追究

2020年10月02日

「増田信吾+大坪克亘 展 それは本当に必要か。」愛知巡回展・講演会

「増田信吾+大坪克亘 展 それは本当に必要か。」愛知巡回展・講演会

巡回展:2020年9月12日(土)~9月21日(月) 長久手キャンパス8号棟5階プレゼンテーションルーム
講演会:2020年9月12日(土)長久手キャンパス8号棟824教室

建築・インテリアデザイン専攻の学生が、
建築家の展覧会会場を設計・施工。
会場づくりを通して、空間デザインを体験的に学びました。

 本学では、2000年から毎年TOTOギャラリー・間(東京)で開催された展覧会を愛知巡回展として学内に招致しています。展覧会会場の設計・施工、展覧会の運営を担うのは、創造表現学部 創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻の「デザインワークショップ」の授業を履修する3年生です。今年度手掛けたのは「増田信吾+大坪克亘 展 それは本当に必要か。」の愛知巡回展会場。生活や環境を見つめ、本当に設計するべきものを考える増田氏と大坪氏のコンセプトに沿った、オリジナルの会場をつくり上げました。長久手キャンパスに完成した会場で、展覧会は9月12日(土)~9月21日(月)に渡って開催されました。

「増田信吾+大坪克亘 展 それは本当に必要か。」愛知巡回展・講演会

「増田信吾+大坪克亘 展 それは本当に必要か。」愛知巡回展・講演会

「増田信吾+大坪克亘 展 それは本当に必要か。」愛知巡回展・講演会

「増田信吾+大坪克亘 展 それは本当に必要か。」愛知巡回展・講演会

 今年度は24名の学生が授業に参加し、4月から約5カ月間かけて準備を進めてきました。まずは作家研究からスタート。増田氏と大坪氏の建築を調べ、建築にこめられた思いを読み解いていきました。その上で、4、5人のグループに分かれてアイデアを出し合い、会場案を担当教員に提案。アドバイスを参考に、プランを何度も練り直していきました。最終的に採用されたのは、本当に必要なものだけを見極めてつくる、無駄のないシンプルな会場案。既存の壁や中庭を利用し、新たな壁はつくらず天井から紙やカーテンを吊り下げて空間を仕切りました。さらにその骨格となる案に加えて、他のグループのアイデアも随所に取り入れていきました。施工では、16名が協力し合いながら、展覧会の開催前日まで試行錯誤を重ね、会場を完成させました。また、コロナ禍の開催となった今年は、展覧会を遠隔でも楽しんでいただけるように3DVR展示も開催しました。

「増田信吾+大坪克亘 展 それは本当に必要か。」愛知巡回展・講演会

「増田信吾+大坪克亘 展 それは本当に必要か。」愛知巡回展・講演会

「増田信吾+大坪克亘 展 それは本当に必要か。」愛知巡回展・講演会

「増田信吾+大坪克亘 展 それは本当に必要か。」愛知巡回展・講演会

 9月12日(土)、展覧会初日には増田氏をお招きし、学生たちが自ら会場を案内しました。増田氏は「ワンフロアの中に、展示構成が上手くまとまっていて完成度が高いと思いました。観覧者が会場内を自由にめぐることができる動線も良いですね。」と評価しました。

「増田信吾+大坪克亘 展 それは本当に必要か。」愛知巡回展・講演会

「増田信吾+大坪克亘 展 それは本当に必要か。」愛知巡回展・講演会

「増田信吾+大坪克亘 展 それは本当に必要か。」愛知巡回展・講演会

「増田信吾+大坪克亘 展 それは本当に必要か。」愛知巡回展・講演会

 この日は学内で増田氏の講演会も開催され、展覧会に関わった学生と教員約20名が参加。学外からも講演会をご覧いただけるようオンラインで同時中継もおこないました。講演では、「本当に必要なものは何か」を考え続けてきた増田氏が、どのような思考で建築に向き合ってきたのか、それぞれの作品ごとに語りました。そして講演終了後の質疑応答では、学生たちが人口減少やデジタル化が進む現代の建築の在り方などについて、増田氏に積極的に質問を投げかけました。

「増田信吾+大坪克亘 展 それは本当に必要か。」愛知巡回展・講演会

「増田信吾+大坪克亘 展 それは本当に必要か。」愛知巡回展・講演会

「増田信吾+大坪克亘 展 それは本当に必要か。」愛知巡回展・講演会

「増田信吾+大坪克亘 展 それは本当に必要か。」愛知巡回展・講演会

 学生たちは一連の経験を通して、プロの建築家の思考を深く学ぶとともに、設計や施工に必要な技術を身につけることができました。会場づくりを通して学んだ考え方や技術を、卒業制作や卒業研究に活かし、より学びを深めていくことでしょう。

学生コメント

「増田信吾+大坪克亘 展 それは本当に必要か。」愛知巡回展・講演会

創造表現学部 創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻 3年
浅野 真希穂さん、岡田 直也さん、若林 優果さん、渡邉 怜子さん

 作業を進めるにあたり、設計、施工、什器、広報・会場VRの役割ごとに班分けをしました。しかし今年は設営に来られる人数が少なくて人手が足りず、全員で協力し合いながら取り組む形となり、結果的に一人ひとりがいろんな仕事ができるようになったと思います。実際に設営してみると、図面通りにいかないことも多く、そのたびに何度も試行錯誤を重ねました。細部に至るまで徹底的にこだわり抜き、開催直前まで調整を続け、自分たちでも納得のいく会場を完成させることができました。実は会場を囲う柱やカーテン、そして展示の一部となっているビニール製のカバンも自分たちで手づくりしたものです。来場された方には、展覧会を楽しんでいただくとともに、私たちの熱意も伝われば嬉しく思います。