追究

2020年12月07日

ジェンダー・女性学研究所主催 第39回定例セミナー 「男コピーライター、育休をとる。~ポスト育休の日々~」

ジェンダー・女性学研究所主催 第39回定例セミナー 「男コピーライター、育休をとる。~ポスト育休の日々~」

2020年10月28日(水) 長久手キャンパス ミニシアター

男性の育児休業の取得や、仕事と子育ての両立について
体験をもとに語っていただきました。

 10月28日(水)、本学のジェンダー・女性学研究所が第39回定例セミナーを開催しました。株式会社電通のコピーライター 魚返洋平氏を講師にお招きし、「男コピーライター、育休をとる。~ポスト育休の日々~」を演題に、オンライン中継でご講演いただきました。

ジェンダー・女性学研究所主催 第39回定例セミナー 「男コピーライター、育休をとる。~ポスト育休の日々~」

ジェンダー・女性学研究所主催 第39回定例セミナー 「男コピーライター、育休をとる。~ポスト育休の日々~」

 魚返氏は入社後、コピーライターとしてさまざまな団体や企業の仕事に携わってきました。2017年に長女が誕生し、約半年間の育児休業を取得。講演ではその育児休業取得前後や育児休業中の体験についてお話しいただきました。また、今回のセミナーでは新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2通りの参加方法を用意。一つはMicrosoft Teamsを使用したオンラインでの視聴、二つ目は大学のサテライト会場(長久手キャンパス ミニシアター)での視聴です。これにより当日はオンライン上で70名ほど、サテライト会場には20名ほどの教職員と学生が集まりました。

 自身の視野を広げることなどを理由に、パートナーの妊娠が分かった直後に育児休業の取得を決意した魚返氏。育児休業取得の約半年前から上司に相談し、育児休業に関する法律や社内の就労規則について調べた後、案件ごとにクライアントへの説明や後任への引継ぎを進めました。その後育児休業を取得し、仕事とは距離を置いて家庭に専念。産前・産後休業と育児休業を取得したパートナーとともに、夫婦で子育てや家事に取り組みました。魚返氏は当時の体験を振り返り、生まれて間もない小さな命を守るために24時間絶え間なく続く子育ての現実など、育児のイメージとのギャップや大変さについて語られました。また、夫婦で協力することのメリットとして、子どもの些細な表情や仕草、成長など幸せを感じる瞬間に2人で立ち会えること、保育園探しを2人で効率的におこなえることなどを挙げ、一連の育児休業期間の経験を通して、夫婦で何年先も語り合えるような共通の記憶ができたことは大きいと語る魚返氏。「出産すること、母乳を与えることなど生物学的なこと以外は、性差による向き不向きなどないと感じました。育児休業は家族の幸福を追求するための“手段”。だからこそ男女関係なく誰もが簡単にアクセスできるべきだと思います」と子育てや育児休業に対する自身の考えを述べられました。

ジェンダー・女性学研究所主催 第39回定例セミナー 「男コピーライター、育休をとる。~ポスト育休の日々~」

ジェンダー・女性学研究所主催 第39回定例セミナー 「男コピーライター、育休をとる。~ポスト育休の日々~」

 さらに復職後も仕事量や労働時間を調整し、時短勤務のパートナーと育児や家事を分担している魚返氏。子どもの病気などで急な予定変更を余儀なくされることも多く、子育てと仕事のバランスをとることの難しさについて「育児休業が入門だとしたら、子育ての時間的な制約の中で働くことは実践・応用。育児休業の取得と復職後の働きやすさを保障する制度はセットで推進されるべきだと思います」と復職後のフォローの大切さも語られました。また、子育てを通して発想の幅が広がったことや、地域社会とのつながりが深まったことなど自身の変化についても触れられました。
 子育てにおける夫婦の協力や家庭と仕事の両立など、体験者から話を伺うことができた今回の講演会。学生たちにとって、将来の働き方や生き方を考える一助となったことでしょう。ジェンダー・女性学研究所ではこれからも学生たちの価値観や関心を広げるさまざまな機会を企画・実施していきます。