追究

2022年08月03日

文学部主催講演会「カヴァナ大使を迎えてーアイルランド文化と音楽ー」

文学部主催講演会「カヴァナ大使を迎えてーアイルランド文化と音楽ー」

2022年6月21日(火)長久手キャンパス 722教室

駐日アイルランド大使のポール・カヴァナ氏が語るアイルランドの歴史や文化。
学生たちは、デジタル経済で多様性に富んだアイルランドについての理解を深めました。

 本学の文学部は学問の根本である「人間探究」をテーマに、人間と社会への深い洞察力と広い視野に立った課題探究能力を習得し、実践力のある人間の育成を目指しています。多様で複雑な現代社会において、人間の生き方を知り、世界認識の方法を構築するために必要不可欠な学問です。
 2022年6月21日(火)、文学部講演会「カヴァナ大使を迎えてーアイルランド文化と音楽ー」が長久手キャンパスにて開催されました。講師は、駐日アイルランド大使のポール・カヴァナ氏。また、ゲストに本学名誉教授の大野光子先生や、フィドル・ヴィオラ奏者の小松大さん、元宝塚歌劇団員の奈加靖子さんを迎え、アイルランドの社会や歴史、文化などを学びました。

文学部主催講演会「カヴァナ大使を迎えてーアイルランド文化と音楽ー」

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文学部主催講演会「カヴァナ大使を迎えてーアイルランド文化と音楽ー」

文学部主催講演会「カヴァナ大使を迎えてーアイルランド文化と音楽ー」

 講演会は、小松さんによるフィドルと奈加さんによるアイリッシュハープで奏でられるアイルランド音楽で幕を開けました。うっとりするようなメロディーが特徴のアイルランド民謡「ダニー・ボーイ」には会場にいた全員が聴き惚れました。そして、アイルランド生まれのジョン・ウィリアム・フェントンが作曲した日本の国歌「君が代」と、アイルランドの国歌「兵士の歌」が演奏され、講演会はカヴァナ大使のスピーチへと移ります。

文学部主催講演会「カヴァナ大使を迎えてーアイルランド文化と音楽ー」

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文学部主催講演会「カヴァナ大使を迎えてーアイルランド文化と音楽ー」

文学部主催講演会「カヴァナ大使を迎えてーアイルランド文化と音楽ー」

 カヴァナ大使は、まずアイルランドの社会や歴史について、地図を使いながら英語でわかりやすく話を進めてくださいました。「近代のアイルランド経済は高度なテクノロジーに基づき、デジタル化へと進化を遂げています」とカヴァナ大使。ヨーロッパ連合は2020年にアイルランドをヨーロッパでもっともデジタル化した国と認定し、2022年には首都のダブリンをヨーロッパで3番目に競争率の高い都市として認定しました。
 また、アイルランドの多様性について「南アジアやラテンアメリカ、アフリカなどから多くの人が集まり、その割合が国民の17.17%を占めています。彼らはアイルランドの文化を豊かにし、世界の国々と交流する術を与えてくれています」と話してくださいました。そしてカヴァナ大使は学生たちに、「ご卒業されたらアイルランドに留学することを強くおすすめします。英語の能力が高まるだけでなく、21世紀のデジタル化した経済に対応することのできる技術を得ることができるからです。卒業後に海外留学を検討している人は、ぜひ東京のアイルランド大使に連絡をください。喜んでご対応しますよ」と学生たちを歓迎。大野先生はカヴァナ大使のスピーチを受けて、「ヨーロッパのデジタル産業の集積地であり、EUの中で唯一英語を使うアイルランドに留学して、現地の大学で英語やデジタル関係の勉強をすれば、就職先が世界に広がります。みなさんには英語を学ぶ意欲と多様性を持ってアイルランドに留学してほしいと思います」とまとめてくださいました。

文学部主催講演会「カヴァナ大使を迎えてーアイルランド文化と音楽ー」

文学部主催講演会「カヴァナ大使を迎えてーアイルランド文化と音楽ー

 後半は、アイルランドの伝統的な楽器のひとつであり、国章でもあるアイリッシュハープについてのスピーチです。「アイルランドでは、アイリッシュハープが偉大な歴史的重要性を持っています。アイルランドの貴族や、身分の高い人々の周りには詩を詠むハープ奏者が多く、古いゲール社会のコミュニティで最も重要な人物は、一番のお金持ちでも、最も軍事力の高い人でも、多くの家畜を持っている人でもなく、詩人だったのです。また、音楽においてもハープ奏者は大変高く評価されていました」とカヴァナ大使。世界で唯一、国家紋章に楽器がデザインされている国であるアイルランドについて、歴史を辿りながら話を進めてくださいました。カヴァナ大使の名刺にもアイリッシュハープが描かれています。最後にカヴァナ大使は、「かつてアイルランドが独立国家を目指したとき、独立宣言とともに行ったのはアイリッシュハープが描かれた国章を作ることでした。そのときの声明には、我々の持つ独自の文化は称賛に値し、敬意を表されるべき文化であると主張しました。アイルランドの文化は世界中の多くの文化と同じように、大変価値のあるものなのです」と力強く語られ、講演会は幕を閉じました。

 学生たちは今回の講演会を通して、アイルランドの歴史や経済、文化についての知識を深め、留学先にアイルランドを選択することに大きな魅力を感じたことでしょう。講演会終了後はカヴァナ大使に質問しようと、大使の前に長蛇の列ができました。カヴァナ大使の講演を受けてさらに学びへの意欲を高めた学生たちは、自身の夢に向かって着実に歩を進めます。

文学部主催講演会「カヴァナ大使を迎えてーアイルランド文化と音楽ー」