追究

2023年09月20日

心理学部「産業・組織心理学」プロレスラー彰人氏講演会

2023年7月28日(金)長久手キャンパス 824教室

現役プロレスラー兼事業会社の副社長を務める本学の卒業生が来校。
ご自身の経験をもとに、管理職の視点とキャリア形成の考え方について語っていただきました。

 心理学部では、「生理・認知心理学」「社会心理学」「発達心理学」「臨床心理学」の4領域を総合的に学び、客観的なデータの収集・分析・考察を通して科学的に「人のこころ」を理解するための技術を磨いています。なかでも「産業・組織心理学」の授業では、企業や組織で働く人々のキャリア形成やリーダーシップ、ストレスマネジメントに関する課題に心理学の知識を用いて取り組み、学生が「働く」ことについて自分なりの考えを身につける事を目標としています。
 2023年7月28日(金)、本授業の最終回となるこの日は、本学部の前身となるコミュニケーション学部を卒業し、現在は現役プロレスラー兼プロレス事業会社の副社長を務めている西垣彰人様をお招きし、ご自身の経験談や経営者としての視点などを語っていただきました。

 高校までレスリングに打ち込んでいたものの、大学ではレスリングから離れてしまっていた西垣様。しかし、就職活動で進路に悩んでいた際に「自分が本当にやりたいものは何か」と考えたところ、レスリングが好きだという気持ちに気付き、改めてプロレスラーになることを決意。卒業後は名古屋のプロレス団体を経て、現在のDDTプロレスリング(以下、DDT)に所属しました。プロレスラーとして活躍する一方で、DDTの飲食事業部での仕事をはじめ、経理、企画、商品開発などさまざまな業務をこなしていたそうです。そして数々の実績を残したことで、最終的にはDDTも所属するプロレス事業会社・株式会社CyberFightの副社長に抜擢されました。副社長として、経営方針を決めるための役員会議への参加や、飲食事業部の経営、イベント企画など、さまざまな業務に携わっています。プロレス事業において重要な商品開発にも関わっており、「商品開発では業界の状況や団体の強みなどを分析して、チャンスポイントを探すことが重要になる」と語られました。

 実際に、他のプロレス団体と比べてDDTでは女性客の割合が多いことに着目し、女性をターゲットにしたサイン会や2ショット撮影会などを開催。売上を大きく伸ばすことに成功しました。

 プロレスラーから事業会社の副社長へとキャリアを形成する中で、「新卒の就活がすべてではない」と感じたといいます。また、「社会人は少しだけ先を見ることが重要で、将来を見据えることがモチベーションになる」と語られました。最後に「気力さえあれば、やり直しは効くので、やる気が湧くような夢中になれるものを見つけてほしいです」と、学生たちに熱いメッセージを送られました。

 後半の質問タイムでは、プロレスラー兼副社長という異色のキャリアを持つ西垣様に学生たちは興味津々の様子で、さまざまな質問が寄せられました。学生の「プロレスは身体的な痛みや危険を伴うものですが、それでも続けるモチベーションはどこから生まれるのですか」という質問には、「プロレスには痛みを超える喜びや感動がある」と回答。勝敗を目的とする格闘技とは異なり、プロレスでは「見ている人がどう思うかが重要」であり、「相手を攻撃するだけでなく相手に叩かれても、それで観客が盛り上がるのであれば、私の喜びにつながります」と、プロレスラーとしての矜持と信念を語っていただきました。

 西垣様のキャリア形成や副社長としての視点、プロレスラーとしての価値観は、学生たちにはとても新鮮な内容で、将来を考える彼らに良い刺激を与えたことでしょう。本学では今後も、学生たちの仕事や学びへのモチベーションを高めるためのサポートを続けていきます。