追究
2020年03月10日
交流文化学科 前島ゼミ・林ゼミ合宿報告 名古屋の学生が岐阜の2つのまちを星ヶ丘で語る! 岐阜県八百津町×岐阜県七宗町

2019年12月19日(木)星ヶ丘ボウル内 星が丘天文台ワークラウンジ
まちの活性化について研究する2つのゼミが、
岐阜県内でおこなった調査結果を報告しました。
交流文化学科 国際交流・観光専攻 観光コースでは、観光についてビジネスやまちづくりなど多面的な視点から学ぶことができます。なかでも地域活性を専門とする前島訓子ゼミと林大策ゼミは2019年度、岐阜県内のまちで実地調査を目的とした合宿をおこないました。
前島ゼミの2年生は、八百津町について地域行事や自然などの分野ごとにグループに分かれて研究を進めてきました。8月には合宿で八百津町を訪れ、まちの方々にインタビューや調査を実施。ゼミ内で調査内容に関する発表をおこないました。一方、林ゼミは七宗町の観光資源の活用をテーマに、幹事役の2年生が事前に現地にインタビューや視察に行き、合宿を企画しました。合宿では七宗町内の観光地を巡り、ゼミの2、3年生がまちの魅力を体感。町役場の方とともにワークショップもおこない、地域の課題や魅力について意見交換をおこないました。
そうした前島ゼミと林ゼミがお互いの合宿の成果を発表する合同報告会が、12月19日(木)に星が丘天文台ワークラウンジで開催されました。学生たちはそれぞれの発表を聞いて、八百津町・七宗町の魅力を再発見し、研究手法や発表の仕方にも刺激を受け合っていました。また、ゲストとしてお招きした役場やまちの方々も学生たちの発表を高く評価し、地域活性化に向けた連携活動への期待を寄せていました。
前島ゼミ研究・発表
1班 地域の人が作り上げた八百津祭り
八百津の伝統的な祭り「八百津祭り」を、地域活性化や観光に活かすことができないか調査をおこないました。まずは八百津祭りの歴史と特長を解説。その後、時代とともに変化したこと、変わらずに継承していることについて取り上げました。さらに八百津町の人口減少と祭り運営者の高齢化の課題に触れ、改善策として地元の若者や地域外の人へ祭りの魅力を広める広報活動ついて提案しました。
2班 八百津調査~移住者と地域のつながり~
文献調査から移住者が地元の人と一緒に地域を盛り上げていくことが重要だと考え、移住者をテーマに八百津町を調査。八百津町の移住者の現状、移住者と地元の方の関係性について、町内3エリアの移住者を対象にインタビューをおこないました。ただ外部から人を呼び込むのではなく、地元に寄り添い続ける覚悟を持った移住者や地元のことが好きな子どもたちなどを増やしていくことが大切だと語りました。
3班 八百津を支えた特産品
地元の特産品を活かした地域活性化をテーマに、八百津町の特産品と地域のつながりについて調査しました。八百津町特産の酢、地酒、栗きんとん、八百津せんべいを製造している地元企業へインタビューを実施。地域とのつながり、PR活動、商品開発の3点から調査内容をまとめました。特産品を製造する企業の八百津への誇りや独創性などが、企業として八百津を支えることになっていると言及しました。
4班① 八百津と自然の関わり
八百津町の豊かな自然を地域活性化に活かすためにはどうすればよいのか、八百津町の歴史と取り組みから考察しました。かつては林業を中心に栄えていた八百津町。建築資材の輸入が進むことで林業が衰退し、人口が減少してしまいました。このことから、まずは日本の木材を使った建築の魅力を広めることの重要性を訴えました。他にもSNSを用いた情報発信や川を活かしたイベントの企画も提案しました。
4班② 杉原千畝出生地 八百津
テーマは八百津町が誇る偉人、杉原千畝氏。第二次世界大戦時に多くのビザを発給し、ユダヤ人たちの命を救った八百津町出身の外交官です。インタビューや新聞資料をもとに、杉原氏にちなんだ記念館やイベント、人道教育について調査。杉原氏の思いを受け継ぐ人道教育が子どもたちの心の成長に良い影響を与えることで、将来的に過ごしやすい環境が生まれ、地域活性につながるのではないかと結論づけました。
前島ゼミでは3年生に引き続き、2年生17名が八百津町の活性化について研究しました。合宿では現地の人にインタビューすることで、文献調査からでは知ることができない人々の思いや地域のつながりなどを感じることができました。調査や作業量が膨大で大変なこともありましたが、ゼミ生同士で鼓舞しながら報告会までやり遂げることができました。この経験が自分たちの自信にもつながったと感じています。来年は八百津祭りにも参加し、より研究を深めていきたいと思います。
前島ゼミ 合宿の様子
林ゼミ研究・発表
七宗町の観光プランニング
林ゼミはまちの方へのインタビューや合宿での体験をもとに、七宗町の魅力と課題を考察した上で、七宗町の観光ツアーをプランニングしました。提案したプランは、自然を神様として崇める七宗町の文化風習にちなんだ自然体験ツアーと、農家民泊で参加者がいろりを囲んで地元の食材を堪能するグルメツアーの2つ。最後には、3年生が作成した七宗町のプロモーションビデオも上映しました。ゲストとしてお招きした七宗町の岩田副町長は「さまざまな提案をいただき、ありがとうございます。学生の皆さんならではの新しい意見も取り入れて、これからも“楽しいまち”をめざして邁進していきたいと思います」と学生たちのアイデアに対して好意的な意見をいただきました。
林ゼミ 学生のコメント
2年の幹事学生6名が中心となり、どうすれば七宗町のまちを活性化につなげることができるのか研究を深めてきました。実際に現地に訪れて、まちの人たちの意見を聞くことで、七宗町のさまざまな魅力を発見することができました。また、まちの方々からは七宗町に対する思いの強さを感じ、その思いに応えていきたいという気持ちも芽生えました。今回の発表で終わるのではなく、これからも継続的に七宗町の観光プロジェクトに関わっていけたらと思います。