追究

2020年02月14日

福祉貢献学科 社会福祉専攻 2019年度実習報告会

福祉貢献学科 社会福祉専攻 2019年度実習報告会

2019年12月21日(土) 長久手キャンパス

学外実習の成果を仲間と共有し、ソーシャルワーカーの専門性を磨き合いました。

 ソーシャルワーカーの国家資格である社会福祉士をめざす福祉貢献学科 社会福祉専攻の学生は、3年次に「相談援助実習」として学外実習に取り組みます。障がい者、障がい児、子ども家庭、母子、高齢者、医療の6分野から希望の分野を選択し、24日間、社会福祉の現場で実践を積み重ねます。その実習を振り返り、貴重な学びを仲間と共有する場として、実習報告会を毎年開催。2019年度は12月21日(土)におこなわれ、分野ごとの7教室が会場となりました。実習にご協力くださった施設の方々もお招きし、ご意見もいただきながら、学生たちは実習で得たこと、考察したことなどを発表。これまで学んできた理論と、実習先での実践を結びつけて、よりよい支援のあり方を共に追究していました。

福祉貢献学科 社会福祉専攻 2019年度実習報告会

福祉貢献学科 社会福祉専攻 2019年度実習報告会

福祉貢献学科 社会福祉専攻 2019年度実習報告会

福祉貢献学科 社会福祉専攻 2019年度実習報告会

福祉貢献学科 社会福祉専攻 2019年度実習報告会

福祉貢献学科 社会福祉専攻 2019年度実習報告会

福祉貢献学科 社会福祉専攻 2019年度実習報告会

福祉貢献学科 社会福祉専攻 2019年度実習報告会

《各分野の報告概要》

障がい者・医療分野(指導教員:末田先生)

 身体・知的の重度障がいのある方々が利用する生活介護事業所で実習した学生は、「ストレングス(本人の強みとなる能力や意欲など)を伸ばす支援」「利用者の感情との向き合い方」について発表。実習先での事例を挙げながら、一人ひとりの性格や特性に寄り添い、時には見守ることも支援の一つだと学びました。また、医療ソーシャルワーカーをめざす学生は医療機関で実習。患者さんへの退院支援や経済的問題の解決など、医療福祉の現場での学びを報告しました。

障がい者分野(指導教員:西本先生)

 「利用者の尊厳を重視した支援」と題して、障がい者支援施設や障がい者就労支援センターなどでの実習報告をおこなった学生たち。本人の本当のニーズを汲み取るための「利用者理解」、利用者が主体的に考え行動できる「意思決定支援」について、実習中の利用者の方々とのかかわりを振り返って考察しました。また、利用者一人ひとりの強みに合わせた就労支援や地域社会との結びつきにも着目。その人らしい生活を実現するために多面的視点で利用者の方々と向き合うことが、個々の尊厳を大切にする支援につながると結論づけました。

障がい児分野(指導教員:小野先生)

 児童発達支援センターや放課後デイサービスで実習した学生は、「支援における大切な5つの視点」をテーマに実習での学びを報告しました。障がい児支援において重要だと感じた「子どもたちのさまざまな感情や主張を受け止めること」「子どもに寄り添い支援を工夫すること」「その子の強みを活かすこと」「将来を見据えた支援」「家族への支援」の5項目について説明。多様な特性や個性のある子どもたちとの交流から、本人の自己決定を尊重し、一人ひとりの成長や可能性を広げたいと語りました。

子ども家庭分野(指導教員:谷口先生)

 「家庭における“育児”と施設における“支援”」をテーマに、児童養護施設や児童心理治療施設での実習で学んだこと・考察したことについて発表しました。虐待等による過去からの影響への支援とともに、子どもの現在、将来を支える支援者の支援作りの共通点(「生活の基盤づくり・自主性の育成」「居場所づくり」「社会性の獲得」など)について考察しました。この上で、支援者には個々の子どもに合わせた臨機応変な支援づくり、子どもと成長する姿勢が重要であるとまとめました。

母子分野(指導教員:佐々木先生)

 実習先である母子生活支援施設の役割、おこなわれている支援、課題などを報告。その上で、学生が実習中に特に関心を持った「アフターケア」について現状と改善案を発表しました。母子生活支援施設を利用する多くの母子は、夫・父からの深刻なDVや虐待の被害者。近年は外国籍の方々も増えています。自立の目途が立ち施設を出た後も、個別相談や関係各所との連携などが大切であり、そのアフターケアをきめ細かくおこなうためには専門職が必要だと学生たちは考察を深めました。

高齢者分野(指導教員:黒川先生)

 特別養護老人ホームやデイサービスセンターで実習した学生は、「利用者主体の支援」「地域に開かれた施設が果たす役割」「生活相談員の役割」について発表しました。その内容をふまえ、支援者側の一方的な言動が利用者の方々にとって「支配」にならないよう、何が必要かをディスカッション。「生活の安全や健康管理などの理由から利用者のニーズに応えられない場合は、本人が納得できるよう根拠のある説明をする」など、利用者の立場になってコミュニケーションすることの大切さを語り合いました。

高齢者分野(指導教員:火口先生)

 「ソーシャルワーカーは何でも屋さん!?」「クライエントの目線で物事を考えられるソーシャルワーカー」という2つのテーマで実習報告に取り組みました。学生たちの実習先は介護老人福祉施設や高齢者福祉施設、地域包括支援センターなど。そこでおこなわれているさまざまな業務を説明しながら、ソーシャルワーカーの存在意義や求められることについて語りました。傾聴・受容の姿勢で相手の思いや背景を受け止めることなど、利用者・家族のよりよい生活を支えるために常に意識したいことを再確認していました。