追究

2020年09月28日

あいち国際女性映画祭2020 韓国映画「ハラボジの家」上映会

あいち国際女性映画祭2020 韓国映画「ハラボジの家」上映会

2020年9月6日(日) ウィルあいち

韓国・朝鮮語の翻訳の授業を履修する学生が、
日頃の学びを活かして韓国映画の字幕翻訳に挑戦。
翻訳した映画が愛知県内の映画祭で上映されました。

 あいち国際女性映画祭は、世界各国・地域の女性監督による作品や女性を取り巻く社会問題を扱った作品などを集めた、国内唯一の国際女性映画祭です。25回目となる今年は、9月3日(木)~9月6日(日)に開催され、国内外の映画30作品が上映されました。そのうち日本初公開となる韓国映画「ハラボジの家」の字幕翻訳を、三重野聖愛先生の監修のもと本学の学生と卒業生が手掛けました。
 プロの翻訳・通訳者として活躍している三重野先生は、本学では言語活用科目「韓国・朝鮮語映像翻訳」や交流文化学科専門科目「韓国・朝鮮語翻訳」などの授業を担当。これらの授業を通して、学生たちは韓国・朝鮮語の語学力を磨くとともに、字幕翻訳のプロが使用する字幕制作ソフトを使用し、実践を通して映像翻訳のルールや手法を学んでいます。また、授業を受けた学生を中心に有志が集まり、先生と共に映画祭での通訳やアニメーション映画の翻訳などにも取り組んできました。今回「ハラボジの家」の翻訳では三重野先生の授業を履修する学生25名と、卒業生4名が参加。授業で学んできた翻訳の知識やスキルを活かして映画翻訳に取り組みました。
 今年7月、学生たちは三重野先生の指導のもと、上映時間105分という長編の「ハラボジの家」をシーンごとに分担し、約1か月間で翻訳。コロナ禍のため、オンラインで各自翻訳した原稿を三重野先生に添削してもらい、作業を進めていきました。字幕翻訳には1秒間あたりの文字数制限など決められたルールがあります。学生たちはルールの中で、字幕の見やすさやわかりやすさを追究し、いかに観客に伝わる表現ができるかを熟考。ひらがなや漢字のバランス、改行やスペースなど細かな表記にも気を配り、さらに他の学生の翻訳との文体・口調の統一にも配慮しました。

あいち国際女性映画祭2020 韓国映画「ハラボジの家」上映会

あいち国際女性映画祭2020 韓国映画「ハラボジの家」上映会

 こうして学生たちが協力して翻訳した「ハラボジの家」は、あいち国際女性映画祭2020の会期中に2回上映されました。9月4日(金)ミッドランドスクエア シネマの上映ではチケットが完売となり、9月6日(日)ウィルあいちでの上映にも多くの人々が訪れました。9月6日(日)は交流文化学部のチョ スルソップ教授と三重野先生、翻訳に参加した学生・卒業生が会場へ足を運び、観客の皆さまと一緒に完成した字幕映画を鑑賞。学生たちは緊張しつつ、自分たちが翻訳した字幕に対する観客の反応や会場の空気を感じ取っていました。コミカルなシーンでは笑いが起こり、シリアスなシーンでは緊張感が漂うなど、映画を楽しんでいる観客の皆さまの様子に学生たちは確かな手応えを感じたようでした。
 学生たちは映画祭で上映する映画作品の翻訳を通して、映画を観る人々の気持ちに寄り添うプロの翻訳家の視点や責任感を学ぶことができました。本学では今後も、学内外のさまざまな取り組みを通して、語学力を磨く学生たちをサポートしていきます。

学生コメント

あいち国際女性映画祭2020 韓国映画「ハラボジの家」上映会

交流文化学部 交流文化学科 3年 綾村 凪紗さん

 「ハラボジの家」は映画館でも上映され、多くの方々に観ていただけるということから、翻訳にあたって大きな責任を感じていました。このように無事に公開を迎えることができ、観客の皆さまに映画を楽しんでいただくことができて嬉しく思います。会場で三重野先生の指導のもと29名のメンバーで共に翻訳した字幕が、実際にスクリーンに映し出されるのを見たときにはとても感動しました。学生のうちに映画館で上映されるような映画作品を翻訳できるということはとても貴重な体験です。今後もこのような翻訳の機会があれば、ぜひ参加して韓国・朝鮮語のスキルを伸ばしていけたらと思います。