追究

2023年04月04日

教志会主催 第8回 教員養成特別講座

2023年2月1日 長久手キャンパス

教員を目指す本学学生を対象に、
教育のプロが教員の役割や授業の進め方について
模擬授業を通して紹介しました。

 本学には、「教志会」という、本学で学ぶ教職課程履修者と幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校で教職に従事する卒業生をつなぐコミュニティー、ネットワークがあります。在学生にとっては、実際に教員として働いている卒業生たちから様々な情報を聞けるだけでなく、教員採用試験対策として「教職対策講座」をはじめ、教職・司書・学芸員教育センター内の相談ブースで中学校・高等学校での豊富な現場経験を持つセンター所属の教員への個別相談など、多様なサポートを受けることができます。今回は、その教志会が主催するイベントの一つで、愛知県総合教育センターと愛知淑徳大学の協定に基づき開催された「教員養成特別講座」を紹介します。

 第8回となる今回のテーマは「教科指導の最前線」。6つの教室に分かれ、それぞれ「国語(中学校)」「英語(中学校)」「社会(中学校)」「保健体育」「幼稚園」「特別支援」の講師から、模擬授業を通して、教員や教科の現状や、授業の進め方のアドバイス、さらには教員になるための心構えなどを教えていただきました。

国語(中学校) 松井亮先生

 松井先生は、題材として氏田雄介さん作の1話54文字で構成されている短編集「54文字の物語」を用意。4つの物語の中から1つを選んでその内容を考え、他の学生とグループになって話し合います。ここでは、意見交換をすることで、発想が広がることを目的としています。授業では、物語を読み解くだけでなく、次に何を目的にどう進めていくのかが大切であり、授業内容のみならず、授業づくりについても学びのある時間となりました。

英語(中学校) 井上祥子先生

 井上先生は、外国語科の目標と学習指導要領についての講義からスタート。続いて授業を進める時のポイントを解説しながら、実際に模擬授業をおこないました。英単語の成り立ちや単語をおぼえるコツなどを教えていただき、英文読解の問題では、学生から様々な回答が出ると、その細かなニュアンスについて、学生同士で意見を言い合う場を設定。全員参加型の授業スタイルを体験することができました。

社会(中学校) 猪狩雄一先生

 猪狩先生は、実際の授業をベースに展開。黒船来航絵図を見て、気づいたこと・知っていることを3つ挙げ、開国に賛成か反対か、自分の意見を言おうという内容へ。どちらの意見でも間違いはなく、大切なのはその理由が自分なりに出せているか、理由をどう導きだすかを、学生の発言へアドバイスする形で、実践的に紹介されました。さらに、他の意見でなるほどと思った意見をメモする、という行為を通して、授業への興味を引き出すアドバイスもいただきました。

保健体育 渡辺美穂先生

 渡辺先生は本学の卒業生。まずは教師になるためのスキルアップから講義は始まりました。続いて「どうして教師になりたいのか」「教師の魅力を10文字以内で伝える」「学校になぜ体育の時間があるのか」といった、自分で考える参加型の授業を展開。さらに、教師の仕事の1日や、先生自身の新人時代の悩みなど、教員を目指す学生へのアドバイスと、実際の授業で役立つ学びを両立させながらの講義となりました。

幼稚園 長谷川智子先生

 長谷川先生は、名札のつくり方といった折り紙から始まり学生をリラックスさせながら、「保育園と幼稚園と認定こども園の違い」など、よく学生が疑問に思うことから講義を始められました。保育をするうえで知っておくと良いこと、すてきな保育者になるために、という講義の後は、みんなでブレイクタイム。体を使った遊びをみんなで実践し、最後に学生からの質疑応答に丁寧に答えてくださり、講義は終了しました。

特別支援 荒井麻里先生

 荒井先生が伝えようとしたのは、自分の感情を出せない子どもたちの気持ちを理解することの大切さ。言葉をうまく表出できない子どもたちを例に、伝えることの難しさを学生に体験してもらうため、ジェスチャーで相手に伝えるゲームを実施しました。急に教室を出る子は、トイレに行きたいことを我慢していて、我慢できなくなったかもしれない。それを伝えられないから、教室から出ることがあるという事例を通して、伝わらないことのもどかしさや行動の理由について、視野を広げることができました。