追究

2022年11月02日

ビジネス学部主催 一日体験講座-高校生のためのビジネス学入門-

ビジネス学部主催 一日体験講座-高校生のためのビジネス学入門-

2022年8月23日(火)星が丘キャンパス 5号館5階55A教室

ビジネス学が身近になる特別講座。
4つの学問分野において、各専任教員が授業をおこないました。

 2022年8月23日(水)、ビジネス学部が主催する一日体験講座「高校生のためのビジネス学入門」が開催されました。この講座は、高校生を対象に企画されたもので、「ビジネス学部の学びに触れてほしい」という思いが込められています。当日は、ビジネス学部の4つの学問分野である「経営学」「商学」「会計学」「経済学」の専任教員がそれぞれ授業をおこないました。ここではその内容をダイジェストで紹介します。

ビジネス学部主催 一日体験講座-高校生のためのビジネス学入門-

ビジネス学部主催 一日体験講座-高校生のためのビジネス学入門-

■1限目 経営学分野 「ソニーグループの事例から経営戦略を学ぼう」
浅井 敬一朗先生

ビジネス学部主催 一日体験講座-高校生のためのビジネス学入門-

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 一日体験講座は、浅井敬一朗先生による経営学の授業から始まりました。この授業では、最初に3C「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」、競争戦略、成長戦略など、経営戦略の基本要素について紹介。それを踏まえたあと、ソニーグループの経営戦略を事例に詳しく解説していきました。浅井先生が、ソニーの成功事例として着目したのは、イメージセンサーによって驚異的な利益率を上げ、発展したセンサー部門です。監視カメラや自動運転車、IoTなど多角的に事業を広げることで成長してきたと説明。さらに、その成功事例を通して「3C」「競争戦略」「成長戦略」を具体的に解説し、経営戦略におけるそれらの重要性を改めて強調しました。最後に、高校生たちが、ソニーグループの事業別売上高と利益率を簡単なグラフにしたものから伸びる事業と伸びない事業を考察し、発表。高校生の考えを知った浅井先生は「さまざまな意見が出て面白かったです。多角的な視点で見るということを大事にしてください」とエールを贈り、授業を締めくくりました。

■2限目 商学分野「CM・プロモーションのふか~いハナシ」
大塚 英揮先生

ビジネス学部主催 一日体験講座-高校生のためのビジネス学入門-

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 大塚先生の授業は「なぜ有名人を使ってまで、企業がCMやプロモーションを行うのか」をテーマにおこなわれました。まず消費者の購買行動を「問題解決行動」、ここでの問題を「理想と現実のギャップ」として、理想と現実のギャップを埋める行動が「ものを買う」ことにつながることを説明。そして問題について実際のCMを用いて紹介し、それぞれの目的や意図を解説しました。また対象に対してどの程度こだわっているかを表す「消費者関与」と一時的な感情を指す「マインド」をキーワードとして、関与とマインドの大小に合わせた企業戦略を紹介。購買促進やブランドイメージの向上など、CMによって異なる狙いとそれぞれの意図について語りました。最後に大塚先生は「プロモーションの仕掛けに気付いて消費者行動をすることで、人生を楽しく賢く生きていける。本学問はそのために必要になります」と実生活におけるビジネス学部の有用性を語りました。この授業で普段何気なく見ているCMにはさまざまな戦略が練られていることを知った高校生たち。これからは、CMを見る際の着眼点が変わってくることでしょう。

■3限目 会計学分野「身近な企業を分析!会計学の世界」
森 洵太先生

ビジネス学部主催 一日体験講座-高校生のためのビジネス学入門-

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 森先生の授業は、「会計とは何か」という会計学の基礎的な内容の説明から始まりました。会計とは「組織の経済活動を全てお金に置き換えることで見える化する」こと。その測定結果を集約したのが財務諸表だと説明し、主な財務諸表である「損益計算書」と「貸借対照表」の見方を解説しました。実際の大手企業の財務諸表から安全性や成長性を分析することで、高校生たちは、会計学の役割について理解をより深めていきました。これらの知識について森先生は「財務諸表を分析できることは、皆さんにとってすぐに役立つスキルです。就職活動の際、自分の志望する企業の経営状態が客観的に知ることができます」と簿記を学ぶことの重要性をアピール。また授業の最後には「会計学を一度学べば世界中で一生役立つ知識になります」と会計学の魅力を伝えました。

■4限目 経済学分野「ビジネスで世界は救えるか?-SDGsビジネス入門-」
渡邉 聡先生

ビジネス学部主催 一日体験講座-高校生のためのビジネス学入門-

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 この日最後の授業は「これまでの授業で学んだ経営学・商学・会計学を包括してビジネスをどう捉えるか。今後の世界のビジネスについて何を考える必要があるか」がテーマ。渡邉先生はこのテーマの切り口としてSDGsビジネスを取り上げました。授業の最初に渡邉先生は、「今の世界は昔より良くなっていると思うか」と高校生たちに質問。「良くなっている」と回答した人が多かったなか、「悪くなっている」と回答した高校生も。渡邉先生は、良いか悪いかを「世界を豊かにしたかどうか」と言い換え、世界全体のGDPや輸出額などの具体的な数字を指標に「ビジネスは世界を豊かにしている」と結論づけました。さらに「顧客のニーズをつかむことがビジネスの本質」として、さまざまな現代世界のニーズをクイズ形式で高校生に出題。その後、今の世界のニーズはSDGsの項目に一致しており、社会課題の解決に取り組む「SDGsビジネス」は、自社ブランドの価値の向上や新規市場の開拓など、企業にとってのメリットが大きいことを明かしました。渡辺先生は授業の最後に、ケンブリッジ大学の経済学者アルフレッド・マーシャルの言葉を引用し「Cool head,but warm heart(社会に対する温かい心を持ちながら、冷静な頭脳で考えよう)」という現代ビジネスにおいて重要な意味を持つメッセージを送りました。

 すべての授業を終え、最後に石坂綾子ビジネス学部長が登壇し、「経営学」「商学」「会計学」「経済学」についてアクティブに学ぶ愛知淑徳大学ビジネス学部の魅力について紹介しました。高校生たちにとって、今回の体験が、ビジネスを学ぶことへの関心や興味につながり、進路選択の参考になることを願っています。

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