追究

2021年04月20日

大塚ゼミの3年生2チームが、全国95チームの大学生と競うプレゼンテーション大会で特別賞を受賞。

大塚ゼミの3年生2チームが、全国95チームの大学生と競うプレゼンテーション大会で特別賞を受賞。

ビジネス学部 大塚ゼミ
ビジネス学部 ビジネス学科 3年(2020年度)
寺畑 光さん、寺村 花音さん

全国の大学生が研究の成果を競い合う、
プレゼンテーション大会に参加。

 私たち大塚ゼミの3年生は、全国の大学生が自ら定めた研究テーマに基づくプレゼンテーションをおこない、その良し悪しを競うインター大会に、毎年、出場していました。けれど今年は、コロナウイルス拡大防止の観点から、大会が中止に。しかし、この大会の今年度のホスト役であった、日本大学商学部さんが中心となって、オンライン上でおこなうプレゼンテーション大会が企画され、開催されることになりました。私たちは迷わず、参加を決意。2020年10月25日におこなわれた予選に向けて、約半年ほど前から準備を進めていきました。

大塚ゼミの3年生2チームが、全国95チームの大学生と競うプレゼンテーション大会で特別賞を受賞。

可能な限り調査を掘り下げ、
より具体的で詳細な研究結果を追求。

 男子4人で構成されたチームぶどう畑は、「日清食品以外のカップ麺ブランドが生き残るためにはどうするべきか」というお題を設定しました。このテーマに行き着くまでに、とても苦労したのですが、ある日コンビニでカップ麺を目にしたとき、「これをテーマに研究ができるのではないか」とひらめきました。自分たちに身近なものだからこそ、興味を抱きやすく、研究に没頭できると考えたのです。カップ麺市場の現状を調べていくうちに、一部の企業が利益を独占していることがわかり、それ以外の企業に目を向け、その企業がどのような戦略を打ち出せばよいか、研究・発表しました。
 一般的には資料も多く、調べやすいという点において、大手企業を研究対象にするのがセオリー。けれど、私たちのチームはあえて「大手以外」に目を向けることで、今までにない研究ができないかと考えました。アンケートと統計分析の結果から、ターゲットとすべき消費者層を導き出し、さらにそのターゲットに対してどのような内容を訴求すべきかを明らかにしました。ターゲットとすべき消費者層を導き出すためには、アンケートの回答者をマーケット理論の一つである「アサエルの購買行動類型」に当てはめて4分割し、さらに、4分類した一つの層をピックアップしてさらに細かく分析して、より詳細な消費者像を浮き彫りにしました。

 また、アンケート調査でも繰り返し同じ内容のアンケートを複数回収集することで、回答の正確性を高めようとしました。このように、ベーシックな調査から一歩踏み込んで、自分たちのオリジナリティを加えて内容を深めていったところが、私たちの研究のポイント。求めるデータが得られるまで、何十回も条件を変えて分析を粘り強く繰り返したことも実を結び、審査員から一定の評価をいただくことができました。

大塚ゼミの3年生2チームが、全国95チームの大学生と競うプレゼンテーション大会で特別賞を受賞。

地に足の着いた研究をめざし、
ヒアリングを通じてリアルな声を集め続けた。

 女子5人で構成されたチームかにこべは、今、ブームが巻き起こりつつある「昆虫食」に着目し、「昆虫食が日本で受け入れられる未来は来るのか」というタイトルで研究をおこないました。私たちが用意した答えは、「YES」。昆虫食の原料を飼育する生産者、昆虫食をつくる加工業者、そして消費者の3者にヒアリングやアンケートを実施し、「昆虫食が日本で受け入れられる未来が来る」と発表しました。

大塚ゼミの3年生2チームが、全国95チームの大学生と競うプレゼンテーション大会で特別賞を受賞。

 企業や昆虫食を研究している大学など、20ほどの団体にヒアリングをおこなった結果、昆虫食が製造開発される環境や条件は十分整っていることが明らかに。それではなぜ、未だに昆虫食が一般化されていないのか。それは、消費者心理にあると、私たちは仮説を立てました。そのうえで、まずはコアなファン層を確実に取り込むべきだと主張。そのためには、商品パッケージを工夫する必要があると考え、実際にどのようなパッケージが消費者の購買意欲を刺激するかを導き出していきました。
 こだわったのは、情報に信ぴょう性を持たせること。たとえば「企業が昆虫食に目を付けた理由」をプレゼンテーションで発表しようとしたときも、実際に企業にヒアリングをして当事者の声を集め、その情報を伝えるようにしました。企業へのヒアリングは、電話かウェブ会議サービスを用いて実施しました。大手企業の昆虫食開発に協力した企業からもお話を聞く機会もあり、しっかり準備をし、相手の回答に真摯に受け答えをして、たくさんの情報を教えていただくことができました。過去の文献やネットの情報だけではなく、人と人とがつながり合うことで得られる情報を、地道に集めていったことで説得力が増し、特別賞受賞につながったのではないかと自負しています。

身についたのは、臨機応変に最善を尽くす力、
自立して責務を全うする力、人の縁を育む力。

 今回のプレゼンテーション大会では、今までのゼミ活動の経験のすべてが活きたといっても過言ではありません。論理的に主張をくみ上げていく力も、ご協力いただく企業へのメールの作法もありとあらゆることが、自分のものになっていると感じました。
 特に「あるアイデアがダメでも、すぐに切り替えて、次の手を考える力」は、今回も役立ちました。今までたくさんの企画立案をおこなってきましたが、最初に思いついたアイデアがそのままストレートに形になることはまずありません。先生のアドバイスや協力企業の都合、グループ内で意見がまとまらないなど、さまざまな要素が絡み合い、場合によっては、研究の方向性を大きく変える必要に迫られるシーンも何度もありました。最初のアイデアに必要以上に固執することなく、前向きに次の提案を考えられたことは、今までのゼミ活動のたまものだと思います。
 また、今回はコロナウイルス感染拡大の影響でリモートワークが多く、一人ひとりがそれぞれ異なる仕事を受け持ち、準備を進めていきました。2年生の頃は経験不足ということもあって「みんなでやらないと不安」だったのが、今回のプロジェクトでは一人ひとりが自立して、互いに仕事を託せるように。その分、責任も感じますが、責任を持って自分の仕事をまっとうする姿勢は、社会人になってからも求められると思います。もちろん、自分一人きりで自分の仕事をやりきるためには、実力も必要でしょう。今回のプロジェクトを自立して取り組めたことは、自分たちの成長を実感することにつながりました。

大塚ゼミの3年生2チームが、全国95チームの大学生と競うプレゼンテーション大会で特別賞を受賞。

 さらに今回のプレゼンテーション大会は、所属する学部やお題のテーマが限定されておらず、すべての大学生に門戸が開かれていたので、私たちが普段学んでいるビジネス以外のプレゼンテーションを聞くこともできました。加えて、審査員には教授と企業の方がいらっしゃったので、両者の視点の違いも大いに勉強になりました。また、調査にご協力いただいた企業様とは、今でも交流が続いている方もいて、「人の縁を紡ぎ、育てていく力」も社会では役立つのではないかと感じています。このように多くの学びが得られたことに感謝をしつつ、獲得した力を最大限発揮して、最終学年を充実したものにしていきたいと思います。