科(国文学科、総合英語学科、教育学科)が主催する教育イベントです。普段の授業では聞くことができない専門的な知識を育むために、外部から講師をお招きし、学生たちの知的好奇心を刺激する機会としています。2019年7月4日(木)には教育学科が主催する講演会を実施。名古屋市立大学大学院芸術工学研究科から鈴木賢一教授をお招きし、「建築デザインと子どもの体験学習」と題した講義をご講演いただきました。

2019年度 第二回 文学部 講演会「建築デザインと子どもの体験学習」

2019年度 第二回 文学部 講演会「建築デザインと子どもの体験学習」

 「私は工学を学んだエンジニア、技術屋さんです」と自己紹介した鈴木先生は、冒頭、「教員をめざす皆さんには、“子どもに教える先生”ではなく、“子どもと一緒にやってみる先生”になってもらいたいと願っています」とコメント。建築を題材にした子ども向けの体験教育を実施してきた経験や、学校などを計画・設計してきた経験を語りながら、「子どもに考えさせ体験させることの重要性」を繰り返しました。
 そして、多くの事例を挙げながら、建築を題材にした教育がいかに子どもたちに良い影響を与えるか示唆。新聞紙をふくらませて完成させるドーム、1万個ほどの紙コップを積み上げて作るタワー、雑木林の中で竹を使って組み立てた秘密基地。それぞれのプロジェクトに参加した子どもたちは誰もがいきいきとした表情で、プロジェクターに映し出された写真から活動に熱中する様子が伝わってきました。

2019年度 第二回 文学部 講演会「建築デザインと子どもの体験学習」

2019年度 第二回 文学部 講演会「建築デザインと子どもの体験学習」

 さらに、子どもの目で街や学校、病院を再検討するプロジェクトについても紹介。病院の中で好きな場所、嫌いな場所を使い捨てカメラで撮影してもらい、そこからヒントを得て、病棟を再計画したプロジェクトを取り上げながら、「子どもは“自ら考える経験”を通じて、その建物や場所に愛着を持ちます。いい街はいい建築家の存在だけでは生まれません。主体的に考え行動できるいい市民がいなければならないのです。子どもは未来の担い手。自由な感性を持ち合わせている子どもが、小さいうちから建築に触れ学ぶことは大きな可能性を秘めていると思います」と、子どもたちが主体的に学び、活動することの大切さを伝えました。
 「建築と教育」という新しい切り口で子どもの成長を考察した90分。学生たちにとって、新たな視座となり、教育実習やゼミ活動などさまざまな場面で活用できるヒントを得る機会になったことでしょう。