追究

2021年09月22日

教志会「第7回総会・講演会・情報交換会」

教志会「第7回総会・講演会・情報交換会」

2021年8月7日(土) 星が丘キャンパス 2号館講堂、交流ラウンジEAST

現役の教員・教員をめざす学生・教員を養成する大学教授が一堂に会し、
子どもたちの未来について考える会が実施されました。

 愛知淑徳大学は、1975年の開学当初から教職課程を設置し、教員養成教育に力を注いできました。その確かな実績に基づき、教育に志す卒業生と在学生をつなぎ、互いに交流し合うことで未来を担う子どもたちへの支援をより良いものにしようと、2015年8月に「教育に志す者の会(略称:教志会)」が発足しました。教志会の運営は、教職課程委員会の進路・学生支援部会を中心に、役員、学生部会でおこなっており、定期的に研究会・講演会などを開催してきました。その1年間の活動の総括と位置付けられているのが、毎年8月におこなわれている「総会」です。昨年は新型コロナウイルス流行の影響で中止となりましたが、本年は8月7日(土)に星が丘キャンパスで実施され、卒業生・在学生・教職員が参加しました。

教志会「第7回総会・講演会・情報交換会」

教志会「第7回総会・講演会・情報交換会」

 学生部会のメンバーが司会を務めた総会では、榊原会長のあいさつの後、2021年度の役員を選出。さらに、1年間の活動実績と2021年度の活動計画が報告されました。

 総会終了後は、講演会を実施。講師に認定NPO法人プラス・エデュケートの森 顕子氏をお迎えし、さまざまなバックボーンを持つ子どもたちへの支援について考えを深めていきました。認定NPO法人プラス・エデュケートは、愛知県豊明市を拠点に外国にルーツを持つ子どもへの日本語指導、学習サポート、進路相談、オンラインでの学習機会の提供などをおこなっている団体です。代表の森氏はこれまで約1000人の子どもに携わり、一人ひとりの成長を支えてきました。講演会では、どうして外国にルーツを持つ子どもたちを支援するに至ったか、その経緯に触れた後、開校当時の子どもたちに語彙テストをおこなったところ、語彙年齢が実年齢よりもかけ離れて低かったこと、転入生のポルトガル人の通訳を任されていた日本生まれのポルトガル人の男の子が、あることがきっかけで「僕は、ポルトガル語がわからないんだ!」と泣き出してしまったことなど、さまざまなエピソードを交えながら、外国にルーツを持つ子どもたちは、実に多様な困難さを抱えていることを紹介しました。 そのうえで、教師はどのような存在であるべきか、森氏の考えを3つ提示。「教師は医師であれ」「教師は演出家であれ」「教師は“希望を語る先導者”であれ」という力強い言葉と共に、その言葉に込めた想いを伝えられました。

教志会「第7回総会・講演会・情報交換会」

教志会「第7回総会・講演会・情報交換会」

 さらに、森氏が実際に外国にルーツを持つ子どもたちから受けた質問の一部を紹介。「どうして体操服を着なくてはいけないのか」「大雨なのに学校に行かなくてはいけないのか」「なぜ日本人の子どもたちはみんなリコーダーが吹けるのか」。これらの文化や宗教の違いがもたらす子どもたちの戸惑いや疑問に真正面から答えることができるかどうか、教師としての力が試されていると森氏は訴えました。そして「教師は、子どもたちの教育を通じて、次世代に影響を与える存在」だとも伝え、ぜひ指導を通じて自身の生きざまを子どもたちに見せてあげてほしいとメッセージをいただきました。

教志会「第7回総会・講演会・情報交換会」

教志会「第7回総会・講演会・情報交換会」

 講演会終了後は、会場を交流ラウンジEASTに移し、情報交換会を実施。卒業生や学生、教員が同じテーブルを囲み、和やかな雰囲気で教育についての話に花を咲かせました。クラス運営と学校運営の両立、指導案の作り方、教員試験対策の方法など、話題も実にさまざま。教育をテーマに立場の違う者たちが互いに高め合う教志会ならではの光景が広がっていました。
 教志会では、引き続き、卒業生と在学生のつながりの強化につとめ、すべてのメンバーにとって有益な団体になれるよう、成長を続けていきます。