追究

2022年10月26日

創造表現学部 宮田ゼミ 演習Ⅰb デザイン提案のための現地活動

創造表現学部 宮田ゼミ 演習Ⅰb デザイン提案のための現地活動

2022年8月19日(金) 愛知県農業総合試験場

愛知県が開発したナシの新品種の販売促進に向け、
試験農場で見学をおこないました。

 高度に進化した現代のデジタル技術。その特性を理解しながら、現代社会に向けて適切な情報発信方法を考え、実践するのが創造表現学部のメディアプロデュース専攻です。中でも宮田ゼミはグラフィックデザインを中心とし、デザインの力でさまざまな課題解決をおこなっていくことをめざしています。後期の演習では、愛知県農業総合試験場と国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が共同で開発した日本ナシの新品種「瑞月(ずいげつ・市場未導入)」を題材に、地域の農産物を人びとに知ってもらって販売促進につなげる手段などを考察していきます。
 8月19日(金)にゼミ生が集まったのは、愛知県長久手市にある「愛知県農業総合試験場 本場」。1階のロビーに集合すると、試験研究担当者の大野さんがお出迎え。ナシ農園に移動する前に、「瑞月」がどのようなナシなのか、お話を伺いました。

創造表現学部 宮田ゼミ 演習Ⅰb デザイン提案のための現地活動

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 「瑞月」は「なつしずく」と本県オリジナル品種「歓月」を交配させてできた品種であること。「瑞月」は愛知県が開発した「陽水」、「歓月」に続き、3つめの品種であること。2005年から交配をはじめ、2019年に品種登録出願されたこと。甘味が強く、酸味が少ない現代の消費者嗜好に合致していること。収穫時期は「幸水」よりやや遅く「豊水」より早いことから、「幸水」と「豊水」の間を埋める品種として期待されていることなど、多くの情報を教えていただきました。

創造表現学部 宮田ゼミ 演習Ⅰb デザイン提案のための現地活動

創造表現学部 宮田ゼミ 演習Ⅰb デザイン提案のための現地活動

 概要を把握した後、いよいよ試験農場へ。道中、ブドウやイチジクの果実についても説明を受けながら、農場へ到着。ナシはブドウと同じように棚をつくり、そこに樹を這わせることで効率的に収穫できるように工夫されています。多くのゼミ生はナシが樹になっているところを初めて見る様子。ここではナシの栽培方法や新品種開発等の研究の取組、農薬、害虫などについて教えていただきました。

創造表現学部 宮田ゼミ 演習Ⅰb デザイン提案のための現地活動

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 そしていよいよ「瑞月」と対面。外見は「幸水」のような黄色味を帯びたナシで、それほど特徴的な形状や色をしているわけではありません。実はプロでも見ただけで「瑞月」と判定するのは難しそうです。ここでは「瑞月」についての詳しい説明や美味しい梨の見分け方などをお聞きしながら収穫して、お土産に。持ち帰って美味しくいただきました。
 「瑞月」が実際に市場に広く出回るのは、約3年後になるとのこと。現在、先行して試食のキャンペーンが百貨店やショッピングモールなどでおこなわれていますが、知名度はまだまだこれからです。地域の人びとが、自分たちの地域の農産物に愛着を持って手に取ってくれるよう、これからゼミ生たちがどんなデザイン提案のアイディアを出し合っていくのか、楽しみです。