追究

2022年08月26日

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 松本ゼミ3年生 ペット用仏壇の提案

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 松本ゼミ3年生 ペット用仏壇の提案

2022年7月12日(火)1032教室

松本ゼミの学生が若い感性とトレンドを生かしたペット用仏壇を提案。
ユニークかつ飼い主の心に寄り添った仏壇を考案しました。

 創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻では、建築やインテリア、都市計画などの分野について基礎から応用まで幅広く学び、空間に関する歴史、文化、環境、経済性などの背景を読み解きながら、現代人を取り巻くさまざまな課題に取り組んでいます。松本ゼミでは現代社会の大きな課題の一つ、超高齢社会に対してインテリアができることを考察する「エイジングインテリア」を研究しています。

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 松本ゼミ3年生 ペット用仏壇の提案

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 松本ゼミ3年生 ペット用仏壇の提案

 松本ゼミではエイジングインテリア研究の一環として、名古屋市を中心に家具やインテリア、仏壇、墓石などを販売している株式会社仙台屋様とコラボレーションし、新しいペット用仏壇を提案しました。2022年6月28日(火)に1回目のプレゼンを行い、その時の意見や発見を踏まえて、2022年7月12日(火)に2回目のプレゼンを実施しました。学生たちは「仏壇×インテリア用品」という発想や、「遺骨の入る新しいデザインの仏壇」という共通コンセプトをもとに3種のペット用仏壇を考案し、ユニークかつ飼い主の心情に寄り添ったデザイン案が揃いました。

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 松本ゼミ3年生 ペット用仏壇の提案

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 松本ゼミ3年生 ペット用仏壇の提案

 最初に提案したのは時計や照明が内蔵された光る仏壇「ma lune(マリュン)」です。ペットを飼い始めた時に購入してもらい、定期的に足跡を掘ることで、成長の過程や思い出を振り返られるようになっています。また継続的に足跡を掘ってもらうことで、メーカーとの長期的な信頼関係を築き上げるというビジネス性も考慮されていました。「ma lune」は模型も制作されており、デザインも然ることながら、サイズや素材などにもこだわりが感じられる出来になっており、株式会社仙台屋様も感心された様子でした。

 続いて紹介したのは「成長記録を残す仏壇」がコンセプトで、ラテン語で「木」を意味する「Ligna(リグナ)」です。ガラスドーム状で、土台につける足型ハンコやガラスに足跡や記念日などを刻むことで、唯一無二の仏壇にすることができます。ドームの中心には花言葉が「思い出」であるユーカリのフェイクツリーが飾られ、ネーミングや素材選びにも重要な意味合いが込められていました。

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 松本ゼミ3年生 ペット用仏壇の提案

 「浮かび上がるアルバム」をコンセプトとする「べべグラム」は、学生たちが「今までの仏壇のイメージを覆したい」という思いで考案した仏壇で、スマートフォンの画像や動画を3Dで投影できるホログラムピラミッドを活用しています。前回提案時は球状だったため、投影が難しいなどの技術的な課題が残されていましたが、今回は円柱型で提案することで実現可能性を高めました。そのほか、大きさの異なるスマートフォンにも対応できるようになるなど、さまざまな点が調整されていました。1回目のプレゼンで株式会社仙台屋様がご指摘された点以外にも改善が加えられており、学生の「より良いものにしたい」という気持ちが形に表れていました。

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 松本ゼミ3年生 ペット用仏壇の提案

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 松本ゼミ3年生 ペット用仏壇の提案

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 松本ゼミ3年生 ペット用仏壇の提案

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 松本ゼミ3年生 ペット用仏壇の提案

 プレゼン後は株式会社仙台屋様と意見交換を実施しました。各提案の詳細を確認し、新たな課題と可能性が見つかったことで、さらなる改善の余地が生まれたようです。株式会社仙台屋様は今回のプレゼンを受けて「前回の提案でこちらが希望したこと以上の改良がなされており、多少の詰めは必要ですが、前向きに商品化を検討したいです」と提案のクオリティの高さを絶賛され、また「数十年後の次の世代に向けた、全く新しい仏壇やお墓を造るために、ビジネスに染まっていない若い感性を発揮してほしいです」と学生への期待を語りました。
 今回のコラボレーションでは、学生は実際に企業と関わり、デザインや機能だけでなくビジネスにも目を向けた企画・提案を行うという社会経験を積むことができ、株式会社仙台屋様も学生の新しい視点や発想に刺激を受けることができたようで、学生と企業の双方に大きなメリットが生まれました。今後も本学では、学生がこれまでに養ってきた知識や技術、想像力を社会貢献に生かし、彼らの能力をさらに伸ばすための機会を提供し続けていきます。