追究

2015年12月28日

常滑フィールド・トリップ

常滑フィールド・トリップ

平成27年10月17日(土)~25日(日) 愛知県常滑市 やきもの散歩道周辺

学生たちが地域の人や文化とふれあいながら、写真展を企画・実施しました。

 写真というメディア表現の一手法を使って、地域に受け継がれる伝統や人々の暮らし方、生き方、まちの新たな価値をどうカタチにし、伝えていくのか。メディアプロデュース学部の坂倉ゼミでは、取材・撮影から冊子の編集、写真展の企画・運営までをおこない、社会を見渡す広い視点や柔軟な感性、情報収集・発信力、企画力、実践力などを総合的に磨いています。その活動拠点のひとつが、焼き物の名産地として知られる愛知県常滑市。このまちで実施される現代アートとデザインの展覧会「常滑フィールド・トリップ」に2012年から坂倉ゼミも参加し、3年生の研究・制作活動の一環として写真展を開いています。

 今年度、「常滑フィールド・トリップ」に携わったのは3年生18人。写真作品によって「常滑のまち、ひと、ものとの関わり」を表現しようと奔走しました。プロジェクトの起点は、9月におこなった3泊4日のフィールドワークです。地元の人々へのインタビュー、地域の文化や歴史などの取材を通して一人ひとりが作品テーマを見出し、撮影コンセプトを明確にして写真作品を制作しました。「家族」「猫」「異文化」「ノスタルジー」などそれぞれが切り取った常滑のイメージを18冊の小冊子に編集。18人全員が自分の作品コンセプトを10秒間で発表していくプロモーションムービーも制作し、個々のメッセージを印象的に打ち出しました。

 常滑フィールド・トリップの会場は、観光スポットとして人気の「やきもの散歩道」周辺エリア。点在する古民家や工房、飲食店などを舞台に、アーティストやデザイナーが作品展示、ワークショップなどをおこないます。イベント本番の10月17日(土)~25日(日)の9日間、坂倉ゼミは工場跡地のギャラリーにて写真展「relations」を開催しました。学生たちは訪れた観光客や地域の人々に作品の制作意図や取材での裏話などを解説。常滑の人や文化とのかかわり合いの中で見えてきた「常滑のきらめき」を語り、地域のさらなる活性化にも貢献しようと努めていました。
 単なる作品制作にとどまらず、地域のさまざまな人や文化、自分自身の心とも向き合いながら写真表現を追究した学生たち。展覧会の企画・運営に全力を注ぐ過程で仲間や地域の人とのつながりを深め、4年次の卒業制作、社会での自己実現につながっていく貴重な学びを得たことでしょう。

学生VOICE 坂倉ゼミ3年生リーダー

メディアプロデュース学部 メディアプロデュース学科 3年 太田 有紀さん

 常滑でのフィールドワークで出会った素敵なご家族の空気感を、どう写真で表現できるのだろうか? そう考えて取材を重ね、坂倉先生にご指導いただきながら試行錯誤を重ねた日々は、写真の技術よりも大切なコミュニケーション能力や柔軟な思考力、相手に思いを伝える力が鍛えられました。この経験を今後の学修・研究に役立て、将来は広告業界で活躍したいと考えています。