追究

2023年03月28日

建築・インテリアデザイン専攻「空間設計Ⅱ」学外講評会

建築・インテリアデザイン専攻「空間設計Ⅱ」学外講評会

2023年2月9日(木)星が丘天文台ワークラウンジ

地域に愛される文化発信の場としての書店を
学生たちが設計し、
審査員の方々に評価していただきました。

 創造表現学科 建築・インテリアデザイン専攻2年生の後期演習授業である「空間設計Ⅱ」の学外発表会が、2月9日(木)星が丘ボウル内にある天文台ワークラウンジでおこなわれました。
 今回の課題のテーマは「地域に愛される文化発信の場としての書店」です。その内容は、地域の文化発信拠点である書店が減少している昨今、星が丘テラスにある星が丘ボウルをコンバージョンし、地域に愛される文化発信の場としての書店を計画してほしいという主旨です。これには星が丘ボウルの運営会社である東山遊園株式会社さまや東海三県を中心に展開する株式会社三洋堂書店さま、設計事務所の方々にもご協力いただき、学生たちが提案したプランを審査していただきます。

建築・インテリアデザイン専攻「空間設計Ⅱ」学外講評会

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建築・インテリアデザイン専攻「空間設計Ⅱ」学外講評会

建築・インテリアデザイン専攻「空間設計Ⅱ」学外講評会

 今回プレゼンテーションしたのは13名の学生です。それぞれが考えるこれからの書店の在り方をコンセプチュアルに語ってもらいました。日本庭園を意識したもの、大きな空間の中に小さな本屋が集合したもの、うずまきをモチーフにしたもの、中には人が能動的に本を選ぶのではなく、本が動き、来店者にアピールするという斬新なアイデアもあり、審査員の関心を集めていました。

建築・インテリアデザイン専攻「空間設計Ⅱ」学外講評会

建築・インテリアデザイン専攻「空間設計Ⅱ」学外講評会

 すべてのプレゼンテーションが終わると、審査員の皆さんが優れていると感じた作品を3つ選び、その模型に付箋を貼っていきます。「とても楽しい時間を過ごさせてもらった。商売を考えるとどうしても利益や効率を考えてしまうが、皆さんの右脳を活用した柔軟なアイデアが本屋をもっと楽しくさせてくれるとワクワクしました」「星が丘の立地や環境を入念に調べ、その長所や短所を把握した設計が多く、とても興味深かったです」など、審査員の皆さんからは学生たちのアイデアとそれを形にする力に対し、賞賛の言葉をいただきました。学生たちも学外の皆さんから新鮮な感想をいただき、これまで考えが及ばなかった部分への反省と評価いただいたことへの自信を持ったことでしょう。

作品紹介

■HOUSE(得票数7票)田口 廣さん

建築・インテリアデザイン専攻「空間設計Ⅱ」学外講評会

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 星が丘ボウルは非常に大きなスペースなので、人のスケールにあった本屋をつくるために、小さな家を集合させました。その家と家の間に生まれる隙間や軒下、縁側が生み出すコミュニケーションを重視しました。建築を専門にしていない方々からの感想はとても新鮮で勉強になりました。設計士の視点とその建築を使う一般の方々の視点、両方を持っていなければいけないことをあらためて実感しました。

■巡り、集い、出会う(得票数4票)堀 拓実さん

建築・インテリアデザイン専攻「空間設計Ⅱ」学外講評会

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 東山遊園株式会社さまと株式会社三洋堂さまの理念に共通する言葉が「出会い」です。その言葉をキーとして「様々な人や本との出会い」をコンセプトに設計しました。店内は半円の本棚を置くことで、来店者が自分の好きな本を勧めたり、本の感想を共有するなど、自由に交流できる空間づくりを意識しました。外部からの講評はとても参考になりました。特に「バリアフリーを意識していますか?」という質問にはドキッとさせられました。多くの人が利用できるよう次の設計に生かしていきたいと思います。

■オタクのお宅(得票数4票)竹川 葵さん

建築・インテリアデザイン専攻「空間設計Ⅱ」学外講評会

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 いま本屋に求められるのは、幅広い情報を持つ本ではなく、よりコアで詳しい「オタク」な本であると考えます。一つひとつのまとまりを文庫、雑誌、漫画など、本の種類で分けるのではなく「建築」などのカテゴリーで一つのまとまりをつくり、そこにより詳しい本を置くように考えました。審査員の皆さんの言葉はどれも参考になるものばかりでした。これからの時代、書店の価値はどこにあるのか、どう生み出せばいいのかをしっかり考えることの大切さを痛感しました。