追究

2022年11月02日

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 間宮ゼミ インスタレーション「未来を紡ぎ上げる。~繊維という単位で考える~」

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 間宮ゼミ  インスタレーション「未来を紡ぎ上げる。~繊維という単位で考える~」

2022年9月9日(金)長者町コットンビル

カーテン専門の縫製所「インテリアナガオカ」と
間宮ゼミ4年生がコラボレーションしたインスタレーションを長者町コットンビルで開催。
カーテンの新たな魅力を発見できる展示が実現しました。

 本学の創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻では、建築・インテリアデザインの基礎から応用までの学びを通して、歴史や文化、環境、経済などの背景も学習します。一級建築士の資格取得を目指すことができるのはもちろん、建築・インテリアデザインの学習を通して、社会を広く捉えることのできる視点を養っていきます。

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 間宮ゼミ  インスタレーション「未来を紡ぎ上げる。~繊維という単位で考える~」

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 間宮ゼミ  インスタレーション「未来を紡ぎ上げる。~繊維という単位で考える~」

 今回間宮ゼミは、滋賀県米原市にあるカーテン専門の縫製所「有限会社インテリアナガオカ」と共同したインスタレーションを、2022年9月9日(金)~11日(日)に愛知県名古屋市にある長者町コットンビルで開催しました。このインスタレーションは、「カーテンを使った空間作りをしたい」「今までと違ったカーテンの使い方に挑戦したい」と考えたインテリアナガオカが、間宮晨一千先生にその話をしたことをきっかけに実現しました。高度な技術と高い品質が特徴のインテリアナガオカのカーテンの魅力と、間宮ゼミの学生たちの発想力を活かしたインスタレーションとなっています。

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 間宮ゼミ  インスタレーション「未来を紡ぎ上げる。~繊維という単位で考える~」

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 間宮ゼミ  インスタレーション「未来を紡ぎ上げる。~繊維という単位で考える~」

 入り口のカーテンをくぐると、今回のテーマ「未来を紡ぎ上げる。」の言葉を先頭に、このインスタレーションを作り上げた学生たちの思いが床に綴られています。「繊維の街であるこの長者町で、多くの人にカーテンが持つ未だ秘められた可能性を知ってもらいたい。」その言葉を辿りながら会場の奥に進むと、1つ目のゾーン「知る」に行き着きます。

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 間宮ゼミ  インスタレーション「未来を紡ぎ上げる。~繊維という単位で考える~」

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 間宮ゼミ  インスタレーション「未来を紡ぎ上げる。~繊維という単位で考える~」

 「知る」のゾーンでは、インテリアナガオカの概要や略歴などの紹介のほか、カーテンに使われているフックや芯地、糸などについて、説明とともに写真と実物を展示しました。また、インテリアナガオカが高い技術を応用して制作している麻のカーテンについても紹介しています。さらに奥に進むと、学生たちが実際にインテリアナガオカの工場に視察に行ったときの様子が上映されています。この動画の撮影・編集も学生たちがすべて行いました。

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 間宮ゼミ  インスタレーション「未来を紡ぎ上げる。~繊維という単位で考える~」

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 間宮ゼミ  インスタレーション「未来を紡ぎ上げる。~繊維という単位で考える~」

 続いては「まとう」のゾーンです。ここでは、天井からU字に吊るされた麻のカーテンが、神秘的な空間を演出しています。普段、目にすることないカーテンの使い方に意外性を感じるとともに、カーテンの新しい可能性を感じさせてくれるような空間となっています。

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 間宮ゼミ  インスタレーション「未来を紡ぎ上げる。~繊維という単位で考える~」

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 間宮ゼミ  インスタレーション「未来を紡ぎ上げる。~繊維という単位で考える~」

 最後のゾーンは「触れる」です。先ほどのゾーンとは雰囲気が大きく変わり、さまざまな素材で作られた色とりどりのカーテンが道を作るように吊るされています。カーテンとカーテンの間を歩いたり、カーテンにきれいに開けられた穴の中を通ったり、実際にカーテンを触って素材の違いや、インテリアナガオカならではの高い品質や縫製力を実感できる空間となっています。

 今回、間宮ゼミの学生とともにインスタレーションを作り上げた、インテリアナガオカの細田誠氏は「実際にカーテンを体感してもらうことの重要さを実感しました。今後、工夫を凝らしながら取り入れていきたいです」と話されました。また、ふくろう経営デザイン室 中小企業診断士の神谷亮賢氏からは「学生たちから教えてもらうことがたくさんありました。特に、学生たちの豊かな発想力や想像力には驚きです。こういった場でのつながりをさらに膨らませていきたいと思います」と学生たちの活躍に嬉しいお言葉をいただきました。
 学生が初めて挑戦したインスタレーションで、新しく得た経験を糧に、今後の活動に励むことでしょう。

【学生インタビュー】

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 間宮ゼミ  インスタレーション「未来を紡ぎ上げる。~繊維という単位で考える~」

建築・インテリアデザイン専攻 4年 藪井瑠香さん

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 間宮ゼミ  インスタレーション「未来を紡ぎ上げる。~繊維という単位で考える~」

「未来を紡ぎ上げる。」ポスター

 私は今回、入り口のカーテンとポスターデザイン、そして「知る」ゾーンの制作を担当しました。入り口にかかる布は外から会場内が透けて見えるようにしたいと思い、麻の素材を選びました。スプレーを使って布上に文字を描く作業は、濃淡の調節が難しかったです。にじまないようきれいに描くために試行錯誤しました。ポスターデザインは、布や繊維をイメージしたグラフィックが特徴です。未完成さや、ものを形作る過程を形容し、このインスタレーションのテーマである「未来を紡ぎ上げる。」を表現しました。そして「知る」ゾーンは、私たちが実際インテリアナガオカの工場に足を運んだ際に感じた魅力を、会場に来てくれた人たちにも伝えられるように意識して制作しました。インテリアナガオカのこだわりや技術はもちろん、工場周辺の環境まで、自分たちが目で見た素晴らしさを届けたいという思いを形にできてよかったです。
 自分たちが一から考えたものがインスタレーションとして実現し、とても感動しました。また、インスタレーションの良さを知ることができたのも貴重な経験になりました。最後のゼミ活動でいろいろな挑戦ができて嬉しかったです。

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 間宮ゼミ  インスタレーション「未来を紡ぎ上げる。~繊維という単位で考える~」

建築・インテリアデザイン専攻 4年 中西亮貴さん

 今回、初めてのインスタレーションに最初は苦戦しました。「まとう」ゾーンは、今までにはない、新たなカーテンの見せ方をしたいと思い構想を膨らませました。インテリアナガオカの工場見学に行き、カーテンの歴史などを知る中で、自分の中でのカーテンのイメージが神聖なものへと変化します。その神聖さを「まとう」ゾーンでは表現したかったため、ほかのゾーンとは違った、神秘的な空間を作りました。カーテンをU字に吊るしたのは、普段多くの人があまり気に留めることのない、カーテンのラインを見せたかったからです。どのように吊るしたらきれいなラインを表現することができるのか、試行錯誤の日々でしたが、最終的に納得のいくものとなってよかったです。
 もともとCGで再現していたものが、会場で形となったときは嬉しかったです。今回、インスタレーションという稀な経験ができたことはとても貴重だと思っています。インテリアナガオカの魅力を伝えられたインスタレーションとなりました。

創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 間宮ゼミ  インスタレーション「未来を紡ぎ上げる。~繊維という単位で考える~」

建築・インテリアデザイン専攻 4年 林幸輝さん

 最初に今回のインスタレーションのことを聞いたときは、何を作ればよいのかと正直不安でしたが、挑戦してよかったです。担当した「触れる」ゾーンで意識したのは、興味を引くような工夫をすることと、「まとう」ゾーンからの印象の変化をつけることです。「触れる」ゾーンに入った瞬間にすべての展示を見せないことで、ゾーン内を進んでいく楽しさを演出しました。10種類の素材のカーテンをどのように並べるのが一番効果的なのか、何度も考えました。カーテンを並べる順番を変えてみたり、カーテン同士の距離感を変えてみたり…納得いくまで繰り返しました。また、カーテンに触れて楽しんでもらえるように工夫をしたのもこだわりの一つです。
 完成した時は本当にワクワクしました。今回のインスタレーションで得た経験を、今後の建築・ものづくりにも活かしていきたいです。