2021年2月28日（日） 西山商店街（名東区）

ナゴヤ商店街オープン2020

　「ナゴヤ商店街オープン」は、名古屋市が主催する空き店舗再生プロジェクト。市内各所にある商店街エリアの活性化をめざし、地域の人や建築家、デザイナー、新たに事業を始めようとしている人たちがアイデア創出から実現までに取り組みます。このプロジェクトに、本学の有志学生も参加。新大門商店街（中村区）と西山商店街（名東区）の空き店舗を対象に事業プランを作成しました。その成果報告と事業プランにちなんだイベントが、2月28日（日）にそれぞれの商店街で開催されました。今回は、西山商店街のイベントをレポートします。

多様性をテーマにした本屋をつくるプランを発表。
プランにちなんだイベントも開催し、
本を通して地域住民とのつながりを築きました。

　地下鉄星ヶ丘駅より徒歩15分ほどの場所に位置する西山商店街。この商店街の空き店舗再生のアドバイザーを担当したのは、本学の卒業生・植村康平さんです。2008年に現代社会学部 現代社会学科 都市環境デザインコース^※卒業後、一級建築士として活躍しています。植村さんは2018年度のナゴヤ商店街オープンに参加し、西山商店街で複合施設「ニシヤマナガヤ」を設計。施設内に自身の設計事務所を構え、西山商店街の方とともに商店街の活性化にも取り組んでいます。今回は植村さんのアドバイスのもと、参加者たちが約3カ月かけて西山商店街内の旧コミュニティスペースを使った事業プランを作成。本学からは創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻の有志学生3名が参加しました。

　学生たちは植村さんや他の参加者たちと、11月頃から活動をスタート。西山商店街周辺を歩き、まちの課題や特徴を分析。その上で、空き店舗の活用方法についてアイデアを出し合い、プランを練っていきました。こうしてできあがった案が、『「多様性」をテーマにした本屋とカフェ＋α。BOOKS＆Cafe＆Charity』全国でも有数のマンモス学区である西山で、子どもたちに多様性の大切さを伝える本屋を考案しました。翻訳絵本、翻訳書、海外ガイドブック、多様性をテーマにした絵本、小説などを販売。地域住民から本の寄付を募り、本を通してまちと人をつなげる仕組みも取り入れました。また、カフェや物販、交流イベントが開催できるフリースペースも併設。学生たちは日ごろの学びを活かして、設計プランの提案や図面の作成、広報活動にも携わり、積極的に活動に取り組みました。

　2月28日（日）には、対象となる西山商店街の空き店舗で「1DAY Charity Book Shop」を開催。寄付を募って集めた本を、出品者の思いや感想をまとめたポップを添えて販売しました。訪れた方々は思いのこもった1冊をじっくりと選び、購入していました。この売上はすべて「子ども読書活動推進事業」に寄付されます。さらにイベント内では、成果報告として事業プランをまとめたパネルや映像も展示。学生は自分たちが作成したパネルを使って、提案のコンセプトや魅力をわかりやすく説明しました。
　建築士として活躍する先輩やさまざまな立場の方とともに、実際の商店街を舞台に、まちづくりについて学ぶことができた今回のプロジェクト。学生たちはこの経験を糧に、今後も建築やまちづくりについて研究を深めていきます。

※現・創造表現学部 創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻

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