追究

2015年11月20日

交流文化学部 谷沢ゼミ フィールドワークin竹富島・黒島

交流文化学部 谷沢ゼミ フィールドワークin竹富島・黒島

平成27年9月1日(火)~8日(火) 沖縄離島

あたたかい人の笑顔に出会い、雄大な自然にふれる。島の伝統文化や民俗芸能などを体験し、島の方々との交流を通して多くのことを学びました。

 9月1日(火)~8日(火)、日本の最南端・沖縄県八重山諸島で、交流文化学部 谷沢ゼミの2年生がフィールドワークをおこないました。八重山の離島の自然・歴史・文化を体験し、新たな価値観に出会うために活動した18人の学生たち。7泊8日の旅で多くの島の人と出会い、語り合い、心を通わせる中で、島に受け継がれるたくさんの“宝物”を見つけました。その“宝物”は研修終了後、滞在中に撮りためた写真を使用したスライドショーにまとめて発表し、ゼミのメンバーで研修の成果を伝え合いました。ここではその様子を写真とともに、「竹富島」「黒島」「プレゼンテーション」の3つのブロックに分けて紹介します。

竹富島

 美しい空と海の青さに映える白砂の小道の両脇には、赤い屋根の家々が建ち並びます。この沖縄の原風景といわれる「赤瓦の集落」が残っているのは、現在は竹富島だけ。「一致協力」を意味する「うつぐみ」という言葉のもと、島に暮らす人々が大切に守ってきた風景です。島の美しさの理由を、自分たちの足で調査し、たくさんの笑顔と出会った学生たち。「島で暮らす人々を理解して見る景色は、来た時と全く違うものに感じられた」、そんな感想を話します。学生たちは、身体と心で島の人々のメッセージを受け止めました。

「まっちゃんおばあ」の愛称で親しまれている90歳の古堅節さん。台風のおそろしさや水の大切さなどを話してくれました。実際に話を聞くことで、おばあの島に対する愛情や思いを知ることができた学生たち。フィールドワークの醍醐味を実感しました。

隆起サンゴ礁の島である竹富島には山も川もありません。そのため昔から水の確保が島の人々にとって最も重要な課題のひとつでした。活躍したのは現地の言葉で“カー”と呼ばれる井戸。景観が物語る生活の歴史の一面が見えてきました。

昔ながらの民家が数多くあり、沖縄の原風景に出会える竹富島。琉球石灰岩でできたごつごつとした石垣や赤い瓦屋根の家並みを観察。学生たちは谷沢先生の解説に耳を傾けます。集落を歩くたびに新しい発見がある、そんな竹富島のフィールドワークです。

集落を散策した後、宿泊先の「ヴィラ竹富」に戻った学生たち。さっそく自分たちが感じたこと・気づいたことを話し合って情報を共有します。一人ひとり目のつけどころが異なり、ディスカッションを通して竹富島への理解がより深まりました。

黒島

 研修の後半は竹富島のさらに南、黒島へ。自然の雄大さを五感で感じ、人々との交流を通して黒島の自然・文化を学びました。2日目におこなわれた西表石垣国立公園石西礁湖でのシュノーケリング。沖縄の豊かな海を体感し、色とりどりのサンゴやカクレクマノミに出会いました。このすばらしい自然を次世代に受け継いでいくことの大切さを学生たちは実感しました。さらに夜には島の人たちが開いて下さった民俗芸能鑑賞会に参加。島民が披露した歌や踊りの意味を知り、伝統文化を大切に伝えている人々の熱い気持ちを知ることができました。

干潮時だけエメラルドグリーンの海に浮かび上がる「幻の浜島」。満潮時は海に沈んでいるので、草木は全く生えていない白砂だけの島です。潮の満ち引きを体感し、自然の持つ力を目の当たりにした学生たち。その美しさに思わず息を呑むほどでした。

学生たちは日本最大級のサンゴの海でシュノーケリングを体験。出迎えてくれたのは、色鮮やかな魚たち。その美しい海を守り続ける、持続可能な環境保全の大切さをも学びました。

民俗芸能鑑賞会では地域の方々10名が「ペンガン取れ」「アブゼーマ」「黒島口説」などの土地に伝わる踊りや歌を披露。黒島の暮らしをユーモラスに表現した舞に心をうばわれました。芸能が生まれた背景にまで目を向けながら、黒島の伝統文化について知ることができました。

民俗芸能鑑賞会が終盤に差し掛かると、学生たちも踊りに飛び入り参加。モーヤと呼ばれる底抜けに明るい踊りを島民の方々からご指導いただき、一緒になって楽しみました。踊りや歌が日常に根づく黒島の暮らしに触れ、地域文化を感動を持って学ぶことができました。

プレゼンテーション

 八重山諸島の島々から多くの宝物をもらった谷沢ゼミの学生たちは、何を感じ、何を学んだのでしょうか。8日間のフィールドワークの成果を発表するプレゼンテーションを9月に開始しました。学生たちは、自らの視点で島の風景を切り取った写真と取材内容をもとに、パワーポイントでスライドを制作。どんな言葉が見ている人の心に刺さるか、どんな写真が見ている人の記憶に残るか、一つひとつ熟考して作り上げた作品はどれも、あたたかさあふれるものばかり。作品を鑑賞した仲間たちも「竹富島の魅力は“一致協力”。人の笑顔に焦点を当てた写真からその魅力が伝わってきました!」「写真をなくしたシンプルなスライドが印象的で、島の人々の言葉が迫ってきました!」と感想を述べ合い、お互いの作品を讃え合いました。
 学生の発表後、谷沢先生は「現地におもむき、実際に人と会い、話をして交流することで、そこに住む人々の思いや文化を肌で感じることができたのではないでしょうか。体験することの素晴らしさを忘れないでください」と語り、学生たちも力強くうなずいていました。学生たちはプレゼンテーションを通じて、フィールドワークの体験をあらためて振り返り、そこで得た学びを自らの力に変えたことでしょう。