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2019年10月16日

愛知淑徳大学 ジェンダー・ダイバーシティ表現演習 第3回成果発表公演「星空ブレンド」

愛知淑徳大学 ジェンダー・ダイバーシティ表現演習 第3回成果発表公演「星空ブレンド」

2019年8月31日(土) 七ツ寺共同スタジオ

ジェンダーってなんだろう。セクシュアリティってなんだろう。
その問いかけを「演劇」にして、小劇場で上演しました。

 2019年8月31日(土)、七ツ寺共同スタジオにて「ジェンダー・ダイバーシティ表現演習 第3回成果発表公演 “星空ブレンド”」が上演されました。この舞台作品は、全学部全学年の学生を対象に開講される「ジェンダー・ダイバーシティ表現演習」を受講した学生が創り上げる演劇で、本学の教員や講師の力を借りながら一つの作品を完成させ、観客の皆様へお届けするものです。
 学生たちはまず、授業時間を活用してジェンダーやセクシュアリティとは何か、自らの経験談や考えを発表しながら理解を深めつつ、脚本に盛り込むエピソードを精査したり短い劇を創作したりして、表現方法を学修。話し合いを重ねていく中で、自らの考えがまとまったり、理解が広がったりする経験を積み重ねながら、演劇のストーリーを紡いでいきました。本学の教員や講師の方々にダンスや身体表現、演技などをご指導いただきながら、授業で創作した短い劇をベースに「星空ブレンド」を創り上げました。

愛知淑徳大学 ジェンダー・ダイバーシティ表現演習 第3回成果発表公演「星空ブレンド」

愛知淑徳大学 ジェンダー・ダイバーシティ表現演習 第3回成果発表公演「星空ブレンド」

 より良い作品にしようと練習を重ね、いよいよ迎えた本番には多くのお客様が来場。作品は、ジェンダーやセクシュアリティに関する戸惑いや疑問について年齢を追いながら投げかける「独白部分」と、友だちや過去の自分などにジェンダーやセクシュアリティについての考えを語りかける「手紙部分」、さらに「スカート」「恋愛」「女性専用車両」「アダルト・コンテンツ」などのテーマが短い劇で表現される「エピソード部分」の3つの要素で構成され、それぞれ性別に対する偏見や多様な考え方について、観客に訴えかけていきました。

愛知淑徳大学 ジェンダー・ダイバーシティ表現演習 第3回成果発表公演「星空ブレンド」

愛知淑徳大学 ジェンダー・ダイバーシティ表現演習 第3回成果発表公演「星空ブレンド」

愛知淑徳大学 ジェンダー・ダイバーシティ表現演習 第3回成果発表公演「星空ブレンド」

愛知淑徳大学 ジェンダー・ダイバーシティ表現演習 第3回成果発表公演「星空ブレンド」

 約70分間の演劇は、時に笑いを生み、時に重厚感をもって胸に迫り、一言では言い表せないさまざまな感情を観客の皆様に届けました。見事演じきった学生たちは皆、充実の表情。劇の創作を通じてジェンダーやセクシュアリティについて考え、自らの気持ちに向き合い、表現する経験は、学生たちにとっても貴重な機会となりました。本学の理念「違いを共に生きる」を体現する授業を通じて、学生たちは互いに認め合い、さまざまな人と共生する力を養うことができたことでしょう。本学ではこれからも多様な価値観を受け入れられる人材の育成に力を注いでまいります。

《学生コメント》

愛知淑徳大学 ジェンダー・ダイバーシティ表現演習 第3回成果発表公演「星空ブレンド」

創造表現学部 創造表現学科 創作表現専攻 1年 岩田 紋加さん(左)
創造表現学部 創造表現学科 創作表現専攻 4年 浅井 一輝さん(中央)
人間情報学部 人間情報学科 心理情報専修 4年 野々山 晴那さん(右)

 演劇が好きな人、表現することに興味がある人、ジェンダーについて知りたい人。さまざまな思いやバックボーンを持つ学生22人が集まり、授業を通じて一つの劇を創り上げました。まず前期の授業で4~5人のグループに分かれてジェンダーについて討論し、その後、その討論に基づく劇を自分たちで考えて発表します。並行して、先生に劇で活用できる身体表現を学びながら、少しずつ話し合いを重ねる中でジェンダーについての理解を深めていきました。その話し合いの中で気づいたことは、ジェンダーに対する考え方は決して一つではないということ。正解はなく、さまざまな捉え方や考え方があってもいいことなんだと、仲間の多様な意見に触れることで気づくことができました。その多様性の大切さを、劇を通じて観客の皆さんに届けられたらいいなという思いで練習に励みました。本番では今まで重ねてきた練習の成果を存分に発揮することができ、幸せな感覚に包まれました。幸せな感覚を得られたのはきっと、演じることを通じて自分に素直になれたから、授業を通じて多様な考え方があって良いと知ることができたからだと思います。演じる中で自分自身に芽生えた相手を慮る気持ちや多様性を受け入れようという姿勢は、きっと社会でも役立つはずと確信しています。また、この授業を通じて出会った仲間は一生の財産となりました。すばらしい授業に参加できたことを今後の糧にして、自分らしく人生を歩んでいきたいと思います。