2022年11月9日（水）、12月14日（水）愛知時計電機株式会社

社員食堂のメニューを学生たちが考案。
調理室での業務を体験し、管理栄養士として重要なスキルを学びました。

　管理栄養士を目指す健康栄養学科の榎ゼミでは、病院や企業と連携して数々の実践的なプロジェクトに取り組んでいます。2022年11月9日（水）と12月14日（水）には、昨年度に引き続き愛知時計電機株式会社様と連携プロジェクトを実施。名古屋大学医学部附属病院 栄養管理部監修の下、健康面を意識した低エネルギー・低塩分のオリジナルメニューを日本ゼネラルフード株式会社様と協働で考案し、愛知時計電機株式会社様の社員食堂で学生が従業員の方に直接メニューを提供する配膳体験をおこないました。

　学生たちは白衣に着替え、調理スタッフの方々の指導の下、料理の盛り付けを行い、ランチタイムの提供に向け段取りよく準備を進めました。
　11時20分のランチタイムになると従業員の方が食堂へ集まります。学生たちは緊張の面持ちで従業員の方の注文に耳を傾けますが、多くの方が学生たちの考案したメニューを注文。その後も順調にヘルシーメニューのオーダーが入りました。学生たちは「他にもメニューがある中で自分たちのメニューを選んでくれる方が多くて嬉しかったです」「ヘルシーメニューを選んでくれた方から直接お礼の言葉をかけてもらえてよかったです」と満足そうな表情を見せました。

　11月9日（水）には、「ロコモコプレートセット」を提供（考案者：磯部美帆・河合広太郎・高井瑛二郎・森下美佳）。ハンバーグと目玉焼き、サラダが乗ったプレートにキャロットラぺとイチゴのヨーグルトゼリーがついたセットです。ハンバーグには豆腐を使用しており、全部食べても497kcal、塩分2.2gとヘルシーながらも満足感あるメニューに仕上げました。彩りも豊かで食欲がそそるような盛り付けに。

　12月14日（水）には、「ピリ辛鶏そぼろと彩り野菜のヘルシービビンバ」を提供（考案者：近藤ねね・清水亮太・白山歩実・樋口寧音）。鶏ミンチと彩り豊かな野菜、温玉を乗せたビビンバとわかめスープ、豆腐を材料にしたなめらかレアチーズケーキのセットです。野菜は1/3日分が盛り付けられており、こちらも全部食べても497㎏とヘルシーなメニューになりました。食堂内の各所には学生たちが制作したリーフレットを配置。配膳メニューのレシピだけではなく、ヘルシーなポイントや減塩のアドバイスなども紹介する内容にまとめました。

　「ロコモコプレートセット」は120食、「ピリ辛鶏そぼろと彩り野菜のヘルシービビンバ」は140食を用意しましたが、両日とも完売。「ロコモコプレートは、ヘルシーなのに食べ応えがあり、見た目も華やかでした。大変満足です」「ビビンバは、ピリ辛な鶏そぼろと卵の甘さがマッチしてとても美味しくいただきました。デザートも美味しくいただきました。これからも期待しています。」とお客様からのあたたかい感想をいただきました。自分たちの考案したメニューで多くの方に喜んでいただいた経験は、学生たちにとってとても嬉しく、管理栄養士の目標をより一層高める良い機会になりました。

　提供終了後は食堂を運営する店長様と日本ゼネラルフード株式会社の担当者様、榎ゼミの学生による座談会を実施。お互いに今回のイベントの感想や反省点を述べ、改善するためにはどうすればよいかを討論しました。また学生はメニューのアイデアの出し方や食数の決め方、従業員同士のコミュニケーションのとり方など、管理栄養士として気になる点を積極的に質問。プロの考え方を学ぶ絶好の機会となりました。

■11月9日（水）座談会の様子

■12月14日（水）座談会の様子

　学生たちは配膳体験について「これまで自分たちが考案したメニューを直接提供する機会はなかったので、今回食べてくださる方の顔が確認できて良かったです」「配膳を体験できたことで、今後は提供する状況まで考えたレシピを考案したいです」と振り返りました。またレシピについては、「もう少しレシピの指示を細かくすれば調理師と栄養士の齟齬がなくなり、うまく連携できるようになるのではと思いました」と管理栄養士の視点で改善点を考察しました。

　今回のプロジェクトで1からメニューを考案し、実際にお客さまに販売するという貴重な体験をした学生たち。現場で調理や提供を実際に体験し、調理師の方から率直な意見をいただけたことで、管理栄養士としての視野がより広がりました。学生たちは今回の経験を糧に、人々の生活を支える管理栄養士となるため、学修や研究、ゼミ活動により一層励むことでしょう。