追究

2021年09月13日

ビジネス学部 中小企業を学ぶ パネルディスカッション

ビジネス学部 中小企業を学ぶ パネルディスカッション

2021年7月16日(金) 星が丘キャンパス 55A

中⼩企業の経営者と直接意⾒交換をおこない、
「⾃分にとって働くとは何か」を考え抜きました。

 中⼩企業の経営戦略や中⼩企業の担う役割を学び、学⽣⼀⼈ひとりが⾃らの働く意義について考えるビジネス学部の授業「中⼩企業を学ぶ」。愛知中⼩企業家同友会の協⼒を得て、同会の政策⽴案のまとめ役でもある事務局次⻑、また、同会に所属する4名の経営者の方々および従業員の⽅2組にご登壇いただき、ビジネス学部の浅井敬⼀朗先⽣が授業のコーディネーターとなり、それぞれの⽴場から中⼩企業について語っていただく、オムニバス形式の授業です。
 7⽉16⽇(⾦)におこなわれた授業では、4名の経営者と愛知中⼩企業家同友会の事務局次⻑によるパネルディスカッションを実施。浅井先⽣がファシリテーターを務め、学⽣からの「問題提起」にパネラーが回答するスタイルで、中⼩企業の在り⽅について意⾒交換がなされました。

ビジネス学部 中小企業を学ぶ パネルディスカッション

ビジネス学部 中小企業を学ぶ パネルディスカッション

 パネルディスカッションでは、まず初めに3年生の学生が、「自分が働きたいと思う企業は、“福利厚生“と”教育制度“が整っている企業だが、これらの点において、中⼩企業はどうしても⼤⼿企業に劣ってしまうように感じる」 と、問題提起。これに対して株式会社マイゾックスの溝⼝博⼰社長は「⼤⼿企業の教育制度は“⼀律”である場合が多いが、中⼩企業は“個々”にフィーチャーできるので、⼀⼈ひとりに最適な教育を提供することができる」と回答。福利厚⽣においても、柔軟に⾃分たちで作っていくことができると述べ、中⼩企業ならではのフレキシブルな環境を強調しました。

ビジネス学部 中小企業を学ぶ パネルディスカッション

ビジネス学部 中小企業を学ぶ パネルディスカッション

 次に4年⽣の学⽣が「商品知識がつきやすいか、また実態が⾒える会社であるか、この2点が会社選びの際に着目したいポイントだ」とコメント。パネラーの皆さんは、⼀堂に「知識を⾝につけられるかどうかは⾃分次第」と発言した後、株式会社トヨコンの明⽯耕作社⻑は、「世の中はどんどん変わっていくもの。社会に合わせて会社も変化するべきだし、社員⼀⼈ひとりも成⻑し続けて、社会の変化に対応していかなくてはならない」と、学び続ける⼤切さを訴えました。
 続いて2年⽣の学⽣が「経営においては、経営理念の浸透が重要だと思うが、そのための施策はどのようなものがあるか」と質問。愛知中⼩企業家同友会の池内秀樹事務局次⻑は、「中⼩企業は経営者と従業員の距離が近い分、経営者⾃⾝が経営理念を体現していくことで、従業員に経営理念を伝えている」と説明。そのうえで⽔野⼯業株式会社の⽔野清⾹社⻑は「経営理念は、何かを決定するときに指針となる“判断基準”。ただし、“幸せ”の概念が⼈によって違うように、従業員が変われば、目指す⽅向も変わっていいと思う。会社と従業員が互いに価値観をすり合わせながら 共に創っていくのが経営理念だ」と、会社の⽅向性を決めるのは、経営者も含め、社員⼀⼈ひとりであると力説しました。

ビジネス学部 中小企業を学ぶ パネルディスカッション

ビジネス学部 中小企業を学ぶ パネルディスカッション

 そして3年生の学⽣から「“やりがい”を得るために働くとよく聞くが、働き過ぎている⼈がよくいる。“⽣きるために働く”という考えに対して、どう感じるか︖」と質問。「命と暮らしを保つために働くというのは、最低限のこと。加えて、⼈間は社会の中でどう⽣きていくかを追究する⽣物であり、その表現の場として、“働く”という⾏為があるのではないか」とパネラーが語ったのち、重機商⼯株式会社の城所真男社⻑が「“働くこと”はあくまでも⼈⽣の⼀部。⼈間は⽣きるために栄養が必要だが、働くことも⼈間にとって栄養であり、⼈間には⼀⽣懸命働くことが⽋かせない」と⾃⾝の見解を述べました。
 さらに別の学⽣が「⾃分の熱量を仕事に捧げるために、“好きなこと”に従事したいが、そのような働き⽅が実現しなかった場合、どのようにやりがいを⾒出すものなのか」と質問。パネラーの皆さんは、「働いていると、次から次へと新しい“熱量”が⽣まれてくるもの。それを掴んでこそ、働くことが楽しくなるのではないか」と語り、これから社会に出て働く学⽣たちに、「働くことは楽しい」というメッセージを⾔葉の中に込めました。

ビジネス学部 中小企業を学ぶ パネルディスカッション

ビジネス学部 中小企業を学ぶ パネルディスカッション

 最後は、パネラー⼀⼈ひとりが、「学⽣時代を⼤切に、多くのことを学んでほしい」「⼈との関わりの中で⽣きている私たちなので、ぜひ、信頼を⼤切に積み⽴ててほしい」「⼈間は絶対に成⻑できるし、天職に巡り合える。だから、⼀⽣懸命、⾏動してほしい」「努⼒を努⼒と思わず努⼒できるようになってほしい」「⾃分の可能性を否定することなく、常に考えることをやめないでほしい」と語り、これからの未来を担う若者たちに期待を込めたエールを送りました。

 今回のパネルディスカッションでは、学⽣たちが自分の考えや疑問を経営者に直接伝え、経営者の「生の」⾔葉を受け取ることで、「働く意義」を考えるきっかけとなったことでしょう。

 「働くとは何か」の答えは、⼀⼈ひとり異なり、かつ、⼀⽣追究し続ける、⼈⽣の宿題です。ビジネス学部では、その問いと向き合う機会を数多く提供することで、学⽣たちが⾃ら納得できる⼈⽣を切り拓けるよう、全⼒でサポートしていきます。