追究

2021年04月27日

新大門商店街 お店つくります報告展

新大門商店街 お店つくります報告展

2021年2月28日(日) 新大門商店街(中村区)

ナゴヤ商店街オープン2020

 「ナゴヤ商店街オープン」は、名古屋市が主催する空き店舗再生プロジェクト。市内各所にある商店街エリアの活性化をめざし、地域の人や建築家、デザイナー、新たに事業を始めようとしている人たちがアイデア創出から実現までに取り組みます。このプロジェクトに、本学の有志学生も参加。新大門商店街(中村区)と西山商店街(名東区)の空き店舗を対象に事業プランを作成しました。その成果報告と事業プランにちなんだイベントが、2月28日(日)にそれぞれの商店街で開催されました。今回は、新大門商店街のイベントをレポートします。

プロジェクトの成果を伝える報告展を開催。
商店街やまちの魅力に触れるツアー企画も実施しました。

 名古屋駅から約1㎞の場所に位置する新大門商店街。周辺には遊郭建築や昔ながらの商店、飲食店が残っている一方、マンションの建設も進み住民が増加しています。この商店街の空き店舗再生のアドバイザーを務めたのは、本学の卒業生・宮本久美子さん。2006年に現代社会学部 現代社会学科 都市環境デザインコース※卒業後、一級建築士として活躍しています。2018年度のナゴヤ商店街オープンに参加した宮本さんは、笠寺観音商店街でシェアキッチン「かさでらのまち食堂」の設計兼食堂責任者を務め、その後も笠寺を拠点とした事業の立上げなどにかかわってきました。今回はその知見をもとに、12名の参加者と新大門商店街の空き店舗再生に取り組みました。

新大門商店街 お店つくります報告展

新大門商店街 お店つくります報告展

 このプロジェクトに、本学からは創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻と交流文化学科の有志学生3名が参加しました。学生たちはさまざまな職業や年齢の参加者とともにフィールドワークやアイデア出しをおこない、事業プランを作成。交流文化学科の学生は観光の視点から他の参加者と意見を交わし、建築・インテリアデザイン専攻の学生は、対象空き店舗周辺の模型づくりにも取り組むなど、それぞれの学びを活かしてチームに協力しました。
 新大門商店街のチームは「大門ダイブプロジェクト」と題し、飲食店兼住居、ツアー、宿泊の3つの事業を企画しました。飲食店では事業者の意見を参考にしながら、宴席を設けた和食料理店を構想。2階部分に事業者が住みながらまちにかかわることで、店舗兼住居を構える人を増やし、商店街の活性化をねらいます。ツアーでは地域住民と商店街のつながりをつくるため、商店街周辺スポットを巡るツアーや、商店街のお店での体験ツアーを企画。宿泊では、観光客が非日常空間を味わうことができる宿泊施設の立ち上げに向けて、敷地周辺のリサーチを計画しました。

新大門商店街 お店つくります報告展

新大門商店街 お店つくります報告展

新大門商店街 お店つくります報告展

新大門商店街 お店つくります報告展

新大門商店街 お店つくります報告展

新大門商店街 お店つくります報告展

 2月28日(日)には、約3カ月の成果を報告する「お店つくります報告展」を開催。対象となる空き店舗で事業のコンセプトなどをまとめたパネルを展示しました。また、考案したツアー事業にちなんだ「大門DIVE!探検ツアー」も実施しました。これは参加者がマップを手に、商店街周辺の歴史あるまち並みを散策。ヒントをもとに指定された4つのスポットを撮影すると、オリジナル缶バッジがプレゼントされるという企画です。学生たちは笑顔で参加者の受付や案内をおこない、イベントの運営を手伝いました。
 大学での建築と観光の学びを活かして、商店街の空き店舗再生に取り組んだ学生たち。今後も事業のブランディングや立上げに向けた準備など、プロジェクトメンバーやまちの人とかかわりながら活動を続けていきます。

※現・創造表現学部 創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻

参加学生のコメント

新大門商店街 お店つくります報告展

創造表現学部 創造表現学科
建築・インテリアデザイン専攻 3年
大岩 菜津美さん、渡邉 怜子さん(2020年度)

交流文化学部 交流文化学科 3年 森 優太郎さん(2020年度)

 対象となる空き店舗は、複数の長屋形式の建築が密集し、重なり合う複雑な構造でした。模型づくりでは、その特徴を強く表現するために、地図をもとに屋根の寸法を一つずつ測り、現物に忠実に再現しました。 プロジェクト全体を通して、実際にリノベーションを実現するためにはどうすればよいか、どのようなものが必要なのか、具体的なところまで検討できたことは良い経験になりました。これまで知らなかったまちの魅力や、社会人の方の視点に触れ、視野も広がったと思います。この経験を今後の卒業プロジェクトにも活かしていきたいと考えています。(大岩さん、渡邉さん)

 事業主として、対象敷地でゲストハウスを開業することを検討しました。名古屋はリニア開通後に多くの外国人観光客が来ることが予想されます。新大門商店街は名古屋駅から歩いて約15分。利便性があり、日本の文化が感じられるこのまちで、商店街に泊まるという体験は、観光客にとって大きな魅力となると思います。今回は新型コロナウイルスの感染拡大や金銭面から立ち上げを見送りましたが、将来的にはここで宿泊事業ができればと考えています。今後はツアー事業に協力しつつ、宿泊事業の立上げを見据えて対象敷地周辺のリサーチに取り組みます。(森さん)